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るりりんと一緒
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うちの娘が何やらをしているのだが…
「何をしているの?」
「あぁ、お父さん、私の小さい頃の写真を見せようと思ってるんだけども」
いわゆる黒舌さんが黒舌さんとわかる写真ははずしているようだった。
「さすがにびっくりすると思うし」
「それは仕方がないか」
でも一緒に写っているものは大変多いので、本体が本体とわからないもの、やけにリアルなお気に入り、ぐらいのテイストを選んだ後に。
「一応確認してくれるかな?」
「あぁわかった」
組合長は目を通し。
「いいと思うよ」
「良かった、これで彼にも見せれる」
「組合長!」
「あっ、Tさんじゃない、どうしたの?」
Tさんは組合長を見かけるとつい声をかけてしまった。付き合いはそこまで長くないのだが、こう…何か落ち込んでいるような気がして。
「後で組合に顔を出すつもりだったんです」
「そうなんだ…あ~私はいないけども、ゆっくりしていくといいよ」
「これが私の小さいときの写真です!」
「へぇ~そうなんだ」
ペラっ
まず気になったのは。
「このぬいぐるみ、お気に入りなの?」
「…そうですね」
そうなんだ。
でもそういうものって誰にでもあるよね。
ぐらいな気持ちで見てた。
理由は色が瑠璃色だったことと、写真の説明に『るりりんと一緒』と書かれていたからである。
ただ…
ページをめくるたびに彼女は成長していくが、その何かおかしくないか?おもちゃのヘビの大きさが、彼女が成長するに連れて小さくなるならばまだしも、同じか、大きくなっているような。
けども、家族で出かけた写真を何枚か見て、そこで遠近法で遊んで撮影しているものがあったから、あぁ、ここのご家族はそういう写真を撮影するのが好きなのかもしれないし。
「こういうときは、いつものポーズじゃない方がいいですよ」
まだ付き合う前、グループで出かけたときに、彼女はそういって、ちょっと面白いポーズで写真を撮影して、出来上がった写真か忘れられないものになったことを思い出したので。
なるほど、そういうやつか。
それで済ませてしまった。
「黒舌さん、組合よって書類もらってきたよ」
「ありがとうね」
一度黒舌さんの寝床の玄関に声をかけて、書類をおいた後に、自宅に戻る。
着替えをしてから、冷蔵庫を開ける。
中身は真っ暗であった。
「えっ?」
どういうこと?と思うと、冷蔵庫用の雷被害防止のコンセントのスイッチが切れていた、スイッチを入れると冷蔵庫は明るくなりホッとする。
さすがはワケあり物件、油断しているとこういうことを六階のあいつはしてくる。
冷蔵庫が明るくなると、隙間の多い冷蔵庫に可愛い箱がちょこんとしていた。
中を開けると、中身は無事、冷蔵庫のスイッチを切られたのはついさっきのようだ。
箱を開くと、残りは二つ。
黒舌さんからもらったチョコレー糖である。
一つ口の中に入れると、チョコレートの香り、そして砂糖由来の上品な甘さがとけていく。
そうだった。
黒舌さんにおかしなことがあれば報告、この冷蔵庫の話をすると、黒舌さんは寝床からマンションの六階まで向かっていった。
「Tさんはここにいて」
寝床までさすがに悪さはできない、そんなことをしたら、六階のあいつもどうなるかわかっているらしい。
「組合長のツテみんな使って、一気に行くつもりだよ」
もう一気の準備も揃っているらしいが、その後どうするかで揉めているようだ。
「空白地帯をどうするか、商店街としては無難なところに落としたいんだけどもね」
どこかの戦力を使った場合、後腐れがないようにお金を積むか、義理立てするとか、まあ、いろいろとあるらしい。
そのぐらい戦える人たちは命をかけている、誰かのために命をかけることになる、恨みをかうことになる、引き受けることになると、お金換算だととんでもない額になるという。
「ただいま」
黒舌さんが戻ってきた。
「お帰りなさい」
「全く嫌がらせにも嫌になるよ」
嫌がらせすると、オロチみたいなサイズのヘビがインターホンを鳴らしにくる。も十分威圧のある嫌がらせだとは思う。
スッ
黒舌さんが人の姿になった。
「あっ、そういえば組合長何かあったんですか?」
「どうしたんだい?」
「なんかさっき会ったとき落ち込んでいて」
「…」
少し考えたあと。
「まさか」
すぐに確認。
「彼氏がいること、知っちゃったみたいだよ」
「あ~」
とうとうこの日が来てしまいましたか。
「なんかね、昔の写真、ええっと私も写っているものだからね、そういうのをできるだけはずして選んでいるときに、さらっと出ちゃったらしくてですね」
「なるほどだからあんな…けども、本当に黒舌さんはお姉ちゃんなんですね、小さい頃から一緒だなんて」
「そうだね、あっ、私もその写真持っているんだけども、見る?」
「見たい、見たい!」
そういってアルバムを見ると。
『るりりんと一緒』
この言葉が気になった。
「るりりんってなんですか?黒舌さんのことですか?」
「私の登録名が『るりりん』なんだ」
「るりりん・黒舌!」
商店街に住むことになった蛇は、青紫の体と黒い舌を持っていた。
「それで活躍を認められて、正式にここに住んでますよ、無害ですよってことで、その時にお名前登録しまして」
『瑠璃鱗・黒舌』
「あんまりそう呼ばれることはないけどもね。それで人間の姿をしているときは、ここの商店街が桔原(きはら)商店街、桔梗から来てるんだよね。そこから梗原(きょうはら)瑠梨(るり)が私の名前」
「初めて知った」
「商店街の広報さんとしての仕事もしているんだよ、これね、商店街に取材きたときの動画、隅っこの方に私がいる」
「へぇ~、これうちの家族に見せていいですかね」
「いいよ」
なんで?
