女神に可哀想と憐れまれてチート貰ったので好きに生きてみる

紫楼

文字の大きさ
86 / 120
一章

海ダンジョン 9

しおりを挟む
 I can fly!!!

 飛べた。
 若干変なポーズだったのは誰も見てないので気にしない。

 天井があったなら頭をぶつけたかもしれないが、ダンジョン内、不思議なことに空があるからな。

 上から見る森はなかなか良いものだ。
 隙間から食虫植物とムカデやヘビが見えなければ。
 ヤシガニや大きなバカガイがいたけど、アイツら食えないしな。ドロップ品も期待できない。
 スルーしとこ。

「うわぁ!」

 スルーを決めた後に森から何か飛んできた。

「なんだ?」

 じっくり森の様子を窺うと、どうやら大きいトカゲ??イグアナみたいな姿をしているのが枝葉の影に潜んでいた。
 アイツが舌を伸ばしてきたっぽい。

 舌!長すぎないか?

 俺を餌にしたかったのか。

 その喧嘩買うぞっと下に移動しようと思ったらコウノトリみたいなのが飛びかかってきた。

「キューーーーーーーィィイイイイ」

 慌てて短銃を使って何発目かでヒットしたものの、俺の足には舌が巻き付いていた。

「うぉー!!ピンチ!!」
 
 天河に持ち替えて、届く範囲の舌をばっさり三回切ってやった。

 俺はバランスを崩して落ちかけたけど、なんとか持ち直した。

 さっきの鳥のドロップ品は海中に落ちちゃったし、トカゲは舌を切ったら逃げたので損した気分だ。

 この階はもう良いや。景色はいいけど、足場が悪いし、倒してもドロップほとんど海中に落ちちゃうから。

 とっとと移動と一直線にセーフゾーンを目指した。

 なんだかとっても疲れてので休憩だ。
 〈ルーム〉に入って、缶ビールを出して一気だ。

 ついでに腹ごなし。ハンバーガーをポチッと。フライドポテトとナゲットも。
 あー、油が染みる。
 タバコを吸ってからダンジョンに戻る。

 十五階層は砂浜に出た。片側は海で片側は岩場だ。
 MAPでは二組のパーティを確認した。
 一組は隠し部屋にチャレンジ中っぽい。

 俺はとりあえず砂浜を進む。

 ビョン!ビョビョン!

 目の前に突然ストロー状の長い棒がいくつも飛び出した。
 鑑定は貝の一種って出てるのでマテ貝?
 人の魔力に反応して出てくるらしい。

 この先進むと足元からビョンビョン出てくるのか?危なくない!?

 しかもコイツら倒しても食えないんだよ。うんざりだね。

 とりあえず出てきたヤツは天河で斬り捨てた。ドロップは「笛・海の潮騒を感じられる」っていらねぇよ!
 あとは小さな魔石か切り傷の軟膏。
 十五階なのにしょぼくない!?

 空飛ぼうか考えたんだけど、パーティに見られちゃう可能性があるので、砂浜は避けて岩場遠進むことにした。 

 カニ?変な色のカニが出てきたんだけど、サイズがイマイチで足が短くて切り離しても可食部少なくて萎えた。
 ドロップで手のひらサイズのカニが出てきた。出汁でも取れと言うのか。
 あの長い脚を見た後ではちょっと残念感が。
 魔石と中級ポーションがあったのが幸いか。

 そして俺の身長サイズのタコが岩陰から現れた。
 攻撃はアシで物理と墨吐きだ。地面が溶けたぞ。

 コイツもアシだけは消えない。よっしゃー!タコブツにしてやっぞ!

「キューーーァァァ」
 天河が神器級武器なのに碌なものを斬ってない。ごめんよ。

 脚を全部頂くために輪切りで切り分けていく。ちょっと可哀想に思うが美味しく頂くので許してくれ。

 一撃必殺にすると食えないからな。

「キューーーーーーーィィアアアアアア」
 最後の一本ってなったら、タコがめっちゃ怒り出して、脚が復活した。

 ボーナスステージか!!?

