オールスペルキャスター、全属性の魔法を使える男〜異世界転生した俺は、圧倒的な魔法の才能で辺境の貧乏貴族から成り上がる〜

taki210

文字の大きさ
54 / 118

第五十四話

しおりを挟む

「ではまず、魔導祭のルールを説明しますわ」

俺とシスティ、ヴィクトリアの三人で魔導祭に出ることになった日の放課後。

俺たちは学院の敷地内にある訓練場へと集まって作戦会議を開いていた。

まずは、ヴィクトリアが魔導祭のルールを俺とシスティに説明する。

「魔導祭は三人一組で挑む魔法戦で、バトルロワイヤル形式で行われるんですわ。出場資格は全学年の全生徒に与えられる。そして下級生だからといってハンデなどはない。つまり、本来は上級生が圧倒的に有利な催しなのですわ」

ヴィクトリア曰く、これまで行われてきた魔導祭のほとんどで上級生の組が優勝しており、まだ魔法戦の実力に乏しい下級生が優勝することなどほとんどないらしい。

「参加者は、帝都の端にある森林地帯にあつめられます。そしてそこで魔法戦を行い、他の組を撃破していく。1番多くの生徒を撃破したチームが勝ちとなりますわ」

「なるほど…」

「む、難しそうだね…混戦とかになると…」

視界が悪い森林地帯でのバトルロワイヤル。

面白そうだが、しかしかなり難しい戦いを強いられることも事実だ。

目の前のチームと戦ってきたら、漁夫の利の如く横槍が入る可能性なども考慮しなければならないからだ。

「とまぁ、ルールはこんなところですかね。あと付け加えるのでしたら……当日は森のいたるところに監視の魔道具が配置されており、戦いの映像が帝都で中継されること。それから森の各地に負傷者治療のための人員が配置されていること。本番に、魔道具や魔剣などのアイテムは持ち込めないこと、など覚えておいて欲しいですわ」

「ありがとう、ヴィクトリア」

簡潔にルールを説明してくれたヴィクトリアに俺は礼を言う。

魔導祭。

少し予想していた催しとは違うようだが……面白そうだ。

バトルロワイヤル形式なら、強い魔法使いと戦える機会も圧倒的に増えるだろうし。

「ルールは大体わかった。後は当日の作戦じゃないか?どうする?正攻法で挑むか?」

ヴィクトリアのおかげで俺もシスティも概要は把握できた。

次は当日にどのようにして戦うのか、作戦を立てる必要があるだろう。

「正攻法…三人で固まって行動するってことだよね…?わ、私たち…アリウスくんの足手まといにならないかな…」

システィが心配そうにそういった。

「実はすでに作戦も考えてありますの」

ヴィクトリアが自信ありげにそういった。

「へぇ、どんなのだ?」

「それはですね…」

ヴィクトリアがちょっと勿体ぶったようにいう。

「簡単に言うと、二手に分かれるのですわ」

「え、二手に…?バラバラで行動するってこと?」

聞き返すシスティにヴィクトリアが頷いた。

「アリウスは一人で、そして私とシスティは二人固まって行動するのですわ」

「え、えっと…それはどうして…?」

「はっきり申し上げて、私たち二人はアリウスにとって足枷でしかありませんわ。それなら別々に行動した方がいいと思うのですわ」

「いや…足枷とかでは…」

「同情なんていらないですわ。私は事実を言っているだけですの」

ヴィクトリアの言葉を否定しようとしたが、ピシャリと言い返されてしまう。

「た、確かに…そうかもね…」

システィがどこか遠い目をしながらヴィクトリアに同意する。

「アリウスははっきり言って私たちとは格が違う魔法使いですわ。上級生を数人同時に相手取っても簡単に勝ててしまうと思いますの。だから、アリウスには一人で行動してなるべく多くの生徒を仕留めてほしいのですわ」

