ちびっ子ボディのチート令嬢は辺境で幸せを掴む

紫楼

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三章

433話

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 目が覚めたら私とジャスパーは同じポーズだった。
 腹テンの大の字。

 乙女としてあかんやつなので慌てて起きたら、私の手がジュリアスさまの鳩尾を押してた。

「ふぐっ」

 硬いけど無防備だとダメだよね。

「ご、ごめんなさい」
「いや、リーシャの体重からの負荷なら大した問題はない」

 ふーって息を吐いて起きると私を膝に乗せてハグとキスしてくれた。
 ジャスパーはまだ腹テンで寝てますよ。

「おはよう」
「おはようございます」
 なんとなくジュリアスさまの胸に抱きつく。
 
 全然怖い状態じゃないとか言われても魔獣いっぱい討伐中、ジュリアスさまが無事なのは当たり前じゃないんだ。
 何かあれば大怪我するし、万が一だってある。

 心臓の音と温もりをしっかり感じたい。

「なんだ?甘えん坊の気分か?」
 クスクスと笑うジュリアスさまのお胸が揺れて・・・、んんん?よく考えたら私よりお胸があるね?

 衝撃の事実だよ。

 そっと自分の胸元を確認しちゃった。
 脂肪と筋肉は違うからセーーーーフ!!!

 ん、虚しくなんかないんだからね。

「さぁ、今日から数日はアンゼリカがうるさいぞ」

 着替えのためにニーナを呼び入れて、簡易ワンピースを着せてもらう。
 今日もなんだかんだ動くだろうって思って。

 食堂ではすでにみんな揃っていた。
 ここの人たちはどんだけ深酒しても寝坊しないんだなぁ。
 私(メグミ)がダメ人間だっただけ?

「いやー、昨日は楽しかったなぁ」
「探さずとも自ら出てきて討ち放題は最高に気持ちがいい」
「肉が自ら飛んでくる。良い日だった」
 お祖父様たちが物騒。
 ゴルフや野球の打ちっぱなしみたいな扱い。
 あ、回収はしてるからちょっと違う?

「素晴らしい出迎えだったよ」
「出迎えたわけじゃないよー」
「そうそうー、出迎えてはいないー」
 アンゼリカさまも意味がわからない。
 セリウスさまとクラウスさまは辛辣。

「昨日の酒も美味かったなリーシャちゃんの酒は別格だからな」
「ワイバーンに飲ませていた酒が飲めずに残念だったが、それでも全部美味しかった」

 ポムとティムが何故か胸を張ってる。君たちが育ててくれてる作物のおかげなのは確かなので文句は言わないよ。
 
 朝食にも梅干しが出てた。お祖母様、パンに挟むのは斬新だなって思います。
 ありかな?せめて蜂蜜梅がいいな。

「アンゼリカ、荷物の運搬は大丈夫だったのかい?」
「当然です。ほとんどはマジックバッグだし、こちらに接触する前に吹っ飛ばしたよ」
 お祖母様、まず孫娘の心配が先ではー。
 って心配がないからの言葉か。

「リーシャ、食後に荷物を渡すからな。私は王都にも荷物を届けなければいけないからすぐ出ていくが戻ったら遊ぼうな」
「はい、お気をつけて」
 出て行くに一瞬喜んだセリウスさまとクラウスさまが一瞬でシュンとなった。
 アンゼリカさまにシゴかれるのどんだけ嫌なんだろ。
 そもそもお祖父様とお祖母様がいるから多分以前よりシゴかれてるよね。

 今回は転移陣じゃないそうだ。デレードからの荷物のために、途中途中に寄り道があるらしい。

「そういえば、コーナもたくさん届いているぞ」
 チョコーー!!
「あとは薬草や香辛料も多いらしい」
 それは楽しみだな。

 ジュリアスさまたちの出勤を見送って、アンゼリカさまは食後の一服のあと、荷物を広間にドーンと出して、私の分だけ直接私に渡してくれて「行ってくる」ってハグして出て行った。
「あらぁ、私にもしてほしいわねぇ」
 お義母さまが残念そうにお見送り。

 木箱と樽と麻袋がいっぱい積まれて、東洋ちっくな家具も置いてある。
「あら?変わったデザインねぇ」
 籐の椅子とかなんか懐かしい。ノスタルジーだっけ。
 暑い地域だから良さげだ。

 デレードからの荷物に漢方系の根っこや乾燥した種が色々入っていた。
 それぞれ効能や使い方が書いてあるけど、お母さまの残したレシピとは違う使い方が多いな。勉強やり直し!!!

 香辛料は見たことないのがあるからあとでじっくり確認しないと。

 あとデレードの王太子夫妻からそれぞれお手紙がたった。
 王太子殿下からは、赤斑病の薬がデレードの民にも問題なく効いたことのお礼が綴られていた。私の手柄じゃないのでお父さまやったねと心で伝えておこう。
 家具類は殿下からのお礼だったらしい。
 ありがたいので多国籍になった私の和風宿に使おう。タイミング良い♡

 王女殿下、ファティマ王太子妃さまからは、つつがなく過ごしていることと、私が作った魔道具のおかげで毒茶を回避したと書いてあった。
 つつがなくなくなーーーい?!

 どうやら殿下との婚姻を望んでいた勢がザワザワしてるんだって。
 殿下ががっちり影を付けて守ってくれてるらしいけど、そもそも毒茶が目の前に出てきてる時点でダメじゃん。

 ファティマさまって、随分と天然さんだったのかな。

「リーシャちゃん?何か難しい内容?」
「いいえ、わかりやすく権力闘争のお話です」
「あらあらぁ、王家に嫁ぎたいなんて物好きねぇ?教育もあるし、暗殺の心配もある国なら恐ろしくて眠れないわよねぇ」
 お義母さまはきっと寝れる気がします。

 んー、手紙からは悲壮感はないし、むしろ楽しそうですらあるんだけど、毒茶かー。
 反撃する魔道具でも作れば良かった。
 毒茶ならそれを相手に入れ替える的な。
 そこまで細かい指定はさすがに出来ないか。残念。

 ルルゥたちがコーナや香辛料を嬉しそうに貯蔵庫に運ぶ姿をポムとティムディディエが応援してるのを見て、殺伐としたデレードのファティマさまを思うと切なくなった。




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