ちびっ子ボディのチート令嬢は辺境で幸せを掴む

紫楼

文字の大きさ
596 / 787
三章

585話

 結果、ナギ御一行は、二日後に出立することになって、国境までホーン辺境伯騎士団が付き添い、グリーンリバー国に入ったら、グリーンリバー側国境を預かるオルス侯爵騎士団に引き継いでと言った感じに決まったので、私たちは王都でお別れになった。
 グレーデン辺境伯団が無理につくとホーン辺境伯団を信用してない事になるし、グリーンリバー王国騎士団にも失礼だとか。
 パワーバランスがめんどくさいね。

 王女さまたちとは昼食やお茶をご一緒したりして過ごした。

『『海を隔てたらどれほど国民性が違うか楽しみにしていたが、予想以上だった。だがそれも楽しもう』』
 大人だなぁ。
 
『『国境までリーシャも一緒に来て欲しかったが、リーシャの夫も寂しかろう』』
 そうだと思ってます。まだ留守がいいとか思われるほど年数を過ごしてないので!寂しいと思って貰えないほど仲悪くないはずなので。なんてね。私も寂しいので。

 どこまでも大人な王女さまたちは、恐れ多いけど、この世界で初めてのお友だちとなってくれた。
 そうそう会えないけれど。


 王女さまたちとお揃いのドレスを作ったのに、シャリアンヌだけ違うのはまずいってことで、次にレイドラアースに来てもらった時にまたお揃いで作る事になった。
 王妃さまとお義母さま、そして私はともかく、王女さまたちは成長しちゃうからね。


 お別れの宴では、やっぱりカイサル王子とシャリアンヌの過剰演出があったり、ナギの旅情的な音楽を聴かせてもらったり、楽しかった。

『っふんっぬ!すぁわぶぃすぃどぅあろぅぐわぁっ!!ぬぁぎぇくぅくぉとぅはぁぬぁわいぃっんぬ!』
(寂しいだろうが嘆くことはない)
 王子については私は寂しくないんだけど、過剰演出にちょっと楽しさを感じてる勢がいるから、その人たちは少し残念かもね。

『『私たちはレイドラアース国での日々は生涯忘れぬ。良き日々であった』』
『ファリンさま、ルアランさま、私もとても楽しかったです。またお会いできる日をお待ちしています』
『わ、私もぅいっぱいっん、ナノしかったっんっぬ!!』
 王女さまたちと王子さまたちのお別れの挨拶を微笑ましく見てたら最後までガクッと転けそうになったよ。
 公用語を覚え中のジェロム第二王子が、毒されてた!!!デスヨは飽きたのか?

『はっは!またこの国に参られた時は息子たちも少しは大人になっておろう。ファリン殿下、ルアラン殿下、お二人の旅路が良きものになる事を祈る』
 王子さまたちの肩に手を置いて、王様が王女さまたちと挨拶した。

 このやり取り中もグリーンリバーの音楽隊と踊り子と花びら係が凄かった。

 レイドラアース王家からは旅の快適をと改造馬車をナギ側に三台贈った。
 少ないのは製造が間に合わないから。魔道具単品は、造りを見せないため外国には出さないそうで、馬車には厳重に隠蔽魔法がかかってるそうだ。

 いずれの機会にグリーンリバーにも贈ることになるだろう。

 王宮門を越えるまでの間、お見送りなんだけど、長いこと音楽が聞こえていた。

「うちも派手にした方がいいんだろうか」
「あそこまでは要りません」
 王様の呟きを宰相がスパーンと切って捨てる。

「ナギのお方たちは大変おおらかですが、グリーンリバーの方たちのおおらかさは群を抜くので大変でしょうね」
 王妃さまが、ポツリ。
 おおらか?なのかなぁ。

「お母さま!僕は公用語が少し上手くなったでしょ『たのすかった!!っんぬっ』!!」
 「たのすかった」も可愛いけど「んっぬ」は早いところ直して頂かないとみんなの腹筋がヤバい。
 髪をファッサとしないだけありがたいけど。

「ジェロムはカイサル殿下が好きになったのね」
「ん~?おもしろいから好き」
 面白いって思えるのはすごい。話が三倍くらい長くなるから、ちょっとしんどいの。
「でもね!アークがすきよ!」
「私はルドガーが好きです」
 おや。