「最近ちゃんと食べているのか心配されて、このお店のお弁当とか買ってから通勤してたりするし」
「ここのスパイスおにぎりって、美味しいよね」
「具材が白身なのがバランスいいですよね」
そういう話をした後に、家族にこの動画のリンクを送った。
先日の話だ。
バレンタインデーにデートするって話を、ついうっかりというか、家族から心配されたときに、大丈夫だよ!って答えたのだが、その時に、誰か相手いるの?ってカマをかけられたときに、黙ったら。
「本当にいるの?騙されているわけじゃないよね?」
実在していない女性か、裏があるのではないかと、本気で心配された。
そういう事件がニュースにあっただけに、心配に、気になったのだろう。
リンクと一緒に、この撮影を見守っているお嬢さん、商店街の広報をしていると一言つけた。
動画を見たのだろう。
「そういうご縁を逃すと、もう来ないかもしれないから、絶対に大事にすること」
スタンプでokとだけ返事をした。
「Tさん、お腹すいてる?空いているなら、ご飯作るよ」
「手伝いますよ」
スマホをこたつの上において、Tさんは立ち上がった。
「何をしているの?」
「あぁ、お父さん、私の小さい頃の写真を見せようと思ってるんだけども」
いわゆる黒舌さんが黒舌さんとわかる写真ははずしているようだった。
「さすがにびっくりすると思うし」
「それは仕方がないか」
でも一緒に写っているものは大変多いので、本体が本体とわからないもの、やけにリアルなお気に入り、ぐらいのテイストを選んだ後に。
「一応確認してくれるかな?」
「あぁわかった」
組合長は目を通し。
「いいと思うよ」
「良かった、これで彼にも見せれる」
「組合長!」
「あっ、Tさんじゃない、どうしたの?」
Tさんは組合長を見かけるとつい声をかけてしまった。付き合いはそこまで長くないのだが、こう…何か落ち込んでいるような気がして。
「後で組合に顔を出すつもりだったんです」
「そうなんだ…あ~私はいないけども、ゆっくりしていくといいよ」
「これが私の小さいときの写真です!」
「へぇ~そうなんだ」
ペラっ
まず気になったのは。
「このぬいぐるみ、お気に入りなの?」
「…そうですね」
そうなんだ。
でもそういうものって誰にでもあるよね。
ぐらいな気持ちで見てた。
理由は色が瑠璃色だったことと、写真の説明に『るりりんと一緒』と書かれていたからである。
ただ…
ページをめくるたびに彼女は成長していくが、その何かおかしくないか?おもちゃのヘビの大きさが、彼女が成長するに連れて小さくなるならばまだしも、同じか、大きくなっているような。
けども、家族で出かけた写真を何枚か見て、そこで遠近法で遊んで撮影しているものがあったから、あぁ、ここのご家族はそういう写真を撮影するのが好きなのかもしれないし。
「こういうときは、いつものポーズじゃない方がいいですよ」
まだ付き合う前、グループで出かけたときに、彼女はそういって、ちょっと面白いポーズで写真を撮影して、出来上がった写真か忘れられないものになったことを思い出したので。
なるほど、そういうやつか。
それで済ませてしまった。
「黒舌さん、組合よって書類もらってきたよ」
「ありがとうね」
一度黒舌さんの寝床の玄関に声をかけて、書類をおいた後に、自宅に戻る。
着替えをしてから、冷蔵庫を開ける。
中身は真っ暗であった。
「えっ?」
どういうこと?と思うと、冷蔵庫用の雷被害防止のコンセントのスイッチが切れていた、スイッチを入れると冷蔵庫は明るくなりホッとする。
さすがはワケあり物件、油断しているとこういうことを六階のあいつはしてくる。
冷蔵庫が明るくなると、隙間の多い冷蔵庫に可愛い箱がちょこんとしていた。
中を開けると、中身は無事、冷蔵庫のスイッチを切られたのはついさっきのようだ。
箱を開くと、残りは二つ。
黒舌さんからもらったチョコレー糖である。
