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本編
いい加減防具を買おう 01
しおりを挟む「え、防具なんて重いしジャマだからいらないよ?」
昨日の夕方、「明日非番で でかけるから依頼受けずに部屋にいろ」とロイさんからルイス、そしてエミリーさんから私に、というリアル伝言ゲームが起きた。
まぁ連絡手段なんてないからこうなったわけだけど。「リアル伝言ゲーム……笑」ってなったよね。伝わらなかったけどさ。わかってた。
で、朝 伝言通りロイさんが来て。
防具を買いに行くぞって言われたところで冒頭に戻るわけだけど。
「いらないじゃねぇよ。いらない、じゃ!つか防具をジャマ扱いすんな!」
いらないなんて言ったら当然ロイさん怒るわけで。
「いやだってホントのことだし……」
というか言ってない(言えない)けど、一応 魔物と戦うときだけは結界魔法使ってるんだからね。
守ってるんだよ、ちゃんと。見えないだけで。結界魔法使えるとか言えないだけで。
結界魔法は、人でも物でも、植物でも精霊でも、わりとなんにでも使える便利な魔法。使うと疲れるけどね。範囲が広ければ広いほど疲れるのは早いし、体も重くなってくる。
まぁそれは込める魔力量に問題があったみたいで、なんとなくコツは掴めたから最近は全然平気。今までに相手してきた魔物相手なら疲れたりはしないかな。
「とにかく、防具を買いに行くぞ、ほら」
「えぇ~」
こうして、ロイさんに無理やり連れ出され、やってきたのは武器屋。
「マリア、ちゃんと見ろよ」
「はーい……」
めんどくさいし、防具なんてわかんないよぉ。
「……まじで防具買う気ねぇのか」
あまりにもテキトーに流し見てるのに気づいたロイさんが、いつもよりさらに低い声で聞いてきた。
「なくは、ないけど……。 あるとも言えない……?」
見た目的な意味で、必要なのはわかるんだよね。チビのくせに防具もねぇのか、低ランクには仕方ねぇだろ、死ぬんじゃね?等々、周りの冒険者に言いたい放題言われてるのも知ってるし。
わかるんだけどさ……邪魔なんだもん。ただただそれだけなんだよね。防具いらない理由。
「……動きを阻害しなそうな軽いやつ探してやるからとりあえず見ようとはしろ」
「はーい……」
ロイさんホント、面倒見良すぎ。
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