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恋愛事情に問題アリ?⑩
恋愛事情に問題アリ?⑩
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だがっ!
その初彼はめちゃくちゃモテる!
つーことに今さらながら気づく羽目となった。
なんせ、この彼、安藤くんは
学年の中でもTOPクラス級のモテ男くん。
まぁ。外見見れば、納得もするんだが、
不良っぽいイメージも好感度の1つでもあり、
なにより、
性格が明るい。
絶えず、輪の中心にいやがる。
なんつーか?オーラがあるらしいのだ。
そんなんには全くもって縁がない私としては羨ましい限りで・・。
「はぁ・・っ」
溜息しか出やしない。
「舞、どうした?」
皆としゃべってる最中でも
こうやって
私が起こす小さなこと(溜息)に敏感に察知する。
あるイミ、すごい技である。
私だったら、他の人のことを考えてる余裕なんてない。
だが、
そうやって心配してくれる度に、向けられるギャラリーからの視線は鋭くて
お願いだから、私のコトはなるべくほっといてくれと思う。
「舞?」
「あ・・ううん別になんにもないよ、いいから皆としゃべってて。。あはは」
乾いた笑い声と共に後ずさりしてその場から離れようとした。
≪ガシッ≫
どうやら、そんなに甘くはなかったみたいだ。
一歩下がるのと同時に安藤くんの両腕ががっつり肩に乗っかって、それ以上動けなくされてしまう。
その図が
さらにギャラリーを刺激するってーのが、どうも彼にはわかってないらしい。
はぁ・・
頼むからやめてくれ。
私に触れるんじゃなく、そこに居る女の子たちに触れてやってくれ~~~
そんな心の叫びが届くハズもなく
「放課後、舞んちに行きたいんだけど?」
などと、わけのわかんない事を言いだす安藤くん。
「は?」
「舞んちに行きたい。」
めっちゃ、悩殺スマイルでそう言ってこられた。
「-/////っ、だ、ダメ無理!」
「なんで?」
おわ!一気に不のオーラに切り替わりましたがっ?
「っ、な、なんでって・・っ」 ま、負けちゃダメだよ!自分!!
「凪に聞いてみないと・・」
「は?」
「っ//」うわ、片眉上げて睨んでるしっっ!
「いちいち親父の許可ねぇと彼氏も呼べねぇーの?」
「ぅ・・っ//」
その言い方があまりにキツくて、体が強張っていく。
有紀ちゃんの言う通り、
安藤くんてほんとに短気なんだ!
睨んでるし・・っ、めっちゃ怖い。
「あ・・ああ・・悪ィ。」
「え?」
肩にあった両腕の片方だけがいつの間にか頭の上に置かれてる
そして、ナデナデしている。
「え・・と?」
「怒ってるワケじゃねーぞ?、ただ・・、言葉が汚ねぇんだろうな・・俺
それで、嫌な思いさせちまったらごめん。マジで謝るから、・・その・・
出来れば・・でいいんだが、そういうの・・理解してもらえると嬉しいんだけど・・」
さっきまで、皆としゃべってるときのような流暢な言葉とは違って
今、出てくる言葉はしどろもどろで・・
なんだか、安藤くんらしくなくて・・
なんだか
不思議なキモチになった
逆にどうしていいかわかんなくなってしまった。
「それに、家に上げてくれって言ってんじゃねぇんだ。、ただ、
舞を家まで送りてぇだけ。」
「え?」
「それもダメか?」
とてもせつない顔を向けられ言われた。
・・―////
んー・・と。
そ、それだったら、別に凪に聞く必要ない・・よね?
「い・・いいよ?」
「わ!マジで?♪」
「え、あ、う、うん//」
「よっしゃ~~~っ♪おおいお前ら、今日は俺、舞と帰るからな~よろしく~♪」
安藤くんは、ガッツポーズの後、いつも一緒に居るグループの子たちに向かって
大声でそう報告した。
そのまま浮かれた足取りで教室を飛び出して行ってしまった。
たかが、私と帰るだけのコトが・・そ、そんなに喜ぶ事なのかな?
いまいち、安藤くんの行動がわかんない。
こーゆう時は
我が救世主!
「有紀ちゃ・・」
ってアレ?居ない・・
んん?どこ行ったんだろ??