 タコは今のところ港で買えてないので出来るだけゲットしよう。ポチッても良いけど、ここでゲット出来るならしたいじゃん。

 三回ほど復活させたところで疲れたので、急所の眉間を貫いて終わった。
 ドロップは毒消しと墨壺だった。
 
 脚を回収して進むと、巨大なシャコのが出てきた。シャコってよく見るとキモいよな。
 これは胴体切ったら下半身残るのか?
 残念なことに残らなかった。
 ドロップは外殻と魔石。

 その後もグソクムシとかヤドカリ、海鳥とか出てきた。
 肉(身)が落ちない。
 ビー玉のような石(not魔石)や傷薬を拾って収納に。

 この階層はタコしか良いものが出なかった。

 セーフゾーンに入りタバコを一本咥えてボス部屋に入った。

 ボスは、ワニだった。アリゲーターっていう方が迫力あるかね。
 十メートル級で水魔法を使ってくる。

 噛みつきと尻尾に気を付けながら考えた結果、ライフルで口の中に雷撃を打ち込むことに。
 
「ギャーーーールルルゥ!!!」
「グォオオオオォン」
 
 外れると俺にも電気が走りそうなので必死。

 一発で舌に当たって、怯んだ隙に二発目をぶち込んで、ワニはローリング悶えを披露してくれた。
 これで狙いやすいと腹側から急所の喉下を狙って天河を差し込んだ。

 さすがにちょっと冷や汗かいた。口デカいし牙が凄かった。
 尻尾も壁崩す威力だったしな。

 ドロップはワニ肉、ワニ皮、爪だった。
 ワニ肉・・・調理したことがないなぁ。
 
 宝箱に入っていたのは、魔力反射の腕輪だった。
 精神干渉系魔法を弾いてくれるらしい。

 良い物をゲットした気がする。
 ん?神の加護(加護か?)があるからそうそう変なものに干渉されないかもだけど一応付けておくか。
 指と腕がどんどん成金になっていくな。

 とりあえずボス部屋を出て、休憩することに。

 今は二日目の夕方四時くらいだ。

 もうダンジョン嫌になってきたのでちょっと出たいと考える。
 
 だけど、この後王都まで自由がないんだよな。

 よし!!他の冒険者がいない階層でちょっと暴れてスッキリしよう!



 
 
しおりを挟む
感想 61

あなたにおすすめの小説

異世界に転移したら、孤児院でごはん係になりました

雪月夜狐
ファンタジー
ある日突然、異世界に転移してしまったユウ。 気がつけば、そこは辺境にある小さな孤児院だった。 剣も魔法も使えないユウにできるのは、 子供たちのごはんを作り、洗濯をして、寝かしつけをすることだけ。 ……のはずが、なぜか料理や家事といった 日常のことだけが、やたらとうまくいく。 無口な男の子、甘えん坊の女の子、元気いっぱいな年長組。 個性豊かな子供たちに囲まれて、 ユウは孤児院の「ごはん係」として、毎日を過ごしていく。 やがて、かつてこの孤児院で育った冒険者や商人たちも顔を出し、 孤児院は少しずつ、人が集まる場所になっていく。 戦わない、争わない。 ただ、ごはんを作って、今日をちゃんと暮らすだけ。 ほんわか天然な世話係と子供たちの日常を描く、 やさしい異世界孤児院ファンタジー。

