ゲームクリアから始まるRPG転生生活〜序盤で死ぬ勇者村のモブに転生したのでとりあえず復活前の魔王の心臓を刺してゲームクリアしてみた〜

taki210

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第二十話

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「さて…せっかくだからもう一つ行っとくか」

赤毛の少女が去った後、俺は背後の巨大樹を振り返った。

この巨大樹の付近で起こるイベントはあれだけではない。

もう一つ、かなり重要なイベントがある。

だが、このイベントを発生させるのはかなり至難の業だ。

初見ではまず気づかない。

俺も自分では気づけず、掲示板を見て初めて気づいたからな。

いわゆる隠し要素的な部類に該当するだろう。

「よっと…」

巨大樹の根元に俺は腰を下ろす。

その隠し要素的イベントを起こす条件は、一定時間、この巨大樹の根元に座り込むことだ。

数分間ではダメだ。

少なくとも半時間以上は座っていなければいけない。

「…」

俺は巨大樹の根元に腰を下ろして、体を休める。

涼しげな風が草原地帯を駆け抜け、青々と生い茂る草を揺らしている様を眺めていると、不意に背後から声が聞こえた。

「こんにちは」

「…!」

振り返る。

透明の、小さな小指サイズほどの人間が俺の頭のすぐ近くを飛んでいた。

どうやらイベントが発生したようだな。

「驚かないで。悪いことはしないから」

「だ、誰だ…!?」

俺はその小さな透明の羽のついた生物の正体を知っているが、あえて驚いて見せる。

空中をとぶ小さな少女は言った。

「私はこの巨大樹を守る妖精。普通の人には見えないの」

「よ、妖精…?」

「そう」

妖精族。

主に古い建物や、樹木などに宿り、滅多に人には姿を見せない。

大きさは大人の指一本分程度と非常に小さく、たまに人間を迷わせたり揶揄ったりと悪戯ずきの性格だ。

「妖精が俺になんのようだ?」

「あなたとお話がしたいと思って。この木の近くにこんなに長い間いる人は滅多にいないから」

妖精は宿った物からあまり離れられない。

ゆえに、自分の宿るものに近づいてくる人間に、興味津々で話しかけたりする妖精も多い。

このイベントは、巨大樹の近くに一定時間いることで発生し、現れた妖精と会話をして、最終的に妖精から役に立つ加護を受け取るという内容なのだ。

「お話…?」

「あなた…王都からきたんでしょう?」

妖精が遠くに見える王都を指差していった。

「そうだが?」

「聞かせて。王都ってどんなところなの?」

「ええと…そうだな…」

人間の営みに興味がある妖精に、俺は優しく丁寧に王都のことを教える。

妖精は非常に繊細な生き物だ。

俺は焦ったり、ましてや怒ったりせず、あれこれ質問してくる妖精に優しく対応した。

十分が経過する頃には、妖精はすっかり期限を良くしてくれた。

「へぇえ…そうなんだぁ…人間の住む街って素敵なところなんだね」

「俺の知ってることはこのぐらいだな」

「ありがとう!!お話しできて本当に楽しかった!」

俺の肩の上に座っていた妖精が、にっこりと笑ってお礼を言ってきた。

「お返しに……妖精の加護をあげるね!!」

俺の体が光に包まれる。

「よ、妖精の加護…?」

「うん。運気が上がるの。いいことあるかもよ?」

「そ、そうか…ありがとう」

「うん、こちらこそ…!またね!!」

妖精の姿がすぅっと消えた。

俺は立ち上がり、巨大樹から離れて王都を目指す。

草原地帯を歩きながら、自分のステータスを確認した。

===================

名前:グレン
職業:村人
年齢:12歳

レベル:999
攻撃:100890
防御:101200
敏捷:100340
魔力:100040

スキル:なし

直近獲得経験値:1000000

加護:<妖精の加護>

アイテム:<生と死の剣><勇者の剣><風の指輪>

次のレベルまでの経験値:0(レベル上限)

===================


「よし…加護が増えているな」

たった今妖精からもらった加護がしっかりとステータスに反映されている。

妖精の加護の効果は、運気上昇。

物語を進めていく上で、運が上昇し、自分に都合のいいことが怒ったりする。

地味だが、しかしかなり役に立つ加護だ。

「…薬草に、体力回復の実、それから妖精の加護、か。冒険者登録も済ませたし、今日の収穫はかなり多いな」

もう時期日暮れだ。

王都に辿り着く頃には、夕刻になっているだろう。

冒険者ギルドに戻って集めた薬草を新鮮なうちに換金して……その後は流石に城に戻ろう。

夜はぐっすり寝て疲れをとって、明日からまたイベント回収の日々だな。

…そういや放置したアレルとアンナは大丈夫だろうか?

勝手に城を抜け出したりしたけど、俺は勇者じゃないし、別に大騒ぎになっていたりとかはしないよな…?
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