そんな間に予冷が鳴り響き、今日最後の授業開始となってしまった。
先生が来る直前に有紀ちゃんが慌てて教室に戻ってきて、
先生が来た直後に、安藤くんが教室に戻ってきた。
とーぜん、怒られてた。安藤くん。
ま、あんまり気にしてないみたいだったケド。
それよりも、有紀ちゃんは一体どこに行ってたんだろ・・
トイレだったら誘いにくるハズだし・・
授業終わったら聞いてみよーっと。
そして授業も終わり、鞄の中に教科書を詰めてると、
もう既に目の前には安藤くんが前の席の椅子に反対側を向いて座ってる。
つまり、私を向いて座ってる。
満面の笑みを浮かべてだ。
「あ、安藤くん、ちょっと有紀ちゃんに話があるから、先に玄関に行っててもらってもいい・・かなぁ?」
恐る恐る伺いを立ててみる。
「あ?榎本なら、もういねぇぞ?」
「へ?」
慌てて、有紀ちゃんの席を見ると、
安藤くんが言ったとおり、そこには有紀ちゃんの姿は無く、
鞄も見当たらなかった。
「え・・?い、いつ帰ったの?てか。スル―?」
「舞が俺と帰るってーの知ってっからじゃね?」
「あ・・」
う・・ん?それにしたっておかしい。
安藤くんが居ようが・・今までだったら構わず入ってきてた。
「なんでいきなり・・」
「あいつも彼氏と約束あんだろ?」」
「・・ぁ」 そっか。
それなら・・わかる。
「有紀ちゃんの優先順位は彼氏さんだもんね///。」
「舞は?」
「え?」
「優先順位、俺じゃねぇの?」
「っえ・・と。」
その質問・・困る。
だって・・
私の優先順位は昔から変わらない。
凪だもん。
でも、ソレ、言っちゃうのはダメなんだよね?
言えば、この彼カノのフリがイミのないものになっちゃうんだもんね。
「・・・」
なんて言えば・・いいんだろ。
しばし沈黙。
すると
≪ガタンッ≫
安藤くんがいきなり椅子から立ち上がった
「ぅ・・」
やばっ、怒ったのかなっ?
「帰ろうぜ♪」
意外にも、笑顔でそう言われた。
大きな手の平が鞄を掴み、もう片方の手の平を私の目の前に差し出してくる。
「?」
「手♪」
「?」
「繋ご♪」
「・・・へ?!」
「ほら早く」
せかされるように開かれた手の平を掴まないわけにはいかなくて。
「う・・ん」
軽く、乗っけた。
が!瞬間、思いっきり握られ、ついでに引っ張られた。
その反動で安藤くんの胸元に飛び込む形となって
思いっきり鼻をぶつけてしまった
「痛ったぁ・・」
「どんくせぇな♪」
「な///なによ、いきなり引っ張るからでしょ!」
「ははっ♪、鼻、赤くなってっし♪」
「え?ほんとに//?」
「ん。」
「っ//」
また、あの笑顔するっ///
しかも、こんな近距離で////
≪ゾクッ≫
い、今・・っ
めっちゃ鋭い視線を感じた!
こ、これは・・なんだ??
チラッと横目で見ると、
私たちの姿を、すんごい眼差しで見てる数人の女子たち。
腕をしっかり胸元で組み仁王立ちしてるっ!
私の危険を察知するライトがパカパカと頭の中で回りだした。
「あ、あの、は、離れて」
「は?」
「ち、近い///みんな見てる///」
「はあ?」
「えっと、だからっ//」 あ~~~もうなんでわかってくれないのっ??
「俺らなに?」
「え?」
「付き合ってんだろが。」
「あ・・や・・まぁ。」 そーなんですケドね///でもね///
「じゃ、離れることなんてねーじゃん。」
「・・まぁ・・そうなんだけど・・っ、」
怖い、こうしてるうちにも彼女たちの視線で私の体が溶けて無くなってしまいそうだ。
「だけど?なに?」
も~~~~///誰のせいでこんな光線(視線だろ)浴びてると思ってんの!
こんの鈍感モテ男!
「ば、場所!」
「あ?」
「場所を考えてほしいみたいな?」
「?!」
頼む!わかってくれ!
もう限界なのだよ。
「・・は。あ、そういうことか。」
く~~~~////やっとわかってくれたのかい!
「んじゃ、とりあえずガッコからは脱出な♪」
笑顔でそう言うと、繋がれてた手をひっぱってズンズン歩き出す。
そのスピードは速く、私は半ば引きずられるようにして教室を出た。
玄関で靴を履き替え、校門を出るまでその速度は続き、
出た途端、
止まった。
「?、安藤くん?」
「どこ?」
「え?」 またなにワケのわかんないことを・・
あ、そっか、私の家の方角かっ!