一つ口の中に入れると、チョコレートの香り、そして砂糖由来の上品な甘さがとけていく。
そうだった。
黒舌さんにおかしなことがあれば報告、この冷蔵庫の話をすると、黒舌さんは寝床からマンションの六階まで向かっていった。
「Tさんはここにいて」
寝床までさすがに悪さはできない、そんなことをしたら、六階のあいつもどうなるかわかっているらしい。
「組合長のツテみんな使って、一気に行くつもりだよ」
もう一気の準備も揃っているらしいが、その後どうするかで揉めているようだ。
「空白地帯をどうするか、商店街としては無難なところに落としたいんだけどもね」
どこかの戦力を使った場合、後腐れがないようにお金を積むか、義理立てするとか、まあ、いろいろとあるらしい。
そのぐらい戦える人たちは命をかけている、誰かのために命をかけることになる、恨みをかうことになる、引き受けることになると、お金換算だととんでもない額になるという。
「ただいま」
黒舌さんが戻ってきた。
「お帰りなさい」
「全く嫌がらせにも嫌になるよ」
嫌がらせすると、オロチみたいなサイズのヘビがインターホンを鳴らしにくる。も十分威圧のある嫌がらせだとは思う。
スッ
黒舌さんが人の姿になった。
「あっ、そういえば組合長何かあったんですか?」
「どうしたんだい?」
「なんかさっき会ったとき落ち込んでいて」
「…」
少し考えたあと。
「まさか」
すぐに確認。
「彼氏がいること、知っちゃったみたいだよ」
「あ~」
とうとうこの日が来てしまいましたか。
「なんかね、昔の写真、ええっと私も写っているものだからね、そういうのをできるだけはずして選んでいるときに、さらっと出ちゃったらしくてですね」
「なるほどだからあんな…けども、本当に黒舌さんはお姉ちゃんなんですね、小さい頃から一緒だなんて」
「そうだね、あっ、私もその写真持っているんだけども、見る?」
「見たい、見たい!」
そういってアルバムを見ると。
『るりりんと一緒』
この言葉が気になった。
「るりりんってなんですか?黒舌さんのことですか?」
「私の登録名が『るりりん』なんだ」
「るりりん・黒舌!」
商店街に住むことになった蛇は、青紫の体と黒い舌を持っていた。
「それで活躍を認められて、正式にここに住んでますよ、無害ですよってことで、その時にお名前登録しまして」
『瑠璃鱗・黒舌』
「あんまりそう呼ばれることはないけどもね。それで人間の姿をしているときは、ここの商店街が桔原(きはら)商店街、桔梗から来てるんだよね。そこから梗原(きょうはら)瑠梨(るり)が私の名前」
「初めて知った」
「商店街の広報さんとしての仕事もしているんだよ、これね、商店街に取材きたときの動画、隅っこの方に私がいる」
「へぇ~、これうちの家族に見せていいですかね」
「いいよ」
なんで?
「最近ちゃんと食べているのか心配されて、このお店のお弁当とか買ってから通勤してたりするし」
「ここのスパイスおにぎりって、美味しいよね」
「具材が白身なのがバランスいいですよね」
そういう話をした後に、家族にこの動画のリンクを送った。
先日の話だ。
バレンタインデーにデートするって話を、ついうっかりというか、家族から心配されたときに、大丈夫だよ!って答えたのだが、その時に、誰か相手いるの?ってカマをかけられたときに、黙ったら。
「本当にいるの?騙されているわけじゃないよね?」
実在していない女性か、裏があるのではないかと、本気で心配された。
そういう事件がニュースにあっただけに、心配に、気になったのだろう。
リンクと一緒に、この撮影を見守っているお嬢さん、商店街の広報をしていると一言つけた。
動画を見たのだろう。
「そういうご縁を逃すと、もう来ないかもしれないから、絶対に大事にすること」
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