浜薔薇の耳掃除

Toki Jijyaku 時 自若

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私はまだおばあちゃんじゃないのよ

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「意外と、傑のところのお客さんは主婦層だからな」
「それには僕も驚いてますよ」
何しろ値段も考えて設定するので、一円も気になる主婦のみなさんには、これはありがたいわという話である。
「でも不思議なもんですよ、だって始まりはお金がない時代の工夫から始まっているんですから」
スタイリストなどになると、お金がいくらあっても足りないのではないかという問題がやってくる。
「そのまま使うと、一万とかすぐに消えてしまいますからね」
故にここまてま来たのは頭を悩ませながら、工夫した、そこ積み重ね。
「あのときは、こういうお仕事をしている人たちが眩しくてしょうがありませんでしたし」
雑誌を見て、ああこれいいなと、欄外の値段見ると、数万という。
「あとはスタイリスト私物とかね」
あれ、おかしいな、安くて簡単なコーディネート特集を見ているはずなのに、自分が目につくものはみんな高いぞ。
「悩みながら、バイトして、それでも浮かそうと思って、実家の仕事を手伝ってましたからね」
そして気付いた。
「ないものを追いかけるよりは、あるものを活かしたほうがいいのではと」
そういうことをやっている人はいなかったし、邪道とか異端とか言われそうだが、迷う暇もなく、先にそこでお客がついた。
「いいね、これ」
そしてそこお客さんは浜薔薇にもやってきてるのだが。
「それいいっすね」
「これ、傑くんにやってもらったらのさ、あれ?知らない?傑くんってこういうの頼むと、とっても上手なんだよ」
そこでじわりじわりと知名度は上がり。
爆発したのは…
「彼女のプレゼントのお願いしたくて、俺こういうの全然わからないんですよね」
プレゼントへのアドバイスである。
最初の頃は仕事というより、その延長であるので、手探りでこんなもんかな?でまとめあげた。
「傑、昨日の夜、あのお客さんがありがとうございました、ありかまとうございましたっていって、日本酒を持ってきたんだが」
その夜三人で日本酒をいただきました。
イツモがじっとこちらを見てますが、あげませんよ、絶対に。
「ああいう彼や彼女のプレゼントはみなさん定価で買いますからね、安いときに買う人はそうそういません」
「そりゃあそうだ、せっかくだから」
「でも長続きするこは、安いときに買っている方ですかね、ほら、長い付き合いになるから、毎回毎回そういう買い物されたらたまらないってことですよ」
たらないってことですよ。
たらないってことですよ。
毎回毎回そういう買い物されたらたまらないってことですよ…
蘆根はショックをうけた。
「でもまあ、見栄ってものもわかってやんなよ」
タモツがフォローした。
「メーカーさんがこれは売り出したい時期っていうときに買うのはあんまり上手くないてますから、そこをはずしてくれるだけでも全然違うのにな」
11月男性のほしいものが発売されることが多い。
そして、12月は女性向け。
「12月の頭になると、自分の持ち物を売って、彼女のへのプレゼント買っちゃったりするんですよね」
浜薔薇でもそういう需要はあるが、値段は通年変わらないお求め易い価格で合わせております。

『ここは浜薔薇の耳掃除です』


「あっ、サンダルの調子どうですか?」
「これいいな」
蘆根の店内用の靴を変えました。
「今は疲れないようなサンダルがあちこちで販売されてますから、その中でもかなり使えるものを選んで、先輩に履いてもらってます」
「疲れないけど、足が張るんだ」
「えっ?」
それは万歩計をつかい調べたところ。
「先輩歩きすぎ」
足が疲れないぜということで楽しくなっちゃって、いつもより+一万歩は歩いていたら…まあ足も疲れるよね。
「そのぐらい歩いても気づかない」
「気づきましょうよ」
車で買い物行く距離を往復してみました。
こういう品物は店の奥に収納してある。
「ここは傑の自由に使っていいから」
ほとんどウォーキングクローゼット状態にはなっているが、ここもリフォームをした際に、何か使うかもとあけたスペースである。
何しろ俺は、一人が住めりゃいい感じだったしな、使いやすいようにやってもらえばいいさ」
「僕としては、保管できる場所があるのはうれしいのですが、たまにこれを越えそうな段ボール入荷があるときに、本当に迷うんですよね」
何を残して、何を他に使うか。
「でもきれいに消えるよな」
「そうなんですよね」
それは最近。
「あなた、それはどこでお買い求めしたの?」
と問われ、そこで浜薔薇ですと答えると、その尋ねたお客さんが浜薔薇にやってくることが起きている。
「そのお客さんたちって、小物とかに、季節の花を合わせているような人なので」
「粋だな」
「粋じゃねえか」
そしてその方は専属の美容師さんはいるのだけども、傑にこの辺の依頼をする。
「午後に行くから、見せてちょうだい、だそうだ」
蘆根が声真似すると、傑がびくっとした。
別にいきなりではない、そういうお客さんができてから、時間をつくって、洗練したものを用意できないか苦心している。
「緊張しているな」
全部クローゼットを見せるのは野暮だ。
深呼吸して…
自分のいいと思う数点を選び、並べることにした。
「じゃあね、この二つ」
全部は全部は選ばれなかった。
「この色はいいけども、私はまだおばあちゃんじゃないのよ」
店内が緊張していく。
品物は安く買えるが、本来の値段を示すタグもついている。
そのお客さんはその本来の値段を払って帰っていった。
「本当ね、あのお客さんは緊張します」
あまりいいものが手に入らなかったりすると、今こられたら、見せるもの何もないぞってことで不安にすらなる。
最近、ブログまたを始めた、前はほぼ義務だったが、蘆根から好きにやっていいよって言われたので、今では自分の好きなものを並べている。
新しいことはどんどん始まっている、それが過去を忘れれることには繋がるだろうが。
(容易くないな)
目の前には様々な可能性が広がっているが、傑の目にはまだそれが見えない。
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