「えっと、とりあえずこっち。」
「ん。」
指を指すと、その方向へ向きを変え、今度はゆっくり歩き始めた。
でも、手は繋がれたままだ。
しかもいつの間にか!恋人繋ぎである。
うわ~~~ん凪~~~~ごめ~~~~ん
つか!
コレ!凪としたかったよ~~~~っ
ううっと項垂れながら歩く私とは対照的にルンルン♪と陽気に歩く安藤くん。
何を話すワケでもない。
別にしゃべるのが嫌なワケじゃない。
歩いている最中、ほとんど絶えることなく、
安藤くんの知り合いに出会うからだ。。
その度に、一言二言、言葉を交わしてるから、私としゃべってるヒマなど無かったてワケ。
気づけば、家に着いてた。
「ここ。」
「え?」
「ここ、ウチだから。」
「・・ウチって、ここでいいのか?」
「?・・はぁ・・いいです。」
「さっきは上がるのも拒否られたのに。」
「え?」
「まさか、舞んちでいいなんて♪」
「んんん???」
「じゃ、おじゃましま~す♪」
「えっ?えっ?///あ、あのっ?」
「舞、鍵。」
「あ、はい。」
ふつーに言われてふつーにポッケから鍵を出してしまった私。
その鍵を受け取った安藤くんは
まるで自分ちのごとく、いとも簡単に鍵を使い、玄関の扉を開けた。
「入んねーの?」
首を傾げそんな可愛い顔で聞いてくる。
「―///!」
ていうか?この進行状況は一体なんなんだ?
たしか、ウチまで送るだけって言ってたよね?なのに
なんで、いきなり家に上がるというところに設定が変わってしまったのだ?
靴を片方脱ぎだしてる安藤くんの制服を後ろから軽く引っ張った。
「なに?」
いえいえ。それはこっちのセリフですよ。
「早くしねーと、親父さん帰ってくんじゃね?」
いえいえ。それ以前の問題ですから。
「まさか、今さら、ダメだなんて言うんじゃねぇだろな?」
ひっ!
なんだ?いきなりまたあの魔王が降臨なされたぞ???
≪グイッ≫
「ひゃぁ//」
引っ張ってた手を逆に引っ張られ、またまた私の体は安藤くんの胸の中に
ダイブした。
んでもってまた鼻をぶつけてしまう
「痛たたっ///」
って・・え?
今度はなんだかさっきと違う。
息が苦し・・っ
視界が狭いっ。
・・っ////、あ、れ?
これってもしかして
私。
抱きしめられちゃってます??
~~~~~~////////
「あ、安藤くんっ////」
「ん?」
「な、っ、なにしてるんですか??」
「ん、舞を抱きしめてる。」
いや、それはわかってますって。
「そーじゃなくて///なんで、こ、こんなことするの?」
「は?」
「ていうか、なんで家ん中(玄関だけど)に居るの?」
「あ?舞がそう言ったんだろが。」
「えええっ???い、いつ??」
「は?教室で言ったろ、場所考えろっつって!」
「え・・?」
「で、校門でたとこでもう一回確認したハズだけど?」
「へ?」
「どこがいいんだ?って」
「・・・え・・と。」
「そしたら、こっちつって、着いた先は家だったろ、」
「・・・ぁあ・・」
「マジ驚いたな。」
それは驚きますね。
「まさか、舞んちとはね」
私も驚きですよ。
「やっぱ、家の方が落ちつくんか?」
見事なまでにご都合のいい解釈に。
でもですね?
「違いますから~~~~~~~~~~っっ!!!!」
「わ!」
私の叫び声に一瞬、たじろいだ安藤くん。
でもその位置からは解放してくんない。
ガチャッ
「んだ?舞、んなでけぇ声出し・・」
「え。」
「あ。」
ま・
さ・
か・
の、
玄関に
凪、
登場~~~~~~?!!!
その初彼はめちゃくちゃモテる!