「…」

俺はヴィクトリアの作戦を否定しようとしたが、しかし材料が見つからない。

確かにヴィクトリアの言い分は理にかなっていた。 
「その方が明らかに効率的ですわ。私たち三人で行動すると、アリウスは私とシスティを守らなくては行けなくなりますわ」

「確かに…そうだよね…私たちが近くにいると全力を出せないよね…あのダンジョンの時みたいな…」

システィが小声でボソッと何かを言った。

声が小さすぎて聞き取れない。

「制限時間内、私とシスティは二人で行動してとにかく撹乱と逃げに徹するのですわ。直接戦闘はなるべく避けて生き残る。生徒の討伐はアリウスに任せる。これが私が考えた作戦ですわ。何か異論は?」

「「…」」

俺からも、そしてシスティからも特に反論はなかった。

ヴィクトリアの作戦というのは、確かに優勝を第一目標としておいたときに最も合理的なものに思えたからだ。

「異論がないようでしたら、本番はこれで行きたいのですけれど…」

「わ、私は賛成…!問題は…」

二人がこちらを見る。

「アリウス。あなたの意見を聞かせてほしいですわ。この作戦はあなた一人に極端な負担をかけてしまうもの、嫌なら今からでも別の作戦を考えますわ」

「いや、大丈夫だ。この作戦で行こう」

俺ははっきりとそう言った。

「俺にとってこの作戦はわかりやすい。とにかく俺は、できる限りの生徒を撃破すればいいんだよな?」

「ええ、そうですわ」

「お、お願いね…アリウスくん!」

期待の眼差しを向けてくる二人に、俺は胸を張る。
「任せろ。魔導祭。必ず三人で生き残って優勝しよう」



~あとがき~

新作のラブコメ連載始めました!!!

タイトルは、

『デブで陰キャな俺が彼女を寝取られたことをきっかけにダイエットして自分磨きした結果→学校一のモテ男になったんだが』

です。

そちらの方も是非よろしくお願いします。










しおりを挟む
感想 72

あなたにおすすめの小説

スーパーの店長・結城偉介 〜異世界でスーパーの売れ残りを在庫処分〜

かの
ファンタジー
 世界一周旅行を夢見てコツコツ貯金してきたスーパーの店長、結城偉介32歳。  スーパーのバックヤードで、うたた寝をしていた偉介は、何故か異世界に転移してしまう。  偉介が転移したのは、スーパーでバイトするハル君こと、青柳ハル26歳が書いたファンタジー小説の世界の中。  スーパーの過剰商品(売れ残り)を捌きながら、微妙にズレた世界線で、偉介の異世界一周旅行が始まる!  冒険者じゃない! 勇者じゃない! 俺は商人だーーー! だからハル君、お願い! 俺を戦わせないでください!

俺しか使えない『アイテムボックス』がバグってる

十本スイ
ファンタジー
俗にいう神様転生とやらを経験することになった主人公――札月沖長。ただしよくあるような最強でチートな能力をもらい、異世界ではしゃぐつもりなど到底なかった沖長は、丈夫な身体と便利なアイテムボックスだけを望んだ。しかしこの二つ、神がどういう解釈をしていたのか、特にアイテムボックスについてはバグっているのではと思うほどの能力を有していた。これはこれで便利に使えばいいかと思っていたが、どうも自分だけが転生者ではなく、一緒に同世界へ転生した者たちがいるようで……。しかもそいつらは自分が主人公で、沖長をイレギュラーだの踏み台だなどと言ってくる。これは異世界ではなく現代ファンタジーの世界に転生することになった男が、その世界の真実を知りながらもマイペースに生きる物語である。

40歳のおじさん 旅行に行ったら異世界でした どうやら私はスキル習得が早いようです

カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
部長に傷つけられ続けた私 とうとうキレてしまいました なんで旅行ということで大型連休を取ったのですが 飛行機に乗って寝て起きたら異世界でした…… スキルが簡単に得られるようなので頑張っていきます

学校ごと異世界に召喚された俺、拾ったスキルが強すぎたので無双します

名無し
ファンタジー
 毎日のようにいじめを受けていた主人公の如月優斗は、ある日自分の学校が異世界へ転移したことを知る。召喚主によれば、生徒たちの中から救世主を探しているそうで、スマホを通してスキルをタダで配るのだという。それがきっかけで神スキルを得た如月は、あっという間に最強の男へと進化していく。

クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?

