ちびっ子ボディのチート令嬢は辺境で幸せを掴む

紫楼

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三章

303話

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 食堂に入るとルルゥが王様に絡まれていた。

「やはり王宮に来ないか~?」
「グレーデンばかりずるいですね」

 すでにお酒がかなり進んでたらしく漂う美味しい香りでルルゥを引き抜きたい熱が再燃したらしい。

 はいはい、ダメですよ~!

「陛下、ルルゥを持っていっちゃったら新しいレシピ流さないですし、お酒も贈らないですから~」

 さすがにグレーデンの名産品は私の一存で停止できないので私の権利のある物で脅すよ。

「それも困るなぁ」

 あっさり諦める。王宮のコックさんたちもグレーデンに勉強に来たりして頑張ってるからちゃんと美味しい料理が出るわけだし、ルルゥを得たとして失う物が出るなら諦めるしかないよね?

「陛下、私だけ引き抜いても新レシピを入手出来なければずっとグレーデンの料理の方が美味しいのは変わらないですよぉ☆」
 
 ルルゥのアレンジ力が一番だけど、ニックスたちもかなりルルゥに扱かれてるから敏腕コックさんたちだもの。

 スープやサラダが運ばれて来てみんなでいただきますをして。

「やはりうまい」
「スープのお味が前回来た時より奥深くなっていますね」

 王様とリックさまがエレガントなのに結構なペースでお腹におさめていく。

「ここでの食事が一番幸せだ。王宮では温かいものを食べられぬしなぁ」

 ん?

「お毒見がいるのですよー」

 ああ、運ばれる前に冷めちゃうんだ。
 しかも人に一口食べられたあとって言うのは嫌だな。

「グレーデンではお毒見しないですよね?」
「ここで私の命を狙う者はおらんからな」

 まぁ知らない人が出入り出来ないもんねぇ。買収されるような人は雇ってないだろうし、料理に妙なことしたらコックさんたちに袋叩きにされそう。

「だから脱走して来てるんですよねー」

 セリウスさまが呆れたように言う。昔から王様がひょっこりしてたみたい。

「温かいものが出るし素材も新鮮だからな」

 昔は塩味中心だったけどやっぱりグレーデンの魔素たっぷりの魔獣を食べられるし、人のおおらかさが癒しだったそう。

 この国で一番偉い人なのになんか切ないね。

「ホーンも良いが何せ寒くてな」

 どんなレベルの寒さなんだろう!

「早く譲位してグレーデンに篭りたい」

 王太子殿下はまだ成人にもなってないからずいぶん先だよ。

「なぜグレーデンに・・・」
「常春で食事がうまくてギスギスしていなくてうるさいのが追いかけて来ない」
「そうそう、転移陣は魔力を食うから高魔力持ちしか使えないからねぇ」
 
 うるさいのって。うちで言うサーキスさまやセバスチャンみたいな?
 緊急時用のはずの転移陣をお忍びで使ってるのダメじゃん。

「侍従長と護衛の胃に穴が開きそうなので優しくしてあげてください」
「そなただって副魔導師長の頭皮を労わってやれ」

 おお~、リックさまと王様の周りの人たちがお気の毒だったよ。罰用のポーションを改良したら頭皮は守られるかしら?

「そのうち拘束具でも使われてしまうんじゃないかしらぁ?」

 王様はともかく魔導師長のリックさまを拘束するのは無理じゃないかしら?
 
「ふふふ、そんなもの出してたら返り討ちにしますよ」
「さすがに私にそれは出来ぬだろう」

 こう頻繁に脱走されてたらぶち切れることもあるんじゃないかな?

「俺が侍従長なら両手両足に錘付きで執務椅子に縛りつけますよー」

 セリウスさまがお肉に齧り付きながら言う。

「そなたとて私の立場になればわかるだろう」
 
 気持ちはわかるけど実行するかは個人の資質?
 ん~、セリウスさまなら適度に手を抜いて息抜きしてそうかも。
 
「ルドガーさまも書類仕事からはよく逃げてましたけどね~」
「そこはドリアスによく似ている」

 お義父さま・・・。まぁハロルドがいるからどうにかなったんだろうな。
 お義祖父さまはお義父さまの上・・・だいぶ破天荒な予感。

「陛下、うちに来られるのは構いませんが侍従長に泣かれない程度にしてください」

 ジュリアスさまは逃亡しないけど、よくサーキスさまに詰められてるので王様の気持ちがわかるんだろうなぁ。でも優しいから侍従長さんの方も心配しちゃう。

「はぁ、ルーデウス、侍従長たちにお弁当を作ってもらえるか?」
「あ、うちも」

 戻って怒られないためにご機嫌を取る方向にしたらしい。

「その名前で呼ばないでくださいってばぁ」

 ルルゥがぷりぷりしながらも厨房に戻っていった。

 お酒やおやつを食べながらお義母さまと王様は先先代のお話で盛り上がってて。

 ポムたちは食事が済んだあと王様からお土産というかご褒美?で貰った砂糖菓子を大喜びで食べてた。
 ほぼ砂糖なお菓子はかなり高級品。
 じょりじょりパリパリやってる。

 ちなみに箱を開けて歓喜の舞をしたあと小さな手で一つずつお裾分けしてくれたよ。可愛い過ぎだったよ。

 今日瓶詰めしたお酒は加護舞付きだったので王様たちには出せなかったので飲むのはまたの日に。

 日本酒チックな甘いお酒を出したらリックさまが自分の家でも作りたいって言ってタンクの設計図を複写して権利のことはお義父さまが戻ってから改めてってなった。
 王様もってなったけど予算や管理のことで後日担当者が契約に来るそう。作るのは多分リックさま。

 プルルンのタルトを王妃さまと王子たちにってなって新作のコーナ料理も含めてかなりルルゥにおねだりして帰っていかれた。

「リーシャちゃん、お酒って美味しいねぇ~」
「ジュースみたいだなー」
 
 セリウスさまもクラウスさまも今まであまり飲んでなかったのに何かの扉が開いちゃったみたいで、その後新しい果物を見つけたら酒蔵に持って来てくれるようになった。





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