最愛の番に殺された獣王妃

望月 或
恋愛
目の前には、最愛の人の憎しみと怒りに満ちた黄金色の瞳。 彼のすぐ後ろには、私の姿をした聖女が怯えた表情で口元に両手を当てこちらを見ている。 手で隠しているけれど、その唇が堪え切れず嘲笑っている事を私は知っている。 聖女の姿となった私の左胸を貫いた彼の愛剣が、ゆっくりと引き抜かれる。 哀しみと失意と諦めの中、私の身体は床に崩れ落ちて―― 突然彼から放たれた、狂気と絶望が入り混じった慟哭を聞きながら、私の思考は止まり、意識は閉ざされ永遠の眠りについた――はずだったのだけれど……? 「憐れなアンタに“選択”を与える。このままあの世に逝くか、別の“誰か”になって新たな人生を歩むか」 謎の人物の言葉に、私が選択したのは――

のほほん異世界暮らし

みなと劉
ファンタジー
異世界に転生するなんて、夢の中の話だと思っていた。 それが、目を覚ましたら見知らぬ森の中、しかも手元にはなぜかしっかりとした地図と、ちょっとした冒険に必要な道具が揃っていたのだ。

魔王を倒した手柄を横取りされたけど、俺を処刑するのは無理じゃないかな

七辻ゆゆ
ファンタジー
「では罪人よ。おまえはあくまで自分が勇者であり、魔王を倒したと言うのだな?」 「そうそう」  茶番にも飽きてきた。処刑できるというのなら、ぜひやってみてほしい。  無理だと思うけど。

【完結】兄の事を皆が期待していたので僕は離れます

まりぃべる
ファンタジー
一つ年上の兄は、国の為にと言われて意気揚々と村を離れた。お伽話にある、奇跡の聖人だと幼き頃より誰からも言われていた為、それは必然だと。 貧しい村で育った弟は、小さな頃より家の事を兄の分までせねばならず、兄は素晴らしい人物で対して自分は凡人であると思い込まされ、自分は必要ないのだからと弟は村を離れる事にした。 そんな弟が、自分を必要としてくれる人に会い、幸せを掴むお話。 ☆まりぃべるの世界観です。緩い設定で、現実世界とは違う部分も多々ありますがそこをあえて楽しんでいただけると幸いです。 ☆現実世界にも同じような名前、地名、言葉などがありますが、関係ありません。

40歳のおじさん 旅行に行ったら異世界でした どうやら私はスキル習得が早いようです

カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
部長に傷つけられ続けた私 とうとうキレてしまいました なんで旅行ということで大型連休を取ったのですが 飛行機に乗って寝て起きたら異世界でした…… スキルが簡単に得られるようなので頑張っていきます

男子高校生だった俺は異世界で幼児になり 訳あり筋肉ムキムキ集団に保護されました。

カヨワイさつき
ファンタジー
高校3年生の神野千明(かみの ちあき)。 今年のメインイベントは受験、 あとはたのしみにしている北海道への修学旅行。 だがそんな彼は飛行機が苦手だった。 電車バスはもちろん、ひどい乗り物酔いをするのだった。今回も飛行機で乗り物酔いをおこしトイレにこもっていたら、いつのまにか気を失った?そして、ちがう場所にいた?! あれ?身の危険?!でも、夢の中だよな? 急死に一生?と思ったら、筋肉ムキムキのワイルドなイケメンに拾われたチアキ。 さらに、何かがおかしいと思ったら3歳児になっていた?! 変なレアスキルや神具、 八百万(やおよろず)の神の加護。 レアチート盛りだくさん?! 半ばあたりシリアス 後半ざまぁ。 訳あり幼児と訳あり集団たちとの物語。 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 北海道、アイヌ語、かっこ良さげな名前 お腹がすいた時に食べたい食べ物など 思いついた名前とかをもじり、 なんとか、名前決めてます。     *** お名前使用してもいいよ💕っていう 心優しい方、教えて下さい🥺 悪役には使わないようにします、たぶん。 ちょっとオネェだったり、 アレ…だったりする程度です😁 すでに、使用オッケーしてくださった心優しい 皆様ありがとうございます😘 読んでくださる方や応援してくださる全てに めっちゃ感謝を込めて💕 ありがとうございます💞

つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました

蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈ 絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。 絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!! 聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ! ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!! +++++ ・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)

処理中です...