浜薔薇の耳掃除

Toki Jijyaku 時 自若

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KCJにいない自分

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「あ~なんか、変なドリームキャッチャー、あれに引っ掛かりました」
そう管理部門所属の人間が、警備に連絡したので、聞いた警備の人間は血の気が引いたという。
(どこががうちに仕掛けてきた、いやいや)
可能性をいろいろ考えていたが先入観はよろしくはない。
「それでどこか怪我は?」
「ないですね、カレー食べたおかげで」
「?」
「カレー美味しいですよね」
「?」
「ウメくんさ、警備の人困っているから、混乱しているわけとかじゃなくって、ウメくんこんな人なんで、何があったかの聞き取り、警備は同席させるからこっちがやるから」
「あっ、はいよろしくお願いします」
話を聞くと。
「僕は夢の中では管理ではなかったですね」
「じゃあ何?」
「家事手伝ってました」
「君のところの家事手伝って…」
「お給料出ませんね、勉強もさせてもらってないですね、だから管理じゃない僕が、今の年でも家事手伝っててました、コキ使われてましたね」
「そうか…」
「大丈夫です、カレーの力で対抗しましたから」
「えっ、そもそもカレーって何さ」
「あれ?知りません、元気が漲るカレー、冒険者引退するとカレー屋さん始める人多いじゃないですか、そのカレー屋さんがこの間出来て、誰かがテイクアウト頼むとかいうから、それならって僕も頼んで、あっ、そうですね、順番としてはドリームキャッチャーたまたま手にいれる、カレー食べる、悪夢見るコースですね」
「そのドリームキャッチャーがどこで手にいれたのかとか知りたいんだけど」
「あれね、たぶんドリームキャッチャー自体に、漬け込める人を上手いこと見つける機能ありますよ」
「はっ?」
「本当ですって、僕が夢だって気づけたのはカレーの力で、精神力上がってたせいですって、たぶんあのカレー屋さんにも話聞けばいいんじゃないかな、おそらく色んな人を救っているはずでしょ」
「どうして漬け込める人を見つけれると思ったんだい?」
「トラウマかな、あそこに刺さっているんだと思います」
「君にとって、その夢は」
「管理として能力がなければありえたかもしれない未来、いや、現在なんですけども、僕は悪夢に訴えたい現実を見ろ、今、世の中はどんな状態だと」
「自分の悪夢に訴えたい人、始めてみたよ」
「そうですよね、悪夢はそれと気がつかないで見ているんじゃないですか?だから境がおかしくなる、さっきこの質問が始まる前に、軽くどういう仕組みでドリームキャッチャーが悪夢を見せているのか聞きましたけども、本来外側についている羽が、クモの巣に引っ掛かってるから夢が捕まってしまっている、そこから悪夢に転じてるって」
「そうだね、あれではどんな夢も変わってしまうだろうね、そして使われているのは日本式のデザインなんだよね」
日本のクモの巣デザインは夢ではなく、人を捕まえる(待ち人やお客さん)
「この人の部分がウメくんとか、犠牲になった人たちなのかなって、今の話聞いたらおもった」
「えっ?じゃなんです?全員に悪夢を見せるわけではなく、何かそういう素養がある人間が引っ掛かるようにもなってると」
警備は眉間にシワを寄せる。
「そうじゃやいと、人の部分にあたるデザインになんでなってるのか、作った人からすると足がつかない良い客とかもあるんじゃない?ウメくん、私は君がこれを買うとは到底思えないんだよね」
上司的に。
「どうしてです?」
「管理部門の名前の伏せられただよ、ウメくんは、今、こうして名前を出しているけども」
「非常事態ですし、しょうがありませんよ」
「普段の君ならドリームキャッチャーとか買う?」
「買わないですね」
「でしょ?まずそこからおかしいんですよ、悪夢の素養はあるとしても、それを見る接点がね、おかしいんですよ」
「だからその部分にも?」
「何かあると思う」
「僕からもいいですか」
「なんだい?」
「名前伏せの職員は全員カレーを食べて気を付けた方がいいと思う」
「カレー推すね」
「推しますね、美味しいですし」
「いや、そうじゃなくて」
「ええっと僕の推測、あれは名前伏せに向けられた何かとかじゃないです、どっちかっていうと世間へ向けられた何か、ただ名前伏せには特効、カレー食べた方がいい」
「カレーの話は抜きにして話してくれない」
「難しいですが、がんばります」
そして頑張って話の内容を考える。
「名前伏せって波乱万丈なんですよ、それこそこの選択しなかったらどうなっていたかわからないし、究極の選択ってしたことあります?」
「申し訳ないがないよ」
「どっち選んでも、選ばなかった方の後悔は残りますからね、たぶんそれですよ、そこに夢が作用する、僕はカレー、いや、冷静に夢を思い出せますけども、内容的には目覚めた後に普通に、後悔とかするんじゃないかな、僕がそういうことをしなかったせいで、家庭がうまくいかなくなる、そこまで思い詰めてる可能性はあった」
「そこは考えすぎだし、ウメくんの場合は、管理に来て正解だよ」
何言ってるのさという上司の顔。
「そうなんですけども、僕が管理にいる理由って技術じゃないですか、夢の中でその技術全く使えてないんですもん。それこそ中学の時のまま大人になっててとか、家族にいつも悪いねって言われてましよ、そこもん?ですよね」
「KCJにいない自分って想像できる?」
「無理ですね、たぶん僕を拾ってくれるところないですし」
「そんなことは…」
警備は否定しようとするが。
「管理に来る子達は難しい子多いんだよ、KCJに来て、結果を出しているからこそ、他所が欲しがるんだけども、最初からできたとしても、後ろ楯がないと評価されない、だからね、生きるためにスキルがどんどん研ぎ澄まされて行くんだけども」
「周囲と合わなくなるんですよ、話とか、KCJいいですよ、猫いるし」
そこに猫ことケットシーが換気のためにちょっと開けているドアから覗いていた。
「あっ、ベル!」
ケットシーのベルは、こっちを見てはいるが、なかなか入ってこない、視線はウメくんの若干後ろを見てるようだ。
「まさか」
警備が気づいたときには、ベルはウメくんのそばにいる見えない何かに飛びかかっていった。
バサバサ
そこに鳥でもいたかのように羽根が室内に飛び散った。
「え~これは何~」
「ベル、助けてくれたのか」
人間は弱いんだから気を付けろよ。
「これ、鷹の羽根ですか?」
「だね、ずいぶんとこだわりの材料でドリームキャッチャー作ったんだな」
「鷹の羽根って何かあるんですか?」
「あれ、知らない?ドリームキャッチャーにも使うし、日本でも鷹の羽根の印は夢で下賜されたことから始まってるし」
「偶然ですか」
「それはなんとも、ウメくんしばらくベルと一緒にいる時間増やして、ケットシーならなんとかなるのがわかったから」
「わかりました」
「本当さ、作ったやつ後先考えろよな」
そういいながら上司は、衛生班に連絡するとフル装備の衛生班が、散らばった鷹の羽根を回収にやってくるのだった。




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