ちびっ子ボディのチート令嬢は辺境で幸せを掴む

紫楼

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三章

129話 お義父さまの父の弟の息子、ファス子爵 ★

 ブランデーケーキを食べたあとはすぐ3人と3匹、楽しげに降りていって2人になった。
「・・・リーシャ、あと5キロ肉をつけよう!そうしたら飲んでも文句を言われないだろう」
 この身長であと5キロ増えたらぽっちゃりになりそう?
 ロジャー先生が最低3キロ増やせって言ってたから良いのかな?
「むー。何か美味しいものを作って私だけしか食べれないってしたい・・・」
 しょぼい復讐・・・
「リーシャはすぐ食べさせちゃうだろ?」
 そうかも?
 でも何か悔しがってもらいたいよ!

 ジュリアスさまに抱き込まれて寝に入った時に、椅子をリクライニングさせたらベッドになるって思い出した。
 ベットにもなるソファってやつね!
 帰ったら改造してもらおう。
 お義父さまはお直ししないで新たに作っちゃうかも?

 窓のカーテンの隙間からチラチラ光が入り込んで目が覚めた。
 すでにガヤガヤとしていてみんな起きてるようだ。
「おはよう」
 ジュリアスさまが起きて頬にチュウをくれたのでお返し。
 すぐにニーナを招き入れてお着替えを手伝ってもらう。

 馬車の外に出るとたけのことお肉さまが山積みになってたよ。
「「「おはようございます!」」」
 私が寝てる間にみんなは交代で馬車の護衛をして、自由時間には近くの森に狩りに行ってたらしい。
 海からずっと寝てなくない?ショートスリーパーの集まりなの?
「いやぁ、じっとしてると落ち着かなくて」
 なんかブラック社員みたいなこと言ってる。

 ルルゥがすでに朝ごはんを調理中でクラウスさまは横で「これは何してる?この葉っぱは何?」って聞きまくってる。
 料理が出来るまでをじっと見る機会なんてあまりな無かっただろうから面白いのかも?野営の料理当番とかないのかな。
「獲物の半分はハンオール男爵家に運んでます」
 これ半分なの⁉
 猪、鹿、牛?トカゲ?
 彼ら曰く魔の森じゃないから小振りらしい。
 普通に大きいんだけど、確かに痺れ牛とか貯蔵庫に入ってたお肉はもっとすごかったもんね。

 パンにお肉と野菜を挟んでパニーニみたいなのと雑穀スープが今日の朝ごはん。
 あとは丸焼きを好きなだけ自分で削ぎ切る!やりたい!!
 ワクワクして焼けるのを待っていたらルルゥが普通に私とジュリアスさまの分を切り分けて持ってきた。しょんぼり・・・
 お貴族さま、特に高位の奥様は料理は自分でやんないもんね!

「ジュリアスさま、アーン」
 悔しいから私が餌付けをしちゃう。
「あらあら、見せつけちゃってぇ☆」
「いつものことだよー」
 クラウスさまが削ぎ切るってよりもぎ取る勢いでお肉を切って食べてる。
 他の騎士さん達も似たような感じで牛魔獣一頭はすぐに消えちゃった。
「あ、骨取っといて」
「ん?スープに使うの?」
「うん、帰ったらいっぱい作れるね」
 落ち着いたらラーメンとかうどんも作りたいんだよ。
 鰹節はなかったけど魚の粉末で良いし。
 海苔も見つけられなかったけど、昆布はあるし。
 いろんなお出汁が取れるよ♪
 海で食べた魚も素材じゃないのはアラも骨も取っておいてもらってるし。
 大鍋で作らないと二週間もルルゥがいなかったお義父さまとお義母さまのお腹が満たされないよ☆
 食事を済ませて馬車に戻る。

 次に寄ったファス子爵家でも歓迎され、奥様にハグされ、食堂とカフェを領内あちこちで開いて欲しいと懇願された。
 奥様は娘さんとお式に来てくれてて、私のドレスが素敵だったからマダム・シフォンにお願いしたら一年待ちだった、でもグレーデン派閥が優先だから一年でもラッキーなのだと喜んでた。
 ちゃんとグレーデン領の経済のお役に立てているようで何より。
 女性の勢いにジュリアスさまもクラウスさまも少しビビってる。
 お義母さまに慣れてても他所の女性はまた違うのかしら?
 そんな感じであと三家寄った。
 さすがグレーデン家の親戚ってだけあってエネルギッシュだったけど、嫌な感じは一切なく、ジュリアスさまとクラウスさまに会えたことを喜んでくれて、私のことも歓迎してもらえた。

