ちびっ子ボディのチート令嬢は辺境で幸せを掴む

紫楼

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三章

492話

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 結局マデリーさまはお手紙の処理や公用語の復習を手隙な侍女さんたちとするって言うので、無理だけはしないようにとお願いして、厨房に戻った。

「ルルゥ、客人のお昼の食事はどうなってるの?」
「うるさいからお弁当にして足りなきゃ港で買い食いするようにってセリウスさまと大奥様が言ってくれたわぁ」
 ナギ国からの船員さんたちやアッガスに残る騎士さんや兵士さんは放置すれば良いとか言ってたんだから、役人たちも自腹で良いくらいよねぇ。

「夕食の時もうるさいの?」
「魚より肉だとか、野蛮な辺境のわりにはとか言いながら全部食べていきますよ」
 一旦グレーデンやアッガスを下げないと気が済まないのかな?
 シード家のコックさんたちがうんざり顔で説明してくれる。

「お肉は食べたければ自分で捕まえるようにって言ったら私も自分で捕らなくちゃになっちゃうから言えないねぇ」
「海辺で待ち構えてたら海鳥が取り放題なんで魔法が使えれば簡単ですよ」

 漁師さんが獲ってきた魚の小さいのとか美味しくなかったのを狙う鳥がいっぱい来るんだって。
 あれだ。トンビやカモメみたいなのがいるんだね。

「私の魔法でもイケる?」
「行きたいのぉ?じゃぁ私も補助につくわねぇ」
 おお?!
 狩をするの初めてかも。
 
「お義母さまたちも誘った方がいいかしら?」
「今日はリーシャちゃんからお裾分けって感じでいいんじゃないかしらぁ?」

 そんなわけでお昼からの会議の前に、ニーナとアランとジェイクを連れて、海に出かけた。一応元騎士な侍従さん二人も付いてくれたよ。
 
 王都から来てる騎士さんたちがアッガス騎士団と配置確認とかしてて、私やルルゥを見つけてバッと敬礼してくれた。
 お仕事の邪魔になるから、お手振り挨拶だけするとアッガスの人たちは笑顔で、王都の騎士さんたちは、真顔のまま。
 お堅いねぇ。王族の護衛が主な仕事だから仕方ないね。
 でもホーンとか辺境三家と合同訓練とかしてるからか、仲が悪いとかは無いっぽいかなぁ?

 浜辺には聞いた通りに鳥が結構来てた。
 ん、デカいのね!

 カラフルなのに堂々としてるのは強いからかな??
 獲物がペーいと放られると一瞬で持って行くからお掃除サンキューな鳥だけど、美味しいので程々に狩ってるんだって。

 さて、魔法って言えばエアカッターかなぁ。鳥ってイメージしてたサイズだったなら、パチンコやボーガン的な物で狙うと思ってたけど、そもそも両方無いんだった。

「リーシャちゃん、アイツら逃すと自分の仲間にあの場所は危険って教えちゃって次から来ないから見えるとこのは全部狩るからねぇ」

 頭良い鳥だ。全部って十三羽くらいか。大きいから良い収穫になるね!
 
「他の余ったのは私たちが責任持つからリーシャちゃんは一番近いのを狙ってちょうだい」

 早いし、狙いにくいなぁ。

 でも羽も綺麗で欲しいから頑張ってみよう。

 漁師さんにいらない魚を一気に投げてもらうことになった。

 みんなは息を合わせて跳躍準備してる。私は危険を犯せないので動かず魔法一発だ。

「来る!今だ!!」

 羽音と砂を蹴る音、空を切る音、魔法の詠唱がほぼ同時に聞こえる。

「クェエエエー」

 私は一番近くまで来た鳥の首を狙って、エアカッターを放った。

 首を落とせなかったけど首半分切れたみたいで落ちてくる。
 矢みたいに空気圧縮して貫通狙う方が凄惨さがマシだったなってちょっと後悔。

 ルルゥが自分の狩った獲物と一緒に風魔法で拾ってくれた。

「初めての狩でちゃんと首狙えたのは最高に良いわぁ」
 褒めてもらえたので良かったよ。

 協力してくれた漁師さんに二羽渡して撤収になった。

 今週の漁の成果は民の食糧を除いてほとんどをナギ国と王都からの客人のためにシード家がお買い上げなんだそう。
 なので漁師さんも討伐隊の騎士さんも一日中海に出てるんだって。
 そう言ったわけで商店に並んで無いわー。がっかり。お買い物はまたの機会に。

 鳥は夕食時に出してくれるんだって。
 今夜は大臣たち重鎮の同席で会食だ。
 小役人たちは別席。

 同席だったら、王様の威を借りていびっちゃうとこだったよ。
 お義母さまとシャロンさまが十分してくれてるだろうけど。

 引っ掻き回して邪魔するだけの奴らには、私特製〈抜けないくん〉はあげないし、胃薬も出さないよ!
 
 昼食後に、ナギ国用のレシピの試作に参加した。
 デレード情報ではスパイスを使った辛味が強い食事を好むと言うことだ。
 デレードはカレーやコーナ料理を喜んでくれたけど、ナギでは食材とスパイスをともに煮込む感じ?
 薬膳って感じで良いのかな。
 でも普段食べてる物と違う物を望むかもなので、デレードやナギから取り寄せたスパイスを使って美味しいこちらの料理に進化させたいところ。

 塩味オンリーだったことを思えば、どれも美味しいはずなんだけど、あちらの食事情がどのレベルか。

 ルルゥにはグレーデン家で普段出してるものより辛い目のスパイス料理を中心に考えてもらう。

 式典後のは食事はビュッフェ夫婦でいいはずだからまずそこで好みを観察しよう。

 さて、面倒だけど、会議の時間だ。





 
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