つーことに今さらながら気づく羽目となった。
なんせ、この彼、安藤くんは
学年の中でもTOPクラス級のモテ男くん。
まぁ。外見見れば、納得もするんだが、
不良っぽいイメージも好感度の1つでもあり、
なにより、
性格が明るい。
絶えず、輪の中心にいやがる。
なんつーか?オーラがあるらしいのだ。
そんなんには全くもって縁がない私としては羨ましい限りで・・。
「はぁ・・っ」
溜息しか出やしない。
「舞、どうした?」
皆としゃべってる最中でも
こうやって
私が起こす小さなこと(溜息)に敏感に察知する。
あるイミ、すごい技である。
私だったら、他の人のことを考えてる余裕なんてない。
だが、
そうやって心配してくれる度に、向けられるギャラリーからの視線は鋭くて
お願いだから、私のコトはなるべくほっといてくれと思う。
「舞?」
「あ・・ううん別になんにもないよ、いいから皆としゃべってて。。あはは」
乾いた笑い声と共に後ずさりしてその場から離れようとした。
≪ガシッ≫
どうやら、そんなに甘くはなかったみたいだ。
一歩下がるのと同時に安藤くんの両腕ががっつり肩に乗っかって、それ以上動けなくされてしまう。
その図が
さらにギャラリーを刺激するってーのが、どうも彼にはわかってないらしい。
はぁ・・
頼むからやめてくれ。
私に触れるんじゃなく、そこに居る女の子たちに触れてやってくれ~~~
そんな心の叫びが届くハズもなく
「放課後、舞んちに行きたいんだけど?」
などと、わけのわかんない事を言いだす安藤くん。
「は?」
「舞んちに行きたい。」
めっちゃ、悩殺スマイルでそう言ってこられた。
「-/////っ、だ、ダメ無理!」
「なんで?」
おわ!一気に不のオーラに切り替わりましたがっ?
「っ、な、なんでって・・っ」 ま、負けちゃダメだよ!自分!!
「凪に聞いてみないと・・」
「は?」
「っ//」うわ、片眉上げて睨んでるしっっ!
「いちいち親父の許可ねぇと彼氏も呼べねぇーの?」
「ぅ・・っ//」
その言い方があまりにキツくて、体が強張っていく。
有紀ちゃんの言う通り、
安藤くんてほんとに短気なんだ!
睨んでるし・・っ、めっちゃ怖い。
「あ・・ああ・・悪ィ。」
「え?」
肩にあった両腕の片方だけがいつの間にか頭の上に置かれてる
そして、ナデナデしている。
「え・・と?」
「怒ってるワケじゃねーぞ?、ただ・・、言葉が汚ねぇんだろうな・・俺
それで、嫌な思いさせちまったらごめん。マジで謝るから、・・その・・
出来れば・・でいいんだが、そういうの・・理解してもらえると嬉しいんだけど・・」
さっきまで、皆としゃべってるときのような流暢な言葉とは違って
今、出てくる言葉はしどろもどろで・・
なんだか、安藤くんらしくなくて・・
なんだか
不思議なキモチになった
逆にどうしていいかわかんなくなってしまった。
「それに、家に上げてくれって言ってんじゃねぇんだ。、ただ、
舞を家まで送りてぇだけ。」
「え?」
「それもダメか?」
とてもせつない顔を向けられ言われた。
・・―////
んー・・と。
そ、それだったら、別に凪に聞く必要ない・・よね?
「い・・いいよ?」
「わ!マジで?♪」
「え、あ、う、うん//」
「よっしゃ~~~っ♪おおいお前ら、今日は俺、舞と帰るからな~よろしく~♪」
安藤くんは、ガッツポーズの後、いつも一緒に居るグループの子たちに向かって
大声でそう報告した。
そのまま浮かれた足取りで教室を飛び出して行ってしまった。
たかが、私と帰るだけのコトが・・そ、そんなに喜ぶ事なのかな?
いまいち、安藤くんの行動がわかんない。
こーゆう時は
我が救世主!
「有紀ちゃ・・」
ってアレ?居ない・・
んん?どこ行ったんだろ??
