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第25話 久々のベッド
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ルナティアとロジィが少し言葉を交わしているうちにすぐにロジィの家の前に着いた。
「ここです」
ロジィがとある家の前で立ち止まると、ルナティアに言った。
「へぇー、いい家じゃない」
ルナティアの目の前にあったのは木材のみで作られた木造平屋建ての村の隅々で見られた一般的な建物だった。
人間界の一般的な村の家も大体これである。
都会に行けば、レンガ造りの家や2階建ての家もあるが、そういう家は大体が中級階級以上の住居か冒険者協会や役所といったなんらかの施設の場合が多い。
ルナティアは今でこそ勇者なんてやってはいるが、元々はそんなに裕福ではない一般的な村出身の女戦士だった。
王都で実力を認められ勇者となったが、実家の家は目の前のロジィの家と似たりよったりで寧ろ豪華な多層階の石造りの豪華の家よりもこういう質素だが温かみがある家の方が落ち着いたりする。
「えへへ、そうですか?」
お世辞とは思わなかったのかロジィは照れ隠しの笑みを浮かべた。
実際お世辞ではないので、もちろん問題はないが、素直な所がまた可愛いなとルナティアも顔を緩ませるのだった。
「あ、母さんに事情を説明してきますので、少し待っていて下さい」
「お願いするね」
そういうと、ロジィは家の中へと入っていった。
「さてどうなるかしらね」
ロジィは問題ないと言ってくれたが実際問題ルナティアはロジィから見れば赤の他人でしかない。
そんな正体不明の女を家の人が泊めてくれるかは結構微妙な所だ。
だが、そんな心配は無用だったらしく、すぐにロジィは家から出てきた。
「母さんに言ったら大丈夫って言ってくれました」
即答だったようである。
シュトライゼンのおかげなのかエルフに対する信頼感は半端ではないようだ。
ロジィに促されて家の中に入るとそこには獣人の女性が立っていた。
「まぁホント! 綺麗な方!」
ルナティアが家に入るなりロジィの母親は溢れる笑顔でそう言ってきた。
(うへ、これで3回目。ロジィ君なんて説明したのよ)
そう、魔界に入って3回目である。綺麗と言われたのは。
どうやら人間の感覚と魔人の感覚にはズレがあるらしい。
人間界ではカッコいいと言われる事は多々あっても可愛い綺麗などと言われる事はほぼ皆無だった。
どっかの訳の分からないパーティーに出た時くらいだろうか。
どこぞのボンボンの貴族にそんなことを言われた時くらいである。
あぁいう人種は会った女性みんなにそんな事を言っているはずなので、ルナティアの中ではカウントに入れてはいないのだが。
「は、初めまして。えーっと……」
名前が分からずルナティアが言い淀んでいるのを察したのかロジィの母親は笑顔で言った。
「私はロナ。よろしくね、ルーナさん」
「あ、こちらこそよろしくお願いします」
「何日でもゆっくりしていってくださいね。シュトライゼン様には私達村の者はいつもお世話になっていますから」
ここでもシュトライゼンだ。
本当にシュトライゼンはこの村の人たちに愛されているらしい。
ルナティアにはまったく理解はできない話だ。
「ありがとうございます。ですが、先を急ぎますので、半日ほど寝床をお借り出来たら充分です」
ルナティアがそう言うとロナは残念そうな表情で言う。
「それは残念ねぇ。ベッドだけど私の物でもかまわないかしら? おばさんので申し訳ないのだけれど」
「大丈夫ですよ! それにロナさんまだまだお若いですし!」
「まぁお上手! 夕食は期待しといてね! 今日は奮発しちゃうから! ロジィ、ルーナさんをご案内差し上げて!」
ロナは子供がいるとは思えないほど若く見え、実際お世辞ではなかったのだが、機嫌を良くしたロナは満面の笑みで言うとロジィにルナティアを寝室に案内するよう促した。
「それじゃ、ベッドお借りします」
「ゆっくり休んでくださいね。夕食ができたらまたロジィに呼びに行かせますから」
その後、ルナティアはロジィに寝室に案内された。
ロジィはまだまだルナティアと話したい事がありそうな様子で尻尾をフリフリしていたが、ルナティアの事を思ってかすぐに寝室を出て行ったのだった。
ルナティアは1人になったロナの寝室をゆっくりと見渡した。
タンスや机、必要最低限のものだけが揃う質素な部屋である。
当たり前だが、魔王城にあったルナティアの部屋とは比べ物にならないものだった。
そして、ルナティアが座ったベッド以外にもう一つ同じベッドが横に並んでいた。
「ロジィ君のお父さんのかな? 何の説明もなかったけど、いきなり帰ってきたりしないよね?」
流石に客人であるルナティアがいる部屋にいきなりロジィの父親がいきなり部屋に入ってくるという事などあり得ないはずなので、恐らく出稼ぎか何かで毎日家に帰ってこない職業に就いているのかなとルナティアは予想した。
