ちびっ子ボディのチート令嬢は辺境で幸せを掴む

紫楼

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三章

215話 アンゼリカさま ★

 ポムとティムはニーナに抱っこされててね。ポムのやつ、胸にしがみついてるんだよ。ティムはプラーンってなってるから確信犯だ。背中にぽよんを堪能している。
 ニーナはモフに騙されて嬉しそうだけど。

 私はジュリアスさまに抱っこされて、なぜかアランはディディエに頭に乗られて髪をグシャってされてる。
 頭上からどかそうと引っ張ると脚で爪を立てて髪を噛んで拒否するから諦めてた。痛そう。ルルゥには悪さしないっぽいのにねぇ?

 アズライトはトカゲサイズになって私のスカートにくっついてる。

 食堂に入るとアンゼリカさまがいた。警報なったかな?

「おう!久しぶりだな」
 わざわざ私の方に出て来てくれて挨拶してくれるので私もジュリアスさまに降ろしてもらって礼を取る。

「相変わらず小さいな!剣より軽いんじゃないか!」
 ええ?さすがにそれはないよね!鉄板のギャグかな⁉
「ははは!リーシャちゃんは羽より軽いぞ」
 お義父さま!やっぱギャグなんだ。

「リーシャちゃん、ご飯普通がいい?」
「パン食べたい」
 ルルゥがまたお粥にするか聞いてきた。
 お粥も美味しいけど毎日はちょっとね。

 みんな揃ったのでいただきます。

「リーシャちゃん聞いてよー、アンゼリカ、ダンジョンに行くんだよー」
 おや?
「セリウスと交代で行くんだ」
 おお?
「あれ?マデリーさまの婚姻式に間に合いますか?」
「ん?ワイバーンで行くから問題がなければ間に合うだろう」
 刹那的ー⁉
 アンゼリカさまはなんでもない感じで漫画肉を食べてる!豪快だな。
「マデリーも行きたがってたがさすがにレオルカが止めたぞ」
 そりゃ、レオルカさま泣いちゃうでしょー?
「もう!僕が行った方が良いって言ってんのにー」

 ダンジョンってそんな魅力的なのかな?

「ま、大したダンジョンじゃないから3回くらい調査に入れば問題ないじゃろう」

 お義父さまの前にもデカい骨が積み上がっていく。アンゼリカさまと大食い競走を始めちゃったのかな?

「アンゼリカ、勢いでコアを壊すなよ」

 コアってなんだろう?

「そこまで間抜けじゃない」
「えー、ガダールの中級ダンジョン潰したじゃーん」
 ダンジョンを潰す⁉

「コアを壊すとダンジョンが消滅するんだ。ダンジョンは領地の収入源になるから残したいが程よく魔獣を退治しないとスタンピードを起こす。戦力のない領地に出来た場合は潰すべきか温存すべきかを調査するんだ」

 ほえ~。それって普通の戦力で維持できるか調べるってことなら、グレーデンの騎士さんだと普通レベルが最狂で最強だったりしないかな?

「基本は最終チェックに新人を入れるから戦力差は考えてるぞ」

 また顔に出てたかな。

「何階層かダミー通路や罠がないか色々調べるから時間はかかるけどねー、出来たばかりのダンジョンは何が出てくるかわからないから楽しいんだよー」

 お化け屋敷のスリル!命懸けバージョン!!

 いつか行って……みなくても良いかな。

「調べ終わってから行っても楽しくないよー」

 クラウスさま、めっちゃごねるじゃん。

「しつこい。お前はアッガスの海域調査で海の藻屑になれ」

 アンゼリカさまがうんざりしちゃった。

「そっちも楽しそうだけど~、それはレオルカの部隊がやるんだろー」

 ……アッガス領のお仕事だね。グレーデンからも出るだろうけど。

「アンゼリカさま、女性騎士だけでダンジョンに?」
「ああ、基本は自分の隊を連れて行く。今回は他に3部隊入るから、結果的な混成チームだ」

「マデリーが抜けてるんだ。無茶はするなよ」
「はん!お前がルーク抜きで行ったら無茶すんのかよ」
 ジュリアスさまが無茶をする姿は思い浮かばないけど、アンゼリカさまだと普通に思い浮かんじゃう。