 最後に立ち寄ったのがお義父さまの父の弟の息子って間柄のダレート伯爵家。
 お式にはご夫婦で来てくれててご挨拶にしてたお方だった。
「ジュリアス、久しぶりの休暇は楽しめたのか?」
「新婚旅行というのはなかなか面白いですわね~、私達は2人で旅行なんて思いつきもしなかったですわ」
 多分40代なご夫婦。旦那さまのリドカインさまはお義父さまより細身だけど強面。
 奥様のオリエさまは人の良さそうなぽっちゃりした可愛らしさのある方。

 見た目的には合わなそうだけどリドカインさまの奥様を見る目は優しい。
「結婚10周年20周年とか、旦那様の昇格のお祝いなどでの旅行も楽しいと思うんです」
 この世界のお貴族さまは基本的に王宮の行事に参加するか、お仕事以外で遠出をすることがないみたいで。

 ただ馬車で長距離とかしんどいもんね。
 でもそこで私の作った重力調整と浮遊の魔法陣プレート!一家に一台!
 確か派閥の人になら融通が利くはずなんだ~。
 販売のお話は私の管轄じゃないというかトラブル防止のためお義父さまやハロルドに丸投げなので口に出せない。
「うふふ、そうね。息子も育ったことだし、2人で美味しいもの食べに行くのも良いわね」
 オリエさまがそう言うとリドカインさまがお口をヘニョっと下げて横を向く。
 耳が赤いので照れてるみたい。
「行けることになったらリーシャさまに楽しみ方を教えていただきたいわ」
 え⁉この世界の楽しみ方わかんない!
 今回の旅行の話をしたらきっとオリエさまが倒れちゃうよね!
 海獣大戦争!!!
 あ、滝とかなら良いかも⁉
「リドカインさまとオリエさまのお好みとかお教えくださいね」

 なんとか!なんとか乗り切った!!たぶん。

 お暇を告げて馬車に戻ると、一仕事終えたらしい騎士さん達も揃っていたので出発。
 ここから山一つ越えて帰るらしい。
 山の中で野営だー。

 うん。また寝ずに狩りまくるんだね。
 中腹あたりの開けた場所で簡易テントを組んで調理場をセット。
 新婚旅行っていうよりサーキスさま達のウキウキサバイバルキャンプだよ。
 私はニーナたちと夕刻まで山菜と木の実を採った。
 アズライト達が美味しいものを嗅ぎ分けて教えてくれるから大漁だよ。
 魔の森じゃないから護衛はアランとジェイクだけ。ジュリアスさまは運動不足だと狩に参加した。

 テントまで戻るとルルゥが下拵え、クラウスさまがお手伝い。
「野営でさ~美味しいもの食べたいじゃん~」
 なるほど。自分で覚えたほうがいいって思ったんだね。騎士さん達はわりと大雑把だから任せると大味なんだろうな。
 私は採ってきた山菜とキノコをフリュアで炒めてもらった。
 天ぷらもいいな~。でもお外なので我慢。
 この人数分を外で、中鍋で揚げるのは大変すぎる。

 ルルゥがマジックバッグとマジックボックスで持ってきた食材でよく在庫が持ったな~って思うけど、途中途中で麦とかは仕入れたし、お肉は狩ってたからだろうな。
 炊き込みご飯にもしたかったけど全員分、おかわりを炊くお釜は流石に用意してないからね。
 もうじきお家に着くから、お義父さまとお義母さま、セリウスさまとみんなで美味しい食事をするのを楽しみにする。

 みんなが戻ってきてまたも獲物が山盛り。
 なんだろう。どんだけ食べたいの!
 これだけ食べても獲物が絶滅しないのもすごいよ。グレーデン領の生き物!
 魔の森産じゃなくても遠慮なく狩るのね。
 ルルゥがすぐに解体して丸焼きと串焼きにと焼き担当?のクラウスさまとチェイスさんに渡して、アモンさん達も一緒に火の周りで串を炙りだす。

 ワイワイワイ盛り上がって、なぜかチェイスさん達が上着を脱いで、ポムたちと妙なダンスを踊り始めた。
 流石にジュリアスさまもクラウスさまも、サーキスさまとルルゥも脱ぎはしなかったけど体を揺らしてる。
 ニーナはスルーしてお肉を食べてるけど、サラとメルは真っ赤。

 騎士さん達だけあって引き締まったいい腹筋が目に前で乱舞してるのはとっても良き。
 アモンさんはモリモリっと弾力感があって良いし、チェイスさんはボクサーみたいな硬そうな感じで余分な脂がないタイプでかっこいいボディだし。

 マッスルマッスルマッスル!
 クミちゃんならこの光景で白米五合はイケるね!
 ポムとティムお尻をぷりぷりさせなからマッスルポーズみたいなのをしてるのも可愛い。
 アズライトは楽しそうだけど見てるだけ。 
 お肉にラー油山盛りでご満悦だよ。

 そんなこんなで今夜も彼らはほぼ寝ないんだろうね。
 私とジュリアスさま、ニーナ達は食後のお茶を飲んでから馬車に戻った。

 
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