「えええ!二人ともパパは!!?」
 あ、王様はパパと呼ばせたい人だったのか。情けない顔で王子さまたちに縋るイケオジ。

「「あはは!パパいやー!!」」
 王子さまたちはやっと公務が終わったのをわかっていて、お義父さまたちがいる方向に走っていった。
「そんな~!!」

 貴族たちがドッと笑う。

 普段は外国からのお客様なんて滅多にないから緊張していたのが解けたようだ。


 私も初めての辺境伯夫人の仕事らしい仕事が終わって、一安心。

 とっとと帰りたいのに、ガルフ侯爵とグレーデン家は王様から夕食に呼ばれて。

 労いの言葉とお礼のお品を頂いた。

「いやー、初めましての国とはいつも身構えてしまいますが、良き縁を結べて良かった」

 ご機嫌な王様とガルフ侯爵。

 グレーデン家からはお義父さま、お義母さま、クラウスさま、私。

 王妃さまは王子さまたちが早々におネムになったので参加していない。

「デレードとナギ、同じ海向こうの国ではあるがそれぞれ付き合い方は違う。リーシャがナギの王女たちと打ち解けてくれたおかげで多少やりやすいが、お二人はいずれ他国に嫁に行くのが望み、ガルフよ、心して相対するのだぞ」

 キリって顔されても「パパいや」の時の顔みてるしねー。

 ナギとデレード、いずれは他の国もやってくるかもしれないので、言語や向こうの慣習、色々情報を集めないと。

 
 
感想 6

あなたにおすすめの小説

【完結】憧れのスローライフを異世界で?

さくらもち
ファンタジー
アラフォー独身女子 雪菜は最近ではネット小説しか楽しみが無い寂しく会社と自宅を往復するだけの生活をしていたが、仕事中に突然目眩がして気がつくと転生したようで幼女だった。 日々成長しつつネット小説テンプレキターと転生先でのんびりスローライフをするための地盤堅めに邁進する。

悪役令嬢にされたので婚約破棄を受け入れたら、なぜか全員困っています

かきんとう
恋愛
 王城の大広間は、いつも以上に華やいでいた。  磨き上げられた床は燭台の光を反射し、色とりどりのドレスが揺れるたびに、まるで花畑が動いているかのように見える。貴族たちの笑い声、楽団の優雅な旋律、そして、ひそやかな噂話が、空気を満たしていた。  その中心に、私は立っていた。  ――今日、この瞬間のために。 「エレノア・フォン・リーベルト嬢」  高らかに呼ばれた私の名に、ざわめきがぴたりと止む。

家族に忘れられていた第五王子は愛され生活を送る

りーさん
ファンタジー
 アズール王国の王宮には、多くの王子や王女が住んでいる蒼星宮という宮がある。  その宮にはとある噂が広まっていた。併設されている図書館に子どもの幽霊が現れると。  そんなある日、図書館に出入りしていた第一王子は子どものような人影を見かける。  その時、父である国王にすら忘れられ、存在を知られていなかった第五王子の才覚が露になっていく。

本の虫な転生赤ちゃんは血塗りの宰相の義愛娘~本の世界に入れる『ひみちゅのちから』でピンチの帝国を救ったら、冷酷パパに溺愛されてます

青空あかな
ファンタジー
ブラック企業に勤める本の虫でアラサーOLの星花は、突然水に突き落とされた衝撃を感じる。 藻掻くうちに、自分はなぜか赤ちゃんになっていることを理解する。 溺死寸前の彼女を助けたのは、冷徹な手腕により周囲から「血塗りの宰相」と恐れられるアイザック・リヴィエール公爵だった。 その後、熱に浮かされながら見た夢で前世を思い出し、星花は異世界の赤ちゃんに転生したことを自覚する。 目覚めた彼女は周囲の会話から、赤ちゃんの自分を川に落としたのは実の両親だと知って、強いショックを受けた。 前世の両親もいわゆる毒親であり、今世では「親」に愛されたかったと……。 リヴィエール公爵家の屋敷に連れて行かれると、星花にはとても貴重な聖属性の魔力があるとわかった。 アイザックに星花は「ステラ」と名付けられ彼の屋敷で暮らすようになる。 当のアイザックとはほとんど会わない塩対応だが、屋敷の善良な人たちに温かく育てられる。 そんなある日、精霊と冒険する絵本を読んだステラはその世界に入り込み、実際に精霊と冒険した。 ステラには「本の世界に入り込み、その本の知識や内容を実際に体験したように習得できる特別な力」があったのだ。 彼女はその力を使って、隣国との条約締結に関する通訳不在問題や皇帝陛下の病気を治す薬草探索など、様々な問題を解決する。 やがて、アイザックは最初は煩わしかったはずのステラの活躍と愛らしさを目の当たりにし、彼女を「娘として」大切に思うようになる。 これは赤ちゃんに転生した本好きアラサーの社畜OLが、前世の知識と本好きの力を活かして活躍した結果、冷徹な義父から溺愛される話である。

