異世界転生したのだけれど。〜チート隠して、目指せ! のんびり冒険者 (仮)

ひなた

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本編

予想外の結果

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「マリア。話がある」

水浴びも終わり、あとは寝るだけって状態になったとき、ロイさんは今まで見たことないくらい真剣な顔でそう切り出してきた。

「ん?何?」

ブレスレットのこと……だよね。聞かないと言ったとはいえ、見せろってなるだろうなって覚悟はしてた。

でもこっちもこっちで、予想外の結果になってるんだよね。

とりあえず言えることは、魔法耐性に関してはまだ実感できてないけど、それでも結界をはるのがめちゃくちゃ楽な上に はやかったから、外に出る時は身につけてるほうが絶対安全だってこと。


先週、ブレスレットを作った翌々日。ロイさんによって強引に休息日になったから、部屋に戻ってきて寝て、起きてから夜寝るまでは ブレスレットの見た目をもう少し安っぽいものにできないか試してみたんだよね。


ー結論から言えば、“8種の魔法耐性と結界魔法任意発動機能付きブレスレット”は、ブレスレットじゃなくなった。


◇  ◇  ◇

ブレスレットを作ったときには気づかなかったんだけど、マジックアイテム作成魔法には、
“この世に実在していてなおかつ、物を作る上での一定の基準を満たしている物質”であれば、そこから元がなんだったにせよ自由に形を変えることができるって機能があったみたいで。(最初に作った時に知りたかった、と思ったのは言うまでもない。)
これじゃあ何も作れないだろっていうクズ石や砂とかはダメ。大きさに関係なく木材は一切不可らしい。
あと魔石のみも無理なんだって。魔石と普通にそこらへんにある石を用意すれば、そこから作ることはできるみたい。


“それなら、ブレスレットをもう少し目立たないサイズで他のアクセサリーに変えれないかな~。今更それは無理かな??” なんて思いながらブレスレットを触っていたら急に光りはじめて。
呆気に取られていたら突然、この中から選べ、って頭の中で問われてる気がした。

指輪、ネックレス、ピアス。
わけがわからないまま、指輪はすぐなくしそう、ピアスはつけれない、ってことでネックレスを選んだ。

そうしたら次は どんなネックレスにしたいかをなるべく具体的に思い浮かべろって言われた気がして、その通りにした。

ーこの世界のネックレスがどんな感じなのかはわからないから、なるべくシンプルで、でも付けるならこれくらいの可愛さはほしいなって思いながらイメージした。とっさのわりにチェーンの部分を、地球でも時々あった革紐っぽいやつでイメージした私、自分で自分を褒めたい。


まぁそんなことはさておき、脳内でのネックレスのイメージが完成すると、ブレスレットがさらに光った。

光が消えたときには手の上にあったのはブレスレット……ではなく、あら不思議、頭の中で想像していたネックレスがありましたとさ。もちろん部屋中くまなく探したけど、ブレスレットなど影も形もありませんでした。おしまい。


◇  ◇  ◇

夢だと思ったよね。とりあえず。
まだ私寝ぼけてるのかなって。

でも何回まばたきしても、目をこすっても、消えなくて。 触ってる感触がちゃんと伝わってるから、幻なんじゃ?って説は一瞬で過ぎ去った。


翌朝 起きた時も元ブレスレットだったソレはネックレスのままだったから、そこでようやく現実として受け止めざるを得ないのだと覚悟を決め、鑑定をしてみた。
ブレスレットがネックレスになっただけで、それ以外のスペックがリセットされている、なんてことにはならなかった。
(ちなみに、試しにブレスレットに戻してみようとしたけど、できなかった。全くの別物への作り替えは2回までって鑑定結果が。ここから何か追加……エンチャントすることはできるみたい。)

さすが、神様が自ら作った特殊魔法だわ。いろいろと謎すぎ……。いくら魔法でも、これは“魔法って不思議~!”の一言で終われる範疇外だと思うわ。


ーとりあえずこのネックレスのこともそうだけどさ、ブレスレットの行方を、どういう設定にするかも考えなきゃだよね……。


人から見えないように身に付けられるようにはなったのに、
むしろ、やらかした感が強まったようにしか思えなかった。


なんでこうなったんだろう???


◇  ◇  ◇

……ってことがあったから、ブレスレットの話は正直したくないんだよね……。
見とくくらいしときたいとか余計なこと考えてないといいな……。
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