異世界転生したのだけれど。〜チート隠して、目指せ！ のんびり冒険者 (仮)

本編

どういう知り合い？

｢ね、ロイさん｣

｢ん？なんだ？｣

｢エミリーさんとはどういう知り合いなの？｣

接点なんて、まったくなさそうなのに。

そう思って聞いたら、まさかの答えが返ってきた。

｢エミリーは幼馴染で、ルイスの嫁だ｣

｢…………はっ？｣

今の、聞き間違いもしくは言い間違い？
それともあれ？ルイスって名前の別の人の話してんの？？？

｢ルイスって名前の知り合いはアイツしかいない｣

｢……嫁？ 彼女じゃなくて？｣

｢なんだ？彼女って｣

あ、まさかの彼女が通じない……。
でもこんなところでカルチャーショックはいらない。
そんなことより、嫁ってなにさ、嫁って！！！

｢恋人ってこと｣

｢信じられないのはわかるけどな、まじで嫁なんだよ……｣

｢………………｣

まぁ顔は整ってる方だなとは思ったけど。まさかの既婚者！そして嫁はエミリーさん！  
に、似合わな～……

｢あれ、でもルイスさん 騎士団の宿舎に住んでるんじゃないの？｣

｢住んでるぞ。結婚してても子供がいないうちは宿舎住みだからな。既婚者用の建物があって、望めばそこで暮らせんだよ。そこにエミリーもいるんだよ｣

……まじか。
結婚しても宿舎住みとか、ツラすぎるわ。騎士団のお嫁さんも大変だぁ……。

｢なのに毎日ルイスさんに起こしてもらってんの？ロイさん｣

｢アイツが勝手にやってんだよ。俺は頼んでない｣

｢でも起こされないと起きないんでしょ？｣

｢……………｣

図星か。黙っちゃったよ、ロイさん。


｢門番って夜勤とかもあるよね？まさかとは思うけど、ルイスさんが来れない時はエミリーさんが起こしてるーとかないよね？｣

｢………………｣

うわ、今露骨に目ぇ逸らしたよ。これもまさかの図星か。
さすがにちょっとダメすぎないか？ロイさん。


｢ロイさん……｣

｢ひ、人には向き不向きってもんがあんだろ？お前の剣術体術みたいに！｣

｢うまく切り抜けたとか思ってるんだとしたら全然だからね？それと一緒にされたくないんだけど｣

｢………悪かったな。朝弱くて｣

そう言ってﾌﾟｲｯと顔を背けた。
あ、また拗ねた。ロイさんがそれやっても別に可愛くはないんだけどな……。

むしろガッカリ感増しちゃうよ。