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三章
490話
しおりを挟む夕食後の公用語講座には、かなりの人数が来てくれた。
平民出のメイドさんや騎士さんたちも学びたいとのことだったので、急遽レベルわけで、講師役を家令さんや得意だと言う侍従さんにお願いした。
今後も希望者には時間を作ってもらうことになるよ。やったね。
いわゆる貴族出の侍従さん、騎士さんがそれなりに使える人向けの講座を受ける。
今は急遽なので三クラスで、お義母さまが一番話せるクラス、シャロンさまが二番目、私が三番目を受け持つ。
マデリーさまは、シャロンさまの授業をレオルカさまと受けるそうだ。
お義母さまたち、かなり流暢だった。
私はほぼ初心者の人たちと齧った程度の人たちだったのでまずはアルファベッドみたいに文字と発音を大きめな板に書きながら説明。
差し迫って必要なのは接客用語なので、
ご挨拶と、『私では出来かねますのでご要望は侍従にお願いします』ってご案内する言葉を並べた。
後から必要な事は徐々にね。
ナギ国以外でも基本的に外国のお客様には、屋敷内は侍従侍女が応対するから、失礼のない程度の挨拶ができれば良いかな。
学習意欲がある人だけ、この先も続いていって昇給や昇進を目指してくれれば良い。
アッガスのシード家は出来たばかりのお家だからやりがいを感じて集まってくれてる子も多いんだろうな。楽しそうに質問してくれたり、真剣に聞き入ってくれたり。
マーベルハントのお祖父様に協力してもらって、公用語のわかりやすい教科書を作りたいな。
その前に海洋王国圏の公用語を勉強しなくちゃ。
デレード国から譲ってもらった訳本は、デレード後↔︎あちらの公用語だった。
あちらの公用語↔︎こちらの公用語ってのをまず作るべきなんだよー。
よく考えなくても勉強するべきだった。
ネイマーシェや他の国はあちらとのお付き合いがあるから多分学んでるだろうなぁ。
リックさまは学んだかなー!?
カマランのアルジェさまとかも話せそうだな。機会があったら聞いてみなくては。
授業は、一日一時間、足りないだろうけど、個人学習もしてほしい。
授業の後は、少し質問を受けてからお部屋に戻った。
お風呂は備え付きので済ませた。
ニーナが付いててくれるものの、いつもの賑やかさがないのでちょっと寂し。
ところでニーナさん。私のベッド周りにクッションとフットレストとかいっぱい置かれてるのはなぁぜ?
じっと見てたら、ニーナがニコリと私をベッドに乗せた。
まぁ、力持ち!!
「頭を落とされると危ないですから」
あー、んー、そうね。寝相が悪いらしいのは良い加減気付いてますけどね。
フットレストがこんなにあるのに驚くなぁ。他のお部屋の分だったりしないかな。
「今夜はジュリアスさまもアズライトもジャスパーもおりませんので大事を取りました」
もう重ねて説明はいらないから。
おやすみを伝えて、一人寂しくお布団に入りましたとさ。
ゴズン!!
「ふぁぁ??」
朝の光が窓から入ってるなか、私はニーナが用意してくれたフットレストの上に体半分置いてた。
なぜ枕の位置から逆になって落ちてるんざましょ??
掛け布団が左に落ちてるのでかなり暴れたのかな。
ニーナが入ってくる前に証拠隠滅しよう。
ベッドカバーを整えて、崩れたフットレストの並びを直してクッションも整えて。
ふぃー!
普段、ジュリアスさまがぎっちり抱きしめてくれてなかったら顎とか蹴っ飛ばしてそうだなぁ。
ニーナを呼び入れても問題なさげかしっかり確認してからニーナを呼んだ。
すぐバレたよね!
「無駄に体力をお使いにならずに。全部洗いに出しますし」
ぐふぅ。
顔を洗って、お着替えとお化粧と髪の毛をやって貰い、食堂に向かう。
王都からの客人たちは自室でとるそうなので気楽だ。
すでにレオルカさまとお義母さまとシャロンさま、アンゼリカさまとセリウスさまが席に着いてた。
マデリーさまは今朝は食欲がないそうだ。
悪阻とかだと大変だなぁ。あとで果物とあっさりした物を届けよう。
「ルルゥ、朝も厨房に入ってるの?」
「ええ、こちらのコックたちはグレーデンから移った者たちですから新しい料理も教えがてらねぇ~」
ほほう。コックさんたちが嬉しそうだから良い上司だね。
「昨日仕入れたお魚もたくさんあるから朝からお魚いっぱい出すわよぉ~」
わーい。
出されたのはパンに揚げた魚フライと魚の叩きサラダだった。
私以外にはお肉数種類付き。量がいるからね。
「これが最近よく浜に飛んでくるんで迷惑なんだ」
レオルカさまが言うのは刺身になったヤガラみたいな魚。ただし巨大。
ダツみたいな感じで飛んでくるのかな?危ないな。
んで、口が尖った魚ってこれ!?
ノコギリザメとかマグロっぽいのとかじゃなかったかー。
「セリウスさまが言ってた魚?」
「違うよー、もっと大きいのー」
あ、まだサメかマグロの線残ってた。
「でもレオルカさま、この迷惑なのも美味しいので、スープや煮物にしても高級なお味ですよ」
「・・・綺麗なまま捕獲させよう」
上品なお吸い物で飲みたいなぁ。
「サシミでも美味しいから楽しみねぇ」
「リーシャちゃん、後で教えてちょうだいねぇ」
お義母さまとルルゥが目を輝かせてる。
「飛んでこないなら歓迎なんだけどなぁ」
「飛んできたら剣で叩き落とせば良いだろー」
セリウスさまなら嬉々として叩き落としてそう。
「後でお魚の貯蔵庫見せてね」
「「「はい!!」」」
厨房のコックさんたちが大変元気だった。
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