浜薔薇の耳掃除

Toki Jijyaku 時 自若

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馴染みのデスゲ

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「ようこそ、そしてお目覚めに…?」
いつもゲームの説明をする現場の責任者は様子がおかしいと気づいたようだ。
「そのお姿は?」
「大人になったってことだよ、外の時間、現実とリンクしてこの姿になっているし、記憶もあるよ」
「これは珍しい」
「出世した、何々世界を救ったもんだからね、その時のご褒美ポイントにこのデスゲの運営側に回ったということだよ」
そういって私は手に押された『上』というスタンプを見せた。
「本当にご出世なされたようで」
「珍しいでしょ?」
「制度としては存在します、ただそれを選ぶということは、私も見たのは初めてです」
「地球上の人間を一度は救いましたっていうことで、ポイントはまだあってね、後でまた来るから、知己と会いたいんで」
「彼ですか?わかりました、ではまた後で」
そういって薄暗い廊下を歩いて。
コンコン
「どうぞ」
中に入る青年はこちらを見て驚いた。
「足音はあなたかと思いましたが、どうしました?」
「外見は今はあなたより年上かな」
「気にするんですか?」
「なんか久しぶりにみたら、お兄さん若かったんだねって思ったわ、そのぐらい時が止まっていたというか」
「??」
「ああ、救世してきたんで、このデスゲの私が参加しているループを終わらせようとして」
「終わらせるって、もう巻き込まれることはないでしょう?」
「二回も巻き込まれたら、人生観を変えるには十分だと思うよ」
時には人の醜い本性を、しかしまたある時はそれでも失われない優しさを。
「特にあなたは私をいつも気にかけてきた、本業忍者だっけ?アサシンだっけ?」
「どっちの訓練も受けてますよ」
「運営とそういう命を奪ったことがある人は記憶が残ったままになるっていうのは、意地が悪いね」
「あなたもわかってると思いますが、これを見て楽しむ人はいるんです、だから大袈裟に時にはやらないと」
「そういう仕事向いてないね」
「そうですかね」
「今、少し見てきたら、参加者はもしかして代わり映えしないのかな」
「そうですね、あなたはいわばデスゲ子役として騙されたので、あれ、おかしいなと二回目以降ははじかれているはずですが、それ以外は一緒ですね」
「目覚めればデスゲが始まり、必死でもがいて、それが無力なところを楽しむか、このデスゲそのものはたぶん無くせないけども、14人は解放させてもらうよ」
「13人では?」
「現場責任者も含めて14人」
「なるほど、しかし解放されても、また戻ってくるものもいるのではありませんか?」
「そこまではわからないよ。わからないし、一度解放されたこともわからないで、デスゲのやり直しが行われるわえだからね」
「次にあなたのような奇特な人が現れる日を待つんですね」
「そういう選択した人は本当にいないって言われた」
「そうですね、あなたと最後に別れて今に至るまでいませんでしたし、それよりも遥かに前からの現場責任者が驚くようならばいないといってもいいのでしょう」
「んでまあ、もし良ければここ出た後、猪とか熊の被害が多いところになるんだけども、一軒家とか生活費渡すんでそこに住む気はないかな?」
「その理想的な物件はなんですか?」
アサシンなので重火器扱えるし、他の人はいないから世間体が気にならない。
「人口がそんだけ少なくなってるんだわ、他の人は解放されたとしてもそれまでに何をやって来たかの関係で、現在の状態から年齢+-起きるんだろうが、ええっと…」
ここである人間の名前を出す。
「今、新しい流派で頭領やってて」
「なんでです?お家騒動でも起きましたか?」
「そう、起きてね、あの後、あの方は若くして隠居してたんだわ、元々揉めてたから、そこでさ、満足してたら良かったんだが、今度は主家の血を絶やそうとして」
「私がいたらぶつかっていたでしょうね」
「年齢的と立場的に鉄砲玉にされてたよ」
「元々、先がないと思っていましたが、自分達の首を締めにいきましたが」
「絶やしたら、よーしあいつらには義理がないからって、そのまま色んなところが押し寄せてくるのにね」
どっちにしろ終わってました。
「生活はどうするかはわからないけども、年齢だけはそのままにしておくから、ただまあ、その手続きだけは先方に渡しておくから、納得したらサインしてくれればいいやんじゃ現場責任者と話してくるわ」
そして思い出した。
「いい忘れたわ、お兄さん、あなたは参加したときなんでこんなことしてくれるんだろうなっていうのがわからなかったんだよね」
家具が倒れてきた時とか、あれなんかこれ…お腹がおかしいなって、このお兄さんが始まる前にタオルを渡してくれたり、体の庇いかたを話していた。
「おかげで苦しまずに、わけのわからないままデスゲが終わることできたんだ、ありがとう」
肝心なお礼を忘れていたんだ。


「休暇は楽しかったですか?」
自分の上役が聞いてくるので。
「馴染みのデスゲに行って、そこでしか会えない知り合いと久しぶりに話せたのは楽しかったですね」
「もしもし、警備と情報の人間を呼んでください」
管理部名伏せの職員はこの聞き取り調査で1日説教されたりしました。
「それは当たり前では?」
山から遊びにきた忍者にその話をすると。
「でもあそこまで怒らなくてもいいと思うよ」
「思ったんですが、痛覚に関しては許容範囲がずいぶんと広いというか」
「デスゲと波乱の人生生きたらそうなったんだよ」
「もっと楽しく生きたらいいんじゃないですか?これお土産です」
名物「川エクレア」
「斬新なお土産だね」
「良かったら今度こっちに遊びに来ません?KCJの戦闘許可証も今度取るんで、それなら私が申請すれば遊びにこれますよ」
「考えておくよ」
しかし、兄さん、友達少ないのかな?
いや、そう思っているのはおそらくあなただけだから。
仲の良いケットシー(オス)がそんなとき現れて。
「おや、今日は抱っこさせてくれないのかな?」
すぐにいなくなった。
遊びにいったら、いい雰囲気作ろうと頑張っている、そんなところに横入りしたら、後が怖いと思っているのだろうか?
そんな空気なので、みんな察している。
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