「まぁ考えても仕方ないよね。……眠い。寝よ」
ここまで不眠で逃避行を続けていたルナティアはふとんを被るとすぐに眠りに落ちた。
「ここです」
ロジィがとある家の前で立ち止まると、ルナティアに言った。
「へぇー、いい家じゃない」
ルナティアの目の前にあったのは木材のみで作られた木造平屋建ての村の隅々で見られた一般的な建物だった。
人間界の一般的な村の家も大体これである。
都会に行けば、レンガ造りの家や2階建ての家もあるが、そういう家は大体が中級階級以上の住居か冒険者協会や役所といったなんらかの施設の場合が多い。
ルナティアは今でこそ勇者なんてやってはいるが、元々はそんなに裕福ではない一般的な村出身の女戦士だった。
王都で実力を認められ勇者となったが、実家の家は目の前のロジィの家と似たりよったりで寧ろ豪華な多層階の石造りの豪華の家よりもこういう質素だが温かみがある家の方が落ち着いたりする。
「えへへ、そうですか?」
お世辞とは思わなかったのかロジィは照れ隠しの笑みを浮かべた。
実際お世辞ではないので、もちろん問題はないが、素直な所がまた可愛いなとルナティアも顔を緩ませるのだった。
「あ、母さんに事情を説明してきますので、少し待っていて下さい」
「お願いするね」
そういうと、ロジィは家の中へと入っていった。
「さてどうなるかしらね」
ロジィは問題ないと言ってくれたが実際問題ルナティアはロジィから見れば赤の他人でしかない。
そんな正体不明の女を家の人が泊めてくれるかは結構微妙な所だ。
だが、そんな心配は無用だったらしく、すぐにロジィは家から出てきた。
「母さんに言ったら大丈夫って言ってくれました」
即答だったようである。
シュトライゼンのおかげなのかエルフに対する信頼感は半端ではないようだ。
ロジィに促されて家の中に入るとそこには獣人の女性が立っていた。
「まぁホント! 綺麗な方!」
ルナティアが家に入るなりロジィの母親は溢れる笑顔でそう言ってきた。
(うへ、これで3回目。ロジィ君なんて説明したのよ)
そう、魔界に入って3回目である。綺麗と言われたのは。
どうやら人間の感覚と魔人の感覚にはズレがあるらしい。
人間界ではカッコいいと言われる事は多々あっても可愛い綺麗などと言われる事はほぼ皆無だった。
どっかの訳の分からないパーティーに出た時くらいだろうか。
どこぞのボンボンの貴族にそんなことを言われた時くらいである。
あぁいう人種は会った女性みんなにそんな事を言っているはずなので、ルナティアの中ではカウントに入れてはいないのだが。
「は、初めまして。えーっと……」
名前が分からずルナティアが言い淀んでいるのを察したのかロジィの母親は笑顔で言った。
「私はロナ。よろしくね、ルーナさん」
「あ、こちらこそよろしくお願いします」
「何日でもゆっくりしていってくださいね。シュトライゼン様には私達村の者はいつもお世話になっていますから」
ここでもシュトライゼンだ。
本当にシュトライゼンはこの村の人たちに愛されているらしい。
ルナティアにはまったく理解はできない話だ。
「ありがとうございます。ですが、先を急ぎますので、半日ほど寝床をお借り出来たら充分です」
ルナティアがそう言うとロナは残念そうな表情で言う。
「それは残念ねぇ。ベッドだけど私の物でもかまわないかしら? おばさんので申し訳ないのだけれど」
「大丈夫ですよ! それにロナさんまだまだお若いですし!」
「まぁお上手! 夕食は期待しといてね! 今日は奮発しちゃうから! ロジィ、ルーナさんをご案内差し上げて!」
ロナは子供がいるとは思えないほど若く見え、実際お世辞ではなかったのだが、機嫌を良くしたロナは満面の笑みで言うとロジィにルナティアを寝室に案内するよう促した。
「それじゃ、ベッドお借りします」
「ゆっくり休んでくださいね。夕食ができたらまたロジィに呼びに行かせますから」
その後、ルナティアはロジィに寝室に案内された。
ロジィはまだまだルナティアと話したい事がありそうな様子で尻尾をフリフリしていたが、ルナティアの事を思ってかすぐに寝室を出て行ったのだった。
ルナティアは1人になったロナの寝室をゆっくりと見渡した。
タンスや机、必要最低限のものだけが揃う質素な部屋である。
当たり前だが、魔王城にあったルナティアの部屋とは比べ物にならないものだった。
そして、ルナティアが座ったベッド以外にもう一つ同じベッドが横に並んでいた。
「ロジィ君のお父さんのかな? 何の説明もなかったけど、いきなり帰ってきたりしないよね?」
流石に客人であるルナティアがいる部屋にいきなりロジィの父親がいきなり部屋に入ってくるという事などあり得ないはずなので、恐らく出稼ぎか何かで毎日家に帰ってこない職業に就いているのかなとルナティアは予想した。
「まぁ考えても仕方ないよね。……眠い。寝よ」
ここまで不眠で逃避行を続けていたルナティアはふとんを被るとすぐに眠りに落ちた。
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