藤堂正道と伊藤ほのかのおしゃべり

Keitetsu003

文字の大きさ
56 / 254

56:侍と世界観

しおりを挟む
「伊藤、何を読んでいるんだ? まさか、また変な本を……」
「いえいえ! 今回は普通のラノベですから。ほら」

「なになに……『異世界に転移した侍は下克上して魔王になります』。どういった話しなんだ?」
「そのまんまっす。異世界の王様が魔王を倒すため、侍を転移したんですけど、無理矢理転移させられ、帰れない事に腹を立てた侍が下克上をして、新たな魔王になったお話です。いやぁ、侍が魔法や銃弾といった何でも斬り捨てるチート能力を使って敵を倒し、ハーレム作るとか、ありきたりですけど、面白いです」

「……」
「なんですか? その目は?」
「いや……侍が西洋のファンタジーに出るとか、興ざめだろ? 侍は日本の戦士だ。戦国時代や幕末に出てくるからこそ趣があって、物語に深みが出てくるんだ。余所のファンタジーに侍が出てくること自体、違和感しかない」
「でた~先輩の面倒くさい物語にまで現実主義を持ち込む考え。ファンタジーは架空の物語なんですよ? いいじゃないですか。忍者や侍が出てきたって。存在自体がファンタジーなんですから。銃弾を刀で斬るなんて格好いいじゃいですか」

「実際に刀を固定して、その刀に銃弾を撃ったら、弾が真っ二つになった実験結果があったが、銃弾がそれるわけではない。二つになって進むから結局体に弾が当たるんだよ。しかも、二発もな。それを知ってしまったら、茶番に思えて仕方ないんだ」
「そ、それなら斬った瞬間、しゃがんで避けるとか、横に逃げるとか、弾道から避けて斬るとか」
「だったら、最初から避ければいいだろ?」
「……」

「それに逆を考えてみろ。例えば、水戸黄門のメンバーがアメリカのエージェントだった場合……」



 水戸黄門一味がアメリカ人だった場合


「者共! であえ! であえ!」
「この者共を斬れ! 斬り捨てぇ!」
「エディ! ジャック! こらしめてやりなさい!」
「OK!」
「了解した。イエローゲートファミリー!」
「「アッセンブル!」」


「この異国人! 斬り捨ててくれるわ!」

 バンバン!

「ひぃいい!」
「おいおい、それはジャパニーズジョークか? そんなほっそいペ○スみたいな棒きれで、俺のマグナムにかなうとおもっているのか? それと頭に乗せているのはナマコか? ジャパニーズアクセサリーは理解に苦しむぜ」


 バンバン!


「今すぐ刀を捨てろ! 両手を頭の後ろで組んでひざまずけ! はやくしろ!」
「わ、分かった……命だけは助けてくれ」
「おい、お前達の黒幕はどこにいる?」
「そ、それは口が裂けても言えん! 武士は主君を絶対に売らん!」
「黒幕を誰か教えないと……貴様の息子を殺す」
「あの人です」

「この野郎! せ、先生! 先生」
「お呼びかな?」
「ふっふっふっ、こんなこともあろうかと五千両で最強の侍を雇っていたのだ!」
「アイツ、バカか? 着服した五千両でシークレットサービス雇うか? だったら、最初から着服するなよな」
「全くだ。だが、油断するな! 援護を頼む!」
「援護もなにも……この一発で逝かせてやるぜ!」

 バン!
 キン!

「What's happened! It's a crazy! HEYHEYHEY! ジャック、見たか? あのナマコ野郎、銃弾を斬ったぞ! ジャパニーズマジックか?」
「とにかく撃て!」

 バンバンバンバン!
 キンキンキンキン!

「全部、斬り落としやがった! どうなってるんだ? あの刀は? ライト○イバーの親戚か? ジェ○イの騎士ですか、あの野郎!」
「Silver woman! 聞こえるか!」
「なんですか、ジャック?」
「救援を頼む! 今すぐにだ!」
「了解。Flying monkeyが現場に向かっています。それまで持ちこたえてください」
「聞こえたな、エディ! M5で足止めするぞ!」
「俺に命令するな! あのクレイジーな野郎には二丁拳銃で蜂の巣にしてやる! くたばりやがれ!」

 パパパパパパパパパパパパパパパパパパパパーン!
 キンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキン!

「野郎! マシンガンの弾、斬ってるぞ!」
「Silver woman! まだか! 早くしろ!」
「今やってます! Flying monkey! 早くして!」
「……OK。ターゲット確認。M24_SWSで排除する」

 パーーーーン!
 キン!

「Oh, My God!」
「くそっ! Silver woman! 近接航空支援を頼む!」
「了解。うっかりEight、離陸してください」
「うっかりEight、了解。離陸します」
「エディ! 全弾、アイツにぶちかませ!」
「だから、俺に命令するな!」

 パパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパーン!

 キンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキン!

「おい、ジャック! もう弾がねえ! どうするんだ!」
「Silver woman! なんとかしてくれ!」
「今やってます! うっかりEight! まだなの!」
「待たせたな! ターゲットロックオン! Fire!」

 ブシューーーーーーーーン!

「あっ、やべ!」
「どうしたの、うっかりEight」
「間違えてヘルファイアII撃っちまった。まあ、なんとかなるだろ」
「ならないわよ! うっかりレベルではすまないわよ! 始末書ものよ、これ!」
「もう、遅い。着弾まで後、一秒!」

 どが~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ん!


