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出会い13
しおりを挟むあの丸焦げちゃんがどこに行ったのかは謎のままであるが、なくなってしまったのはしょうがないし勝手になくなったのであれば証拠の隠滅も必要なくなってくる。
何より、あの不味そうな真っ黒い物体を食べなくて済んだことに安堵しながら、椅子に座り直す。
「いただきまーす。ん~!!!やっぱりティアはお料理上手だね!」
「ふふふ。ハナが美味しそうに食べてくれて嬉しいな~」
「ティアはまだ小さいのに、こんなにお料理上手なんて将来が楽しみだね!私も早く上手に作れるようになりたいな。」
「んー。あ!これも食べてみて」
「これ?ありがとう」
そう言ってオイルのようなものがかかったサラダをすすめてくれたので、ティアの複雑そうな顔が気になったもののフォークで一口食べてみる。
「うわ!なにこれ!すっっっごく美味しい」
「でしょー。僕もこのサラダ大好きなんだ~」
「そうなんだ。じゃあティアも、はい。あーん」
あ、あれ?また固まってしまった。
またやってしまった?
子どもには「あーん」するものだと思っていたから、ついやってしまったがそもそもティアはもう「あーん」は必要な歳ではないのだ。
また失敗した。
ティアを何歳児だと思っているんだ。反省反省。
またここは何事もなかったかのように手をひっこめるのが最善だろう。
そう思い、引っ込めようとするとガシッと手首を掴まれた。
え?何??力めっちゃ強くない?
そう思っていると、ティアは私が刺していた野菜を口には運んだ。
そして、花が咲いたような笑顔で笑いながら、
「ハナが食べさせてくれたから今まで食べたことないくらい美味しい」
「そ、そう?味は変わらないと思うけど、そんなことで美味しくなるならいつでもやるよー」
「へへへ。やったー!!じゃあ僕も。はいハナ、あーん」
「ふふ、ありがとう。ん。お美味しいね」
「よかった~。こんなに楽しい食事初めてで嬉しいな~」
「楽しいね」
そう笑い合いながら朝食を食べていく。
ティアが何気なく言った言葉が心に重くのしかかる。
きっと物心ついた頃からずっと1人で食べていたのだろう。
そう考えると無性にティアを甘やかしたくなってくる。
あーんが気に入ったというのであればティアが望むときにいつでもしてあげよう。
寝るときに手を繋がなければ眠れないのであればいつでも手を繋いであげよう。
せっかくこの世界でティアに会う事ができたんだ。
全てを捧げる気持ちで育てていこう。
そう心に決める。
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