浜薔薇の耳掃除

Toki Jijyaku 時 自若

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一緒にダンジョンマラソンしてくれ

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「あ~すまんが二人とも話があるんで」
と呼び出された。
「今度の戦闘許可申請試験に応募してきた者がいるんだが」
上司は詳しいデータを見せる。
「どこかに所属してるわけではない、ダンジョンに落ちたことがある人間が受験するんですか?」
こっちの職員は戦闘許可証がない職員。
「その落ちたダンジョンを今では毎朝マラソンしてるってよ、おもしろいな」
笑うのは戦闘許可証持ちの職員。
「さすがに未経験だと試験を受けた際には怪我をするかもしれないから、その見極めを二人に行ってもらいたいんだ」
「具体的には何をするんです?」
「一緒にダンジョンマラソンしてくれ」
「うわ…」
「ダンジョンの危険度も俺らが測るんですね」
「そう、そっちの報告も兼ねてるから…お前さんは嫌か?」
「回復魔法役として呼ばれてるんですよね」
「そうだ」
「回復魔法サプリとかは、受験者飲んでるんですか?」
「その報告もない」
「じゃあ、今から飲んでもらえばいいだろう」
「それならいいですがね、実際に耐えれるかはその時にならないと私でもわかりませんよ」
俗に回復の魔法というのはこちらでもあるのだが、魔法をかけられたあと人体の栄養素、エネルギーの消費が激しくなったりする。
なので回復魔法をかけられるかもしれないとわかってると、サプリを先に飲んで体の負担を減らすのである。
このサプリで有名なのは、KCJの戦闘許可証関連の取り扱いされてる、「回復魔法かけるなら」という名前のものなんだが、けっこう高い。
「中身は必須の栄養素だからな、市販のものでも知識があれば代用できるんだよ」
一般職に受かる人たちはそれを知ってるんだが、戦闘許可証のみを持ってる人たちにはあれは効くと、その値段も込みで有り難がってるようだ。
回復魔法は一度かけると、2ヶ月は様子を見る必要があるとされる。
「体が今まで感じたことがないほど~だるい」
遅い人は二ヶ月後に、回復魔法によって必須栄養素が足りない不調に見回れたりするので、はじめての回復魔法ほどデリケートに取り扱うべきなのである。

『耳掃除は浜薔薇』


「源氏物語?ああ、マッチャーさんのためか」
そういって書籍購入は認められた。
「で組んでてどうかね?」
「マッチャーさんの方が博学なので、これから勉強しなければついていけないでしょうね」
「勉強してくると、向こうもわかると思うよ」
おっ…こいつは面白くなってきた。
「マッチャーさんは、嗜好のせいでサメの中でも少数派だからな」
人霊見学は河川ザメ観光の定番スポットですが、深くのめり込んでいるとなると話は別なのである。
「なんかこう、そのきっかけあるんですか?」
「…」
「えっ?なんかワケありなんですか?」
「とあるサメがいました」
昔話の独り言なので黙って聞こう。
「サンタとお仕事をして、人間の生活を旅行して、楽しくすごしてました、その旅行先でね」
日本でも名前が轟きまくってる人霊と遭遇してしまいます。
「おおっと、そこで数人に絞られたぞ」
「サメはその御方を見たときに思いました。高貴である、推せると、その時犠牲者は出てないが、体調不良を訴えて、今も苦しんでいる人がいるんだけどもね」
「だんだん雲行きが怪しくなってきた」
「一匹だけ何も起こってない、むしろイキイキしているサメがいたので、大丈夫かと聞いたところ、降臨なされた瞬間、死は覚悟した、はずなのだが何故か高貴である、推せる、この出会いに感謝となってしまった、不思議だと。そこまで聞くと、聞いた側が、?このサメは何をいってるんだ?混乱しているのか?ん?何か君持ってるね。サメはサイン、花押をもらったそうなんだ、見せた瞬間周囲がまたうわぁぁぁってなったという話、話を聞いてどうだった?」
「そうですね、その話は組む前に教えていただければ良かったかなって思いますね」
「うん、ごめんね」
上司は可愛くいった。
「そこからマッチャーさんのめり込んでいったんだけども、どこかで躓くと思われていたんだよね、危険であるとか、言動で関係性が作れないとか、そういう中でも今までボランティアで参加してくれていたことが多かったものだから、それはもうダメだろうというね、派も出てきたわけ、これからら空き家調査という市場も伸びると思われるから」
「なるほど本格的な参入はしないけども、ノウハウだけは蓄えておきたいからですか」
「KCは未来を見ていた、KCJもそれに習うべきだと思うし、そうしなければ警備費がね」
(治安悪化で上がってきてるのか)
「特にコンビ解消は考えてませんのでご心配なく」
新規プロジェクト準備予定室という今の部署に戻ると、マッチャーさんが椅子を走らせて遊んでいた。
「マッチャーさん、椅子走らせるの好きなら、KCJの競技椅子大会とか出てみるといいですよ」
「サッ」
そんなんあるの?
「ただあそこは猛者しかいないですから」
椅子を走らせるために人生を費やしてきた人たちが集う大会なのである。
「昔は他のところが主催していたんですが、資金難でKCJが引き受けることになったんですよ」
詳しい資料を見せる。
「サッ」
もしかしてその大会に出たとことあるとか? 
「子供の時にね、学校では負けなしだったんですが、世界は広かったですね」
座り心地よりも走り心地を重視した競技専用椅子、あの感触は懐かしくも苦い思い出しかないのである。
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