「じゃ~~~~~~~~~~~~~~~~っく!」



「……げほげほっ! ひでえめにあった……おい、ジャック。生きてるか?」
「……まあな。ゴールデン・ゲートは?」
「……ここにいます」
「よくもまあ、俺達生きてたな」
「爆発オチは俺達アメリカのお家芸だろ?」
「はぁ……やれやれだぜ。にしても、あのうっかりEight! 次会ったら眉間に風穴開けてやる!」

「ジャック! 生きてますか!」
「ああっ、問題ない」
「よかった……ターゲットは?」
「……Silver woman、ターゲット、ロスト。もう一度、言う。ターゲット、ロストだ!」
「それって大丈夫なんですか?」
「申し訳ないと思っている」
「それ、嘘ですよね? 嘘泣きですよね?」
「いいんじゃねえ? 日本のことわざに『終わりよければすべてよし』ってあるんだぜ?」

「……そうだな。次はどこにいこうか?」
「南がいいな。バカンスと洒落込もうぜ! そういえば、Silver woman。入浴シーンはどうなったんだ?」
「それ、セクハラ」
「ふぉふぉふぉ……では、エディ、ジャック。行きますか」

ナレーション:こうして、ゴールデン・ゲート一行は南に向かった。彼らの通る道には草木一本も生えない。それでも彼らは悪党をこらしめるため、西の荒野へと消えていった。



                 ーENDー


「どうだ? 余所の国の戦士が他国にでしゃばると、とんでもないことになるだろ? やはり、侍は日本だけでいいよな」
「先輩……」
「なんだ?」
「やりすぎ」
「……ごめんなさい」
しおりを挟む
感想 14

あなたにおすすめの小説

今更気付いてももう遅い。

ユウキ
恋愛
ある晴れた日、卒業の季節に集まる面々は、一様に暗く。 今更真相に気付いても、後悔してももう遅い。何もかも、取り戻せないのです。

幼馴染

ざっく
恋愛
私にはすごくよくできた幼馴染がいる。格好良くて優しくて。だけど、彼らはもう一人の幼馴染の女の子に夢中なのだ。私だって、もう彼らの世話をさせられるのはうんざりした。

大丈夫のその先は…

水姫
恋愛
実来はシングルマザーの母が再婚すると聞いた。母が嬉しそうにしているのを見るとこれまで苦労かけた分幸せになって欲しいと思う。 新しくできた父はよりにもよって医者だった。新しくできた兄たちも同様で…。 バレないように、バレないように。 「大丈夫だよ」 すいません。ゆっくりお待ち下さい。m(_ _)m

遡ったのは君だけじゃない。離縁状を置いて出ていった妻ーー始まりは、そこからだった。

沼野 花
恋愛
夫と子供たちに、選ばれなかったイネス。 すべてを愛人に奪われ、彼女は限界を迎え、屋敷を去る。 だが、その先に待っていたのは、救いではなかった。 イネスを襲った、取り返しのつかない出来事。 変わり果てた現実を前に、 夫はようやく、自分が何を失ったのかを思い知る。 深い後悔と悲しみに苛まれながら、 失ったイネスの心を取り戻そうとする夫。 しかし、彼女の心はすでに、外の世界へと向かっていた。 贖罪を背負いながらもイネスを求め続ける夫。 そして、母の心を知っていく子供たち。 イネスが求める愛とは、 そして、幸せとは――。

熟女愛好家ユウスケの青春(熟女漁り)

MisakiNonagase
恋愛
高校まで勉強一筋で大学デビューをしたユウスケは家庭教師の教え子の母親と不倫交際するが、彼にとって彼女とが初の男女交際。そこでユウスケは自分が熟女好きだと自覚する。それからユウスケは戦略と実戦を重ねて、清潔感と聞き上手を武器にたくさんの熟女と付き合うことになるストーリーです。

転移先で日本語を読めるというだけで最強の男に囚われました

桜あずみ
恋愛
異世界に転移して2年。 言葉も話せなかったこの国で、必死に努力して、やっとこの世界に馴染んできた。 しかし、ただ一つ、抜けなかった癖がある。 ──ふとした瞬間に、日本語でメモを取ってしまうこと。 その一行が、彼の目に留まった。 「この文字を書いたのは、あなたですか?」 美しく、完璧で、どこか現実離れした男。 日本語という未知の文字に強い関心を示した彼は、やがて、少しずつ距離を詰めてくる。 最初はただの好奇心だと思っていた。 けれど、気づけば私は彼の手の中にいた。 彼の正体も、本当の目的も知らないまま。すべてを知ったときには、もう逃げられなかった。 毎日19時に更新予定です。

【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜

一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m ✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。 【あらすじ】 神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!   そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!  事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます! カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。

怒られるのが怖くて体調不良を言えない大人

こじらせた処女
BL
 幼少期、風邪を引いて学校を休むと母親に怒られていた経験から、体調不良を誰かに伝えることが苦手になってしまった佐倉憂(さくらうい)。 しんどいことを訴えると仕事に行けないとヒステリックを起こされ怒られていたため、次第に我慢して学校に行くようになった。 「風邪をひくことは悪いこと」 社会人になって1人暮らしを始めてもその認識は治らないまま。多少の熱や頭痛があっても怒られることを危惧して出勤している。 とある日、いつものように会社に行って業務をこなしていた時。午前では無視できていただるけが無視できないものになっていた。 それでも、自己管理がなっていない、日頃ちゃんと体調管理が出来てない、そう怒られるのが怖くて、言えずにいると…?

処理中です...