そんな間に予冷が鳴り響き、今日最後の授業開始となってしまった。
先生が来る直前に有紀ちゃんが慌てて教室に戻ってきて、
先生が来た直後に、安藤くんが教室に戻ってきた。
とーぜん、怒られてた。安藤くん。
ま、あんまり気にしてないみたいだったケド。
それよりも、有紀ちゃんは一体どこに行ってたんだろ・・
トイレだったら誘いにくるハズだし・・
授業終わったら聞いてみよーっと。
そして授業も終わり、鞄の中に教科書を詰めてると、
もう既に目の前には安藤くんが前の席の椅子に反対側を向いて座ってる。
つまり、私を向いて座ってる。
満面の笑みを浮かべてだ。
「あ、安藤くん、ちょっと有紀ちゃんに話があるから、先に玄関に行っててもらってもいい・・かなぁ?」
恐る恐る伺いを立ててみる。
「あ?榎本なら、もういねぇぞ?」
「へ?」
慌てて、有紀ちゃんの席を見ると、
安藤くんが言ったとおり、そこには有紀ちゃんの姿は無く、
鞄も見当たらなかった。
「え・・?い、いつ帰ったの?てか。スル―?」
「舞が俺と帰るってーの知ってっからじゃね?」
「あ・・」
う・・ん?それにしたっておかしい。
安藤くんが居ようが・・今までだったら構わず入ってきてた。
「なんでいきなり・・」
「あいつも彼氏と約束あんだろ?」」
「・・ぁ」 そっか。
それなら・・わかる。
「有紀ちゃんの優先順位は彼氏さんだもんね///。」
「舞は?」
「え?」
「優先順位、俺じゃねぇの?」
「っえ・・と。」
その質問・・困る。
だって・・
私の優先順位は昔から変わらない。
凪だもん。
でも、ソレ、言っちゃうのはダメなんだよね?
言えば、この彼カノのフリがイミのないものになっちゃうんだもんね。
「・・・」
なんて言えば・・いいんだろ。
しばし沈黙。
すると
≪ガタンッ≫
安藤くんがいきなり椅子から立ち上がった
「ぅ・・」
やばっ、怒ったのかなっ?
「帰ろうぜ♪」
意外にも、笑顔でそう言われた。
大きな手の平が鞄を掴み、もう片方の手の平を私の目の前に差し出してくる。
「?」
「手♪」
「?」
「繋ご♪」
「・・・へ?!」
「ほら早く」
せかされるように開かれた手の平を掴まないわけにはいかなくて。
「う・・ん」
軽く、乗っけた。
が!瞬間、思いっきり握られ、ついでに引っ張られた。
その反動で安藤くんの胸元に飛び込む形となって
思いっきり鼻をぶつけてしまった
「痛ったぁ・・」
「どんくせぇな♪」
「な///なによ、いきなり引っ張るからでしょ!」
「ははっ♪、鼻、赤くなってっし♪」
「え?ほんとに//?」
「ん。」
「っ//」
また、あの笑顔するっ///
しかも、こんな近距離で////
≪ゾクッ≫
い、今・・っ
めっちゃ鋭い視線を感じた!
こ、これは・・なんだ??
チラッと横目で見ると、
私たちの姿を、すんごい眼差しで見てる数人の女子たち。
腕をしっかり胸元で組み仁王立ちしてるっ!
私の危険を察知するライトがパカパカと頭の中で回りだした。
「あ、あの、は、離れて」
「は?」
「ち、近い///みんな見てる///」
「はあ?」
「えっと、だからっ//」 あ~~~もうなんでわかってくれないのっ??
「俺らなに?」
「え?」
「付き合ってんだろが。」
「あ・・や・・まぁ。」 そーなんですケドね///でもね///
「じゃ、離れることなんてねーじゃん。」
「・・まぁ・・そうなんだけど・・っ、」
怖い、こうしてるうちにも彼女たちの視線で私の体が溶けて無くなってしまいそうだ。
「だけど?なに?」
も~~~~///誰のせいでこんな光線(視線だろ)浴びてると思ってんの!
こんの鈍感モテ男!
「ば、場所!」
「あ?」
「場所を考えてほしいみたいな?」
「?!」
頼む!わかってくれ!
もう限界なのだよ。
「・・は。あ、そういうことか。」
く~~~~////やっとわかってくれたのかい!
「んじゃ、とりあえずガッコからは脱出な♪」
笑顔でそう言うと、繋がれてた手をひっぱってズンズン歩き出す。
そのスピードは速く、私は半ば引きずられるようにして教室を出た。
玄関で靴を履き替え、校門を出るまでその速度は続き、
出た途端、
止まった。
「?、安藤くん?」
「どこ?」
「え?」 またなにワケのわかんないことを・・
あ、そっか、私の家の方角かっ!
「えっと、とりあえずこっち。」
「ん。」
指を指すと、その方向へ向きを変え、今度はゆっくり歩き始めた。
でも、手は繋がれたままだ。
しかもいつの間にか!恋人繋ぎである。
うわ~~~ん凪~~~~ごめ~~~~ん
つか!
