巡り合い、

アミノ

文字の大きさ
24 / 143

二十三話

しおりを挟む



北東の盗賊、南西の盗賊ともに
何も動きがないまま2日が過ぎた時

北東の盗賊が動いたと情報が入った

動いたと言っても
誰かが怪我をしたりとかではなく、
商品を高額で売りつけると言うものだ

何故分かったかと言うと、
売りつけた商品は
この間盗られた救護用の物資

売りつけた店や個人から
討伐隊と書いてある袋から
取り出してるのを見たという連絡が
入ったからだ


「盗った物をその街で売るとは
いい度胸してるなぁ」

緊急で会議が開かれた

最初に口を開いたのはデイスだ

「まーじで俺らのこと
舐めてやがる、あいつら」
それに続くのはゾフィア

「次はないこと分かってないな」
そしてヤーナ

「‥」
ナロンは言葉を発しないが
何か考えているようだ

「ただ、街の人たちが
売りにきた人の顔を見てる訳じゃないから
南西の盗賊か断定はできない」
タリアも続く

「見たことのある私たちが
売りに来た人の顔を見れてたら
よかったんだけどね‥」

「袋にも討伐隊って入ってて
売りに来たものも前に盗られたものと一致、
だけど断定出来ないから
それだけで動けないってことだね」

私とジーナも話しに加わる


「‥単純に売りに来たというのは
引っかかる‥
‥俺たちが相手した
見張りの奴らの中で1人、
指示をしてた奴がいたんだが、
そいつはそんなにバカなやつじゃ
ないような気がする」
ナロンが初めて口を開いた

「確かにそうかもしれない
多分、私に向かってきたあの盗賊だったら
何の考えなしに
すぐ足の着くことしないと思う」

最初に出てきた盗賊のお腹を殴って
もう襲ってこないと印象付けたのも、
他の奴らに気を取らせて
その1人が馬と荷物を盗って
すぐに撤退したのも全部計算だとしたら
ただ単にお金にしたいだけで
その街に売りに来るなんて
しないのではないか

腕を組みながらデイスが私に問いかける
「何か計算があるかもしれないと?」

「可能性はゼロじゃないと思う」


「ナロンとナツの2人が言うなら
俺はそっちの意見に沿って
行動を決めたいなー」

「だな、俺もそう思うわ」

「もちろん私もそう思う」

「他に意見のあるものは?」

タリアがその場にいる人たちに聞くと
何も出てこなかったので
私とナロンの考えを軸にすることになった


売られた物資は全部ではない
大体三分の一程度

盗賊たちが何か企んでたとして
私たちが引っ掛かるように、と
少しだけ売りに来たとすれば

気づくための餌としての三分の一

こちらが何も気付かなかった場合、
そのまま何か実行する予定だとしたら
こちらから何か感づいたという
メッセージを向こうに伝えたい


とりあえずは街の中の見回りの強化
街の門の警備を強化
街の者には救護用の物資は
少しの間買取不可を要請

これで3日間様子を見る

何もなかった場合
北東のアジトへ向かうこととなった

しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

【完結短編】ある公爵令嬢の結婚前日

のま
ファンタジー
クラリスはもうすぐ結婚式を控えた公爵令嬢。 ある日から人生が変わっていったことを思い出しながら自宅での最後のお茶会を楽しむ。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

貴族令嬢、転生十秒で家出します。目指せ、おひとり様スローライフ

ファンタジー
第18回ファンタジー小説大賞にて奨励賞を頂きました。ありがとうございます! 貴族令嬢に転生したリルは、前世の記憶に混乱しつつも今世で恵まれていない環境なことに気が付き、突発で家出してしまう。 前世の社畜生活で疲れていたため、山奥で魔法の才能を生かしスローライフを目指すことにした。しかししょっぱなから魔物に襲われ、元王宮魔法士と出会ったり、はては皇子までやってきてと、なんだかスローライフとは違う毎日で……?

【完結】乙女ゲーム開始前に消える病弱モブ令嬢に転生しました

佐倉穂波
恋愛
 転生したルイシャは、自分が若くして死んでしまう乙女ゲームのモブ令嬢で事を知る。  確かに、まともに起き上がることすら困難なこの体は、いつ死んでもおかしくない状態だった。 (そんな……死にたくないっ!)  乙女ゲームの記憶が正しければ、あと数年で死んでしまうルイシャは、「生きる」ために努力することにした。 2023.9.3 投稿分の改稿終了。 2023.9.4 表紙を作ってみました。 2023.9.15 完結。 2023.9.23 後日談を投稿しました。

龍王の番〜双子の運命の分かれ道・人生が狂った者たちの結末〜

クラゲ散歩
ファンタジー
ある小さな村に、双子の女の子が生まれた。 生まれて間もない時に、いきなり家に誰かが入ってきた。高貴なオーラを身にまとった、龍