ちびっ子ボディのチート令嬢は辺境で幸せを掴む

紫楼

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三章

585話

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 結果、ナギ御一行は、二日後に出立することになって、国境までホーン辺境伯騎士団が付き添い、グリーンリバー国に入ったら、グリーンリバー側国境を預かるオルス侯爵騎士団に引き継いでと言った感じに決まったので、私たちは王都でお別れになった。
 グレーデン辺境伯団が無理につくとホーン辺境伯団を信用してない事になるし、グリーンリバー王国騎士団にも失礼だとか。
 パワーバランスがめんどくさいね。

 王女さまたちとは昼食やお茶をご一緒したりして過ごした。

『『海を隔てたらどれほど国民性が違うか楽しみにしていたが、予想以上だった。だがそれも楽しもう』』
 大人だなぁ。
 
『『国境までリーシャも一緒に来て欲しかったが、リーシャの夫も寂しかろう』』
 そうだと思ってます。まだ留守がいいとか思われるほど年数を過ごしてないので!寂しいと思って貰えないほど仲悪くないはずなので。なんてね。私も寂しいので。

 どこまでも大人な王女さまたちは、恐れ多いけど、この世界で初めてのお友だちとなってくれた。
 そうそう会えないけれど。


 王女さまたちとお揃いのドレスを作ったのに、シャリアンヌだけ違うのはまずいってことで、次にレイドラアースに来てもらった時にまたお揃いで作る事になった。
 王妃さまとお義母さま、そして私はともかく、王女さまたちは成長しちゃうからね。


 お別れの宴では、やっぱりカイサル王子とシャリアンヌの過剰演出があったり、ナギの旅情的な音楽を聴かせてもらったり、楽しかった。

『っふんっぬ!すぁわぶぃすぃどぅあろぅぐわぁっ!!ぬぁぎぇくぅくぉとぅはぁぬぁわいぃっんぬ!』
(寂しいだろうが嘆くことはない)
 王子については私は寂しくないんだけど、過剰演出にちょっと楽しさを感じてる勢がいるから、その人たちは少し残念かもね。

『『私たちはレイドラアース国での日々は生涯忘れぬ。良き日々であった』』
『ファリンさま、ルアランさま、私もとても楽しかったです。またお会いできる日をお待ちしています』
『わ、私もぅいっぱいっん、ナノしかったっんっぬ!!』
 王女さまたちと王子さまたちのお別れの挨拶を微笑ましく見てたら最後までガクッと転けそうになったよ。
 公用語を覚え中のジェロム第二王子が、毒されてた!!!デスヨは飽きたのか?

『はっは!またこの国に参られた時は息子たちも少しは大人になっておろう。ファリン殿下、ルアラン殿下、お二人の旅路が良きものになる事を祈る』
 王子さまたちの肩に手を置いて、王様が王女さまたちと挨拶した。

 このやり取り中もグリーンリバーの音楽隊と踊り子と花びら係が凄かった。

 レイドラアース王家からは旅の快適をと改造馬車をナギ側に三台贈った。
 少ないのは製造が間に合わないから。魔道具単品は、造りを見せないため外国には出さないそうで、馬車には厳重に隠蔽魔法がかかってるそうだ。

 いずれの機会にグリーンリバーにも贈ることになるだろう。

 王宮門を越えるまでの間、お見送りなんだけど、長いこと音楽が聞こえていた。

「うちも派手にした方がいいんだろうか」
「あそこまでは要りません」
 王様の呟きを宰相がスパーンと切って捨てる。

「ナギのお方たちは大変おおらかですが、グリーンリバーの方たちのおおらかさは群を抜くので大変でしょうね」
 王妃さまが、ポツリ。
 おおらか?なのかなぁ。

「お母さま!僕は公用語が少し上手くなったでしょ『たのすかった!!っんぬっ』!!」
 「たのすかった」も可愛いけど「んっぬ」は早いところ直して頂かないとみんなの腹筋がヤバい。
 髪をファッサとしないだけありがたいけど。

「ジェロムはカイサル殿下が好きになったのね」
「ん~?おもしろいから好き」
 面白いって思えるのはすごい。話が三倍くらい長くなるから、ちょっとしんどいの。
「でもね!アークがすきよ!」
「私はルドガーが好きです」
 おや。

「えええ!二人ともパパは!!?」
 あ、王様はパパと呼ばせたい人だったのか。情けない顔で王子さまたちに縋るイケオジ。

「「あはは!パパいやー!!」」
 王子さまたちはやっと公務が終わったのをわかっていて、お義父さまたちがいる方向に走っていった。
「そんな~!!」

 貴族たちがドッと笑う。

 普段は外国からのお客様なんて滅多にないから緊張していたのが解けたようだ。


 私も初めての辺境伯夫人の仕事らしい仕事が終わって、一安心。

 とっとと帰りたいのに、ガルフ侯爵とグレーデン家は王様から夕食に呼ばれて。

 労いの言葉とお礼のお品を頂いた。

「いやー、初めましての国とはいつも身構えてしまいますが、良き縁を結べて良かった」

 ご機嫌な王様とガルフ侯爵。

 グレーデン家からはお義父さま、お義母さま、クラウスさま、私。

 王妃さまは王子さまたちが早々におネムになったので参加していない。

「デレードとナギ、同じ海向こうの国ではあるがそれぞれ付き合い方は違う。リーシャがナギの王女たちと打ち解けてくれたおかげで多少やりやすいが、お二人はいずれ他国に嫁に行くのが望み、ガルフよ、心して相対するのだぞ」

 キリって顔されても「パパいや」の時の顔みてるしねー。

 ナギとデレード、いずれは他の国もやってくるかもしれないので、言語や向こうの慣習、色々情報を集めないと。

 
 
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