コレ!凪としたかったよ~~~~っ
ううっと項垂れながら歩く私とは対照的にルンルン♪と陽気に歩く安藤くん。
何を話すワケでもない。
別にしゃべるのが嫌なワケじゃない。
歩いている最中、ほとんど絶えることなく、
安藤くんの知り合いに出会うからだ。。
その度に、一言二言、言葉を交わしてるから、私としゃべってるヒマなど無かったてワケ。
気づけば、家に着いてた。
「ここ。」
「え?」
「ここ、ウチだから。」
「・・ウチって、ここでいいのか?」
「?・・はぁ・・いいです。」
「さっきは上がるのも拒否られたのに。」
「え?」
「まさか、舞んちでいいなんて♪」
「んんん???」
「じゃ、おじゃましま~す♪」
「えっ?えっ?///あ、あのっ?」
「舞、鍵。」
「あ、はい。」
ふつーに言われてふつーにポッケから鍵を出してしまった私。
その鍵を受け取った安藤くんは
まるで自分ちのごとく、いとも簡単に鍵を使い、玄関の扉を開けた。
「入んねーの?」
首を傾げそんな可愛い顔で聞いてくる。
「―///!」
ていうか?この進行状況は一体なんなんだ?
たしか、ウチまで送るだけって言ってたよね?なのに
なんで、いきなり家に上がるというところに設定が変わってしまったのだ?
靴を片方脱ぎだしてる安藤くんの制服を後ろから軽く引っ張った。
「なに?」
いえいえ。それはこっちのセリフですよ。
「早くしねーと、親父さん帰ってくんじゃね?」
いえいえ。それ以前の問題ですから。
「まさか、今さら、ダメだなんて言うんじゃねぇだろな?」
ひっ!
なんだ?いきなりまたあの魔王が降臨なされたぞ???
≪グイッ≫
「ひゃぁ//」
引っ張ってた手を逆に引っ張られ、またまた私の体は安藤くんの胸の中に
ダイブした。
んでもってまた鼻をぶつけてしまう
「痛たたっ///」
って・・え?
今度はなんだかさっきと違う。
息が苦し・・っ
視界が狭いっ。
・・っ////、あ、れ?
これってもしかして
私。
抱きしめられちゃってます??
~~~~~~////////
「あ、安藤くんっ////」
「ん?」
「な、っ、なにしてるんですか??」
「ん、舞を抱きしめてる。」
いや、それはわかってますって。
「そーじゃなくて///なんで、こ、こんなことするの?」
「は?」
「ていうか、なんで家ん中(玄関だけど)に居るの?」
「あ?舞がそう言ったんだろが。」
「えええっ???い、いつ??」
「は?教室で言ったろ、場所考えろっつって!」
「え・・?」
「で、校門でたとこでもう一回確認したハズだけど?」
「へ?」
「どこがいいんだ?って」
「・・・え・・と。」
「そしたら、こっちつって、着いた先は家だったろ、」
「・・・ぁあ・・」
「マジ驚いたな。」
それは驚きますね。
「まさか、舞んちとはね」
私も驚きですよ。
「やっぱ、家の方が落ちつくんか?」
見事なまでにご都合のいい解釈に。
でもですね?
「違いますから~~~~~~~~~~っっ!!!!」
「わ!」
私の叫び声に一瞬、たじろいだ安藤くん。
でもその位置からは解放してくんない。
ガチャッ
「んだ?舞、んなでけぇ声出し・・」
「え。」
「あ。」
ま・
さ・
か・
の、
玄関に
凪、
登場~~~~~~?!!!
0
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名門公爵家の娘・レティシアは、幼い頃から“地味で鈍くさい”と同級生たちに嘲られ、社交界では笑い者にされてきた。中でも、侯爵令嬢セリーヌによる陰湿ないじめは日常茶飯事。誰も彼女を助けず、婚約の話も破談となり、レティシアは「無能な令嬢」として居場所を失っていく。
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戸惑う彼女をよそに、殿下は一途な想いを示し続け、やがてレティシアは“王妃教育”を受けながら、自らの力で未来を切り開いていく。いじめられっこだった少女は、人々の声に耳を傾け、改革を導く“知恵ある王妃”へと成長していくのだった。
一方、他人を見下し続けてきたセリーヌは、過去の行いが明るみに出て家の地位を失い、婚約者にも見放されて没落していく――。
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