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本編
異世界転生01
しおりを挟むあのときの感覚はまだ覚えてる。
というかきっと、私自身の……
日本人・ 早瀬川 杏璃としての記憶がなくならない限り、
忘れることは決してできないんだと思うー……。
自分が外……それも人通りが特に多い時間帯に
人通りの多い場所で倒れているんだ、
と気づくまでには少し時間がかかった。
そして 死にかけているのだな と察したのは、
自分に集まる人々と男女の悲鳴、救急車!と叫ぶ声も近くで聞こえたからだった。
どうやら私は胸を刺されたらしい。
らしいってのは感覚がなければ
実感もなかったからで。
薄れゆく視界の中、ふと目に入った自分の手は
血に染まっていたー……。
めちゃくちゃ楽しい!って生活は
送ってなかったけれど、
もう少し生きたかった。
死ぬにはさすがにはやすぎるなぁ……。
そんなことを思いながら私は
たった21年の人生に幕をーー
『あれっ、女の子? しかも若い?
え、なんで???
あ、やばっ…… 間違えた………』
ー幕は降りなかったようだ。
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