「アンゼリカちゃん、いくらなんでも口が悪いわよ。いつでも淑女らしく取り繕えるように気を配りなさいな」
「……はい」
 完全に直せとは言わず、適度に猫かぶれって言う諌め方、お義母さまはやっぱりかっこいい。

「母上のこともアンゼリカのことも見習わなくて良いからな」
 ジュリアスさまが耳元で小声で呟いた。表情を見たらめちゃくちゃげんなりだ。強い女性はお嫌いなのか?

 食後のデザートはモンブランタルトとアップルパイとプリンタルトだ。おお~!
 
 お義母さまとアンゼリカさまの前にホールで五台ずつ並んだ。
 アンゼリカさまもデザート鬼喰いなの⁉

「リーシャちゃん、薄めだけどブランデーケーキよ」
 ルルゥがコソッと私の前にだけ持ってきてくれた。ジュリアスさまが3/4で私が1/4だけど食べる量的には正解なので嬉しい~。

「ルルゥ、ありがとう」
「ええ」

 お皿に生クリームとマカロンまで添えてある。

「良かったな」
「はい」

 早速ジュリアスさまが切り分けて口元に持ってきてくれる。うま~。ほわっと香るブランデーの香り。
「ん、うまいな」
 ジュリアスさまも甘過ぎないお酒風味のケーキは好きみたい。

「あー、兄さん何食べてるの~」
「リーシャの回復祝いだ」
「あー、お酒か~なら仕方ない」
 以前ブランデーケーキをセリウスさまに食べられて癇癪起こしたの覚えてるからかすぐ引いてくれた。

「もうー、クラウスさま、こっちのドライフルーツの方のケーキもあるからぁ」

 ルルゥがすかさず他のパウンドケーキを持ってきた。さすがだ。

「おかわり!」
「私もモンブランの方を」

 ええ、この合間にお義母さまたち五台食べちゃったの⁉
 かなり甘いのにねぇ。

「プキュー」
「モキュー」
「ピギャー」

 ポムたちが自分たちの食事を終えてぱんぱんのほっぺでお義母さまとアンゼリカさまのケーキ早食いを応援している。あ、早食いじゃなかった。食べ放題か。

「やはり騎士棟より本邸の方がレベルが高いな」
 騎士団棟もルルゥにニックスにベンっていう凄腕の側で学べるコックさんたちが作ってるんだからね。当然美味しいに決まってるの。
 騎士棟も従者棟もコックさんたちよくこっちに勉強に来てるみたいだし。

「ダンジョン行ったらうまいどうこうの前に全部兵糧になるよー」

 クラウスさまってばまだ根に持ってる。

「マジックバッグにたくさん食べ物を持って行くから良い」

 アンゼリカさまはそう言いつつまだまだ食べてる。さっきの漫画肉の骨が十本はお皿にあったと思うんだけど。胃袋はブラックホールなんだろうか?

「あ、リーシャちゃん、デイジー・スコット嬢がディゴーに戻ってきたから研修にバーベラのところに行かせるねー」

 外部からの就職してくれる人は初だ。丁重に……

「あ、子供達に絶対カマ投げないように徹底してくださいね」
「えー、前回平気だったそうだから大丈夫だよー」

 OHー。すでに……クラウスさまの女性の扱いよ……

「クラウス、せっかく遥々来てくださる女性なのだから居心地の良い環境になるように気を配りなさいなぁ」
 お義母さまもちょっと呆れ気味。私には気を遣ってくれたのにねぇ?子供っぽ過ぎて女性枠じゃないからかな。

「クラウス、お前流石にないわ」

 アンゼリカさまにも呆れられたよ。

「ええ~そんなにー?」

「……」
 ジュリアスさまとお義父さまが居心地悪そうに目をウロウロさせてた。
 さすが、血筋なのね……





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