嫌われ皇后は子供が可愛すぎて皇帝陛下に構っている時間なんてありません。

しあ
恋愛
目が覚めるとお腹が痛い! 声が出せないくらいの激痛。 この痛み、覚えがある…! 「ルビア様、赤ちゃんに酸素を送るためにゆっくり呼吸をしてください!もうすぐですよ!」 やっぱり! 忘れてたけど、お産の痛みだ! だけどどうして…? 私はもう子供が産めないからだだったのに…。 そんなことより、赤ちゃんを無事に産まないと! 指示に従ってやっと生まれた赤ちゃんはすごく可愛い。だけど、どう見ても日本人じゃない。 どうやら私は、わがままで嫌われ者の皇后に憑依転生したようです。だけど、赤ちゃんをお世話するのに忙しいので、構ってもらわなくて結構です。 なのに、どうして私を嫌ってる皇帝が部屋に訪れてくるんですか!?しかも毎回イラッとするとこを言ってくるし…。 本当になんなの!?あなたに構っている時間なんてないんですけど! ※視点がちょくちょく変わります。 ガバガバ設定、なんちゃって知識で書いてます。 エールを送って下さりありがとうございました!

王女の中身は元自衛官だったので、継母に追放されたけど思い通りになりません

きぬがやあきら
恋愛
「妻はお妃様一人とお約束されたそうですが、今でもまだ同じことが言えますか?」 「正直なところ、不安を感じている」 久方ぶりに招かれた故郷、セレンティア城の月光満ちる庭園で、アシュレイは信じ難い光景を目撃するーー 激闘の末、王座に就いたアルダシールと結ばれた、元セレンティア王国の王女アシュレイ。 アラウァリア国では、新政権を勝ち取ったアシュレイを国母と崇めてくれる国民も多い。だが、結婚から2年、未だ後継ぎに恵まれないアルダシールに側室を推す声も上がり始める。そんな頃、弟シュナイゼルから結婚式の招待が舞い込んだ。 第2幕、連載開始しました! お気に入り登録してくださった皆様、ありがとうございます! 心より御礼申し上げます。 以下、1章のあらすじです。 アシュレイは前世の記憶を持つ、セレンティア王国の皇女だった。後ろ盾もなく、継母である王妃に体よく追い出されてしまう。 表向きは外交の駒として、アラウァリア王国へ嫁ぐ形だが、国王は御年50歳で既に18人もの妃を持っている。 常に不遇の扱いを受けて、我慢の限界だったアシュレイは、大胆な計画を企てた。 それは輿入れの道中を、自ら雇った盗賊に襲撃させるもの。 サバイバルの知識もあるし、宝飾品を処分して生き抜けば、残りの人生を自由に謳歌できると踏んでいた。 しかし、輿入れ当日アシュレイを攫い出したのは、アラウァリアの第一王子・アルダシール。 盗賊団と共謀し、晴れて自由の身を望んでいたのに、アルダシールはアシュレイを手放してはくれず……。 アシュレイは自由と幸福を手に入れられるのか?

完結 辺境伯様に嫁いで半年、完全に忘れられているようです   

ヴァンドール
恋愛
実家でも忘れられた存在で 嫁いだ辺境伯様にも離れに追いやられ、それすら 忘れ去られて早、半年が過ぎました。

【完結】病弱な妹に魔力を分け続け死ぬ寸前の私を、宮廷魔術師になった旧友が攫ってくれました。家族を捨てて幸せになっていいんですか?

未知香
恋愛
「あなたはもう十分楽しんだでしょう? 今度はミアーラの番よ」 膨大な魔力と知識を持ち、聖女候補とまで言われた、天才魔術師エリアーナ。 彼女は、病弱な妹ミアーラの為、家族に言われるまま自らの膨大な魔力を差し出すことにした。 「そうだ。私は健康で、今まで十分に楽しんできた。だから、あげるのは当然だ」 魔力を与え続けた結果、彼女は魔力を失い、容姿も衰え、社交界から姿を消してしまう事となった。 一方、妹ミアーラは姉から与えられた魔力を使い、聖女候補として称賛されるように。 家族の呪縛に縛られ、「今まで多くを貰いすぎていたのだ」と信じ、利用され続けるエリアーナ。 そんな彼女の前に現れたのは、かつての旧友であり宮廷魔術師となった青年だった。 ハッピーエンドです!