ちびっ子ボディのチート令嬢は辺境で幸せを掴む

紫楼

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三章

491話

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 食後にはルルゥのところに行って、爽やかな食べ物をこっそり依頼。
 なんとなく察してくれたのか、周りのコックさんには、熱い国からのお客様ならさっぱり系も良いかしらねぇって、食材を選んでくれた。
 ついでに魚の貯蔵庫も覗いた。

 おさかな天国だ~。

 まず巨大なイカみたいなの。これはクラーケンに似た尖った軟体でも緑色っていう海の中だと目立ちにくいのだそう。
 吸盤硬そうだ。
 大きなハコフグみたいな形で集団で移動する魚も焼いたら美味しかったから運んできたって。
 この辺りでは、基本的に海の生き物を獲って無かったからか名前がない。
 他の国では付いてるかも。鑑定さんは公用語での名前を教えてくれるけど、覚える気がないのでスルー。

 そのうち漁師さんか騎士さんたちが言いやすい名前考えてくれるでしょ。

 ホタテやアワビっぽい貝はカマランのとちょっと形が違う。
 イェンゲはあんまり出てないらしい。カマランの海から移動してこないかなぁ。

 とりあえず今夜食べたい料理のレシピを伝えて、マデリーさま用の食べやすい物を作ってもらおう。

 手を加えなくても果物そのままと酸味のあるドレッシングでトマトみたいなのと鳥ささみっぽいのとか、豆腐料理、お魚のお茶漬けを提案して。
 いつでも用意できるように料理の他、スムージーとスープ、シャーベットなど作り置いてもらうことに。マジックバッグに入れておいて貰えばマデリーさまが食べられる時に出せる。

 お昼過ぎに大臣たちと会議があるので、その時に出す茶請けのお菓子をルルゥと決めてからマデリーさまのお部屋に向かった。
 遅くなってしまったので、仕事しちゃってたりするかなと思ったけど、まだお部屋にいてくれた。

 シャロンさまにお部屋にいるように言われて侍女さんたちに見張られてるそうだ。

「お食事出来そうにないですか?」
「今朝は少し気持ちが悪くて」

 悪阻はいつからとか詳しくは知らないけど、ご飯が食べられないのは一大事なのだ。

 一応離れた場所のテーブルには果物とスープが置かれてる。

「今なんとなく食べたいとか思い浮かぶのありますか?」
 定番のグレープフルーツやレモンみたいな。

「いいえ・・・」
 食い意地が張ってない人はお腹が空いても食べたいものが頭の中、湧いて出てこないのかな。

 ナマモノはダメだったはずなので、お魚の刺身とかはさっぱりしててもダメだよね。

「とりあえず、グレーデンの離れで育てている果物を置いておくので良かったらどうぞ」

 プルルンやピンクのバナナやベリー、リンゴもどきとか、出してみると結構あったねー。
 ポムたちと庭に出るとつい収穫してたみたい。アイテムボックスに無自覚に入れてる自分が怖い。

「まぁ、テーブルの上が華やかですね」
 この世界に食べ物カラフルすぎるんだよ。

「あ!ホーンからいただいた蜜もきっとサラサラしてるので食べられそうです」
 未開封で置いてたのを差し上げよう。
 
「身近で赤ちゃんが産まれるのは初めてなのでついいろいろしたくなっちゃってごめんなさいね」
 誰よりも楽しみにしてしまってるかも。

「いいえ、待ち望んで頂けてこの子も幸せです」

 まだまだ先と思いつつ、きっとあっという間に会えるはず。

「お仕事はもうほとんど決まってるのですから、ナギ国のお方達が入られた時の挨拶とか必要な時だけで大丈夫ですよ。ゴタゴタ言ってる人たちはお義母さまたちが躾けてくださいますからね」
 えへ。他力本願。

「あとこちらのお食事はさっぱりしたものなので食べられそうなものがあれば食べてください。デザートも後からさっぱりした物を運んでもらいますから、マジックバッグに入れて好きな時に小分けで。基本的に太るような物では無いので食べ過ぎの心配もないですよ」

 匂いが嫌だとまずいのでスープが置いてあるテーブルで少し遠くからプレゼン。

「ふふ、リーシャさまはグレーデンの方達の中では大人しくおっとりしてると思ってましたがハキハキとされてるのですね」

 そうかな?でもグレーデンの人たちはいろいろ強め過ぎるだけで、私なんて霞んじゃうのも仕方ないね。
 マデリーさまもアンゼリカさまといると控えめに見えるよ。レオルカさまにビビられる感じがなぜかわからないくらい!

「私はあまり自己主張する場面がなかっただけで今は自由にやらせてもらってますから」

 私がちょっと妙なことをしても、好き勝手魔道具作ったり、見たことないだろう食べ物を欲しても、笑って受け入れて貰えるなんて奇跡だものね!

「そうですね。グレーデンの方たちは大らかですから、もしリーシャさまが王都の暮らしに馴染む立場だったならグレーデンは合わなくて困ったかも知れないですね」
 大らかのレベルが上過ぎるからー!

 んー、私はって言うかリーシャは田舎の元オレイユ領で育って、学園ではあまり人と関わってなかったからどうかな。リーシャは気が弱い感じもするから、リーシャのままだったら少し困ってたかも。
 でも私はねぇ。

「私はジュリアスさまのような筋肉いっぱいな大きな人が好きなんで、グレーデンに来れて良かったです。お義母さまもお義父さまも楽しい方達ですから、私は大人しいふりしなくても良いってなれたんだと思いますよ」
 優しい顔で聞いてくれてたマデリーさまはちょっと苦笑してる。

「そうですか。私は少し大人しく振る舞っていますよ。今の立場が嫌とかではないですが自由に振る舞うのは少し怖いですから」
「レオルカさまとの暮らしが幸せですか?」

 一瞬きょとんとして。
「ええ」
 って答えてくれた。

「幸せだと幸せが崩れたらって思っちゃうんです。多分。レオルカさまはマデリーさまがアンゼリカさまと一緒に行動してきたのも知ってるし、マデリーさまを怒らせたら怖いってやってたんですから、マデリーさまがアンゼリカさまやお義母さまくらい破天荒でも嫌いになったり態度を変えたりしないと思いますよ!」

 きっと妊娠中で気分のムラが起きて不安になっちゃってるんだろうな。
 あんなにマデリーさま大好きなレオルカさまなのに。

 私を見本とか、比べたりしなくて良いと思う。マデリーさまの方がよっぽど良い女の子ってやつだし!

「不安とか心配があれば、レオルカさまにもアンゼリカさまにもぶつけちゃえば良いですよ。今なら私もシャロンさまもお義母さまもいるんですし!」

 お仕事なんてやれる人に任せてゆっくりしてね。役人たちは鼻をベッキベキに折って、次回からの海外の賓客の時は何も言えなくいちゃえば良いんだ。

 午後の会議はストレスになるだろうから、マデリーさまは不参加でって言ったら、困った顔されたけど納得してくれた。



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