オールスペルキャスター、全属性の魔法を使える男〜異世界転生した俺は、圧倒的な魔法の才能で辺境の貧乏貴族から成り上がる〜

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第八十九話

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それから五年の歳月が流れた。

「これより帝国魔術学院卒業筆記試験を開始する。よーい……始め!!」

「「「「……!」」」」

試験官の合図で、生徒たちは一斉に筆記具を手にして試験を開始する。

講堂にずらりと並べられた机には、ぎっしりと魔術学院の生徒たちが座っている。

今日は彼らの魔術学院生活の中で最も大事な日と言ってもいいだろう…卒業試験当日日。

帝国魔術学院は、入学よりも卒業の方が難しいというのは帝都に住んでいるものならば誰でも知っている常識だ。

卒業試験は筆記試験と実技試験の二段階に分かれており、まずは筆記試験が実施される。

筆記視点で一定点以上を取って合格しなければ実技試験に進むことができず、その時点で不合格となる。

不合格となった生徒は、帝国魔術学院を卒業することはできず、留年ということになる。

「…(皆かなり気合入っているな)」

かくいう俺、アリウス・エラトールも、今日卒業試験に挑んでいる生徒の一人だ。

帝国魔術学院での仲間たちとの学生生活はとても楽しく、五年という歳月があっという間に過ぎてしまった。

俺はチラリと周りの様子を伺うと、生徒たちは皆必死の表情で問題に臨んでいる。

「…(さて…俺もやりますか)」

ここ数ヶ月の間、俺はシスティやヴィクトリアと共に卒業試験対策に明け暮れていた。

ゆえに準備は万端で、どのような問題が出てきても対応できるように仕上げてある。

「…(よし、これなら…)」

ペラりと問題をめくると、目に入ったのはどれも解いたことのある問題ばかり。

俺が落ちるとしたら筆記試験なので、ここさえ乗り切れば卒業は堅いだろう。

これなら高い金を払ってもう一度下級性と二度目の授業を受ける羽目にならずに済みそうだ。

俺は自信を持って卒業筆記試験に挑んでいく…



「どうでしたか?」

「どうだった?アリウスくん」

五時間にも渡った筆記試験が終了した。

生徒たちが続々と講堂を出ていく中、俺の元にやってきたのはシスティとヴィクトリアだ。

この二人とは相変わらず友人関係が続いている。

思えば二人とも出会った時よりもかなり成長した。

二人ともより大人っぽくなったような気がする。

出会った当初はとても異性として見られるような年齢じゃなかったが、あれから五年が経過し、最近若干ではあるが二人のことを異性として意識してしまいそうになり、大変な日々が続いている。

「アリウス?」

「アリウスくん…?」

二人のよく育った胸に視線が吸い寄せられ、俺は慌てて首を振る。

いかんいかん。

俺はエレナ一筋。

目移りしてはいけない。

「す、すまん…何だって?」

「試験ですわよ。どうでしたの?」

「ちゃんと出来た…?アリウスくん。この中で1番筆記に弱いから」

「あぁ、試験のことか。そりゃそうだよな。うん…二人のおかげで、かなり自信あるぞ」

感触は抜群だった。

この分だと俺は実技テストに進むことができるだろう。

「そうですの。それは良かったですわ。みっちり教えた甲斐がありましたわね」

「そっかぁ。安心した」

二人は俺が筆記試験でやらかすのがよほど心配だったのか、ほっと胸を撫で下ろしてる。

「そういう二人はどうだったんだ?」

俺より筆記が得意な二人とは言え、やらかしている可能性も否めない。

念のためと思って俺が尋ねると。

「もちろん出来ましたわよ。おそらく満点でしょう
ね」

「全部解けた、かな?2周したし、間違ったとしても一門くらいだと思う」

「お、おう…そうか…」

聞いた俺が悪かったよ。

「ともあれ、これで三人とも実技試験に進めそうですわね」

「そ、そうだね…今から緊張する…」

「気が早いなぁ、二人とも。まぁ俺はともかく筆記試験さえ突破できていればいい」

「ここから大変なのは私たちですわよ、システィ。実技試験、頑張りませんと」

「そ、そうだね…試験官は…帝国魔道士団の魔法使いなんだよね?」

緊張した面持ちで来る実技試験に思いを馳せている二人。

「まぁ、大丈夫だろ」

筆記試験を二人に指導してもらう代わりに、実技の方に関してはここ半年間で俺がみっちりと二人を鍛え上げた。

またこれまでも学生生活を送る中で、定期的に二人に対人戦の指導をしてきた。

おかげで二人は、俺の師匠のエレナとまではいかないものの、他の同級生たちを寄せ付けないほどの実力は備わっているはずだ。

実技試験もおそらく簡単に突破することだろう。

「自分が余裕あるからと言って、随分と適当なのですね、アリウス」

「アリウスくんはずるいよ…私たちの気も知らないで」

「いやいや、俺は二人なら確実に受かると思ってるぜ?心配なら今日も指導するが?」

そういうと二人は顔を見合わせた後。

「お願いしますわ」

「し、心配になってきたから…今日もお願い。アリウスくん」

そんなふうに訓練を申し出てきた。

「了解。それじゃあ行くか」

俺は苦笑し、心配性な二人と共に訓練場へと向かったのだった。



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