青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。 最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。 普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた? しかも弱いからと森に捨てられた。 いやちょっとまてよ? 皆さん勘違いしてません? これはあいの不思議な日常を書いた物語である。 本編完結しました! 相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです! 1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…

凡人がおまけ召喚されてしまった件

根鳥 泰造
ファンタジー
 勇者召喚に巻き込まれて、異世界にきてしまった祐介。最初は勇者の様に大切に扱われていたが、ごく普通の才能しかないので、冷遇されるようになり、ついには王宮から追い出される。  仕方なく冒険者登録することにしたが、この世界では希少なヒーラー適正を持っていた。一年掛けて治癒魔法を習得し、治癒剣士となると、引く手あまたに。しかも、彼は『強欲』という大罪スキルを持っていて、倒した敵のスキルを自分のものにできるのだ。  それらのお蔭で、才能は凡人でも、数多のスキルで能力を補い、熟練度は飛びぬけ、高難度クエストも熟せる有名冒険者となる。そして、裏では気配消去や不可視化スキルを活かして、暗殺という裏の仕事も始めた。  異世界に来て八年後、その暗殺依頼で、召喚勇者の暗殺を受けたのだが、それは祐介を捕まえるための罠だった。祐介が暗殺者になっていると知った勇者が、改心させよう企てたもので、その後は勇者一行に加わり、魔王討伐の旅に同行することに。  最初は脅され渋々同行していた祐介も、勇者や仲間の思いをしり、どんどん勇者が好きになり、勇者から告白までされる。  だが、魔王を討伐を成し遂げるも、魔王戦で勇者は祐介を庇い、障害者になる。  祐介は、勇者の嘘で、病院を作り、医師の道を歩みだすのだった。

ブラック企業で心身ボロボロの社畜だった俺が少年の姿で異世界に転生!? ~鑑定スキルと無限収納を駆使して錬金術師として第二の人生を謳歌します~

楠富 つかさ
ファンタジー
 ブラック企業で働いていた小坂直人は、ある日、仕事中の過労で意識を失い、気がつくと異世界の森の中で少年の姿になっていた。しかも、【錬金術】という強力なスキルを持っており、物質を分解・合成・強化できる能力を手にしていた。  そんなナオが出会ったのは、森で冒険者として活動する巨乳の美少女・エルフィーナ(エル)。彼女は魔物討伐の依頼をこなしていたが、強敵との戦闘で深手を負ってしまう。 「やばい……これ、動けない……」  怪我人のエルを目の当たりにしたナオは、錬金術で作成していたポーションを与え彼女を助ける。 「す、すごい……ナオのおかげで助かった……!」  異世界で自由気ままに錬金術を駆使するナオと、彼に惚れた美少女冒険者エルとのスローライフ&冒険ファンタジーが今、始まる!

初期スキルが便利すぎて異世界生活が楽しすぎる!

霜月雹花
ファンタジー
 神の悪戯により死んでしまった主人公は、別の神の手により3つの便利なスキルを貰い異世界に転生する事になった。転生し、普通の人生を歩む筈が、又しても神の悪戯によってトラブルが起こり目が覚めると異世界で10歳の〝家無し名無し〟の状態になっていた。転生を勧めてくれた神からの手紙に代償として、希少な力を受け取った。  神によって人生を狂わされた主人公は、異世界で便利なスキルを使って生きて行くそんな物語。 書籍8巻11月24日発売します。 漫画版2巻まで発売中。

処理中です...