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本編
冒険者ギルド、再び
しおりを挟む「こんにちはー!」
ストリートチルドレンになってからはやいもので、2年が経った。
この2年で私は前世の記憶を総動員させ、今日までなんとか生き延びることができた。
冒険者の依頼ならまだしも、
街中でする一般的な仕事に日雇いって概念はこの世界にはなかったらしく、
最初は相手にもされなかったけど、それでも諦めずに説得を続けた。
魔法が多少使える(ってことにしといた)ことと獣人のため年齢や見た目のわりに体力があったことが功を奏し、1年経ったころにようやく、
飢えない程度の収入を得ることができるようになった。
そして10歳になった今日、
私は再び冒険者ギルドを訪れた。
10歳になったとはいえ、飢えない程度にいられただけで栄養が足りてるわけではないから、
外見的成長がほとんどなかった。
「いらっしゃいませ、ようこそ冒険者ギルドへ。
本日はどのようなご要件ですか?」
「こんにちは。冒険者登録をしにきました」
2年前と変わらず、
ギルド内は昼間だというのに
酒を飲む冒険者で賑わっていた。
「申し訳ありませんが、ギルドへの登録は10歳からになっていまして……」
2年前に来たときのお姉さんとはちがって、
表情を変えることなく、
親切心100%って感じの説明をしてくれた。
「はい、知ってます。私は10歳です」
「……はい?」
「私は10歳なので登録お願いします。
鑑定してもらったほうがはやいですよね、きっと」
「……少々お待ちください」
受付のお姉さんは笑顔のまま
席を立ってどこかに行ってしまった。
「ま、信じてもらえないよね……」
2年前と今。
見た目的にほとんどかわってないと思う。
ちょっと背は伸びたかもしれないけど、
確実に体重は減ってるもんなぁ……。
「お待たせしました。
こちらの鑑定石に魔力を流していただけますか?」
「はい」
よかった。
とりあえず見た目判断で門前払い喰らわなくって。
応援ありがとうございます!
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