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俺氏、マルフをさらに魔改造する

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 んーー。狼型魔獣マルフが居ると町に入れない。
「ですわですわ」

 これはこれで可愛いんだよな。もう一歩だと思うんだが、何がまずいんだろう。
 この獰猛そうな目か?牙か?
 四つん這いで歩く所か?服を着てない所か。
 だけど四つん這いで歩く人もいるだろうし、裸であるく人もいるだろ?
 やばい、俺は何が正しいのか解らなくなってきた。

「せめてファンタジー世界みたいにお前が美少女になれればな」
『マルフのポイントを使って美少女にできます。やっちゃいますか?』

 ん?変なアナウンスが流れた気がする。
 もしかして寄生先の生物って改造できるの?

 ステータスステータス!
『寄生先:マルフ(生存中)』
 マルフをタップする。

『森の魔獣マルフ(生存中) 1000ポイント【スキル獲得】』

 スキル獲得をタップしてみると一覧が現れた。
『100ポイント
  ドレインバイト:対象のエネルギーを奪う強力な一撃
  疾風:速度ステータス二倍、パッシブ
 』
 すげえ、何かゲームみたいだ。スクロールさせていく。
『300ポイント
  魔獣の王:魔獣を従わせる事が出来る王の品格を身につける
  魔術才能:あらゆる魔術を覚える事が出来る
  種族強化:どんな攻撃をも通さない鋼の身体とミスリルをもかみ砕く牙を獲得する
 』
 やばいな、300ポイントでもかなりいいスキルじゃね?
 魔獣の王と魔術才能、種族強化を付けたら、無双できるんじゃねえの?

『500ポイント
  人化の術:人に化ける事が可能になる
  吸血鬼化:不死となり、眷属を作る事が出来る吸血鬼種になる
  人化:種族を人間にする
 』
 あ、これじゃん……。人化と術の違いは化けるかそのものになるか、か。
 吸血鬼化か。こっちにすれば不死だろ?こっちの方がいいかもしれないな。
 あ、まだ先があるじゃん……。

『800ポイント
  イケメン化:種族を人間にする
  美女化:種族を人間にする
  美少女化:種族を人間にする
  美少年化:種族を人間にする
 』

 ……うん。さらにスクロールさせてみるか。

『1000ポイント
  美幼女化:種族を人間にする
  男の娘化:種族を人間にする
 』

 美幼女化っと。
 俺はネット通販サイトでポチるようにすぐに美幼女化を選んだ。
「ですわですわ!ギャン!?」
 マルフが煙に包まれ、消えた時は息を飲むような美幼女が立っていた。

「……あれ、私、人間」
 マルフが人間(美幼女)に変化した。ポイントをつぎ込んだだけの事はあり、マルフは喋れるようになっていた。スキルポイント、GJだ。お前はいい仕事をした。

 小さい体躯に、大人びた顔だち。まさに傾国の美幼女だ。
 町に入ったら寄生解除する予定だったけど、これはアリだな。
 そして、何より犬耳。いや、狼耳か。ゴワゴワした耳が美幼女の頭に付いているのって、何だか倒錯感があっていいよね。

 ……メタい言い訳を聞いてくれ。
 倒錯って言ってもマルフに欲情してってエロ展開は無いよ。
 俺の好みは大人の女性だからな。幼女に手を出すとか最低ですよ。

 え?何で寄生先を幼女にしたのかって?美女にしたらよかったじゃないかって?
 エロ目的じゃないよ。美幼女に懐かれるのは男のロマンじゃないか。

『お兄ちゃんの馬鹿!私こんなに好きなのに』
『ナンダッテ?』
 みたいなのってさ、男の夢だろ。幼女は手を出す存在じゃなく愛でるべき存在なんだよ。

『このロリキャラKAWAII』
 うん、解るよ。でもエロ展開にしたいって欲はあんまりないじゃん?
 でも可愛いじゃん?
 そういう癒しっていうかね、そういう一歩引いた愛。お兄ちゃん的な愛を俺は大事にする訳ですよ。


「貯めてたポイント……ゼロ。魔獣の王……」
 目に見えて落ち込むマルフ。少し悪い事をしたかもしれない。

「マルフ、メシ」
 鬼畜かもしれないが、人になったんだ。狼よりはお世話に期待できるだろう。
 幼女に食事作らせたりするのっていいよね……。え?クズだって?俺は寄生厨だからいいんだよ。

 少し困ったような顔をしたマルフは、やがて決心したように頷いた。
「……待ってて」
 そしてマルフはテクテク歩いてウサギを見つけると、

「かぷ」
 ウサギの首筋に噛みついた。やってる事変わらねえ!?
 やってる事は変わらなかったが、結果は違っていた。
 幼女の乳歯でウサギをしとめる事はできず

「キュー!!」
「……ぁう」
 ウサギの手で叩かれ、転ぶマルフ。お、おい、大丈夫か?

「……う、う……ぅぁぁぁぁぁ!」
 ぼろぼろと涙をこぼすマルフをなだめ、慰め、ようやく落ち着かせた。

「……弱くなった。もう獲物とれない。餓死しちゃう」
「いいんだ、落ち込むな。また強くなればいいじゃないか」

 お前が言うな、と幼女マルフに冷たい目を向けられ、新しい何かに目覚めそうだった。
「とりあえず町行こうぜ、町に入れれば食べ物もあるし大丈夫だろ」
「……解った」

 そして俺達は町に向かって歩き始める。
 マルフには悪いが、これで俺達は町に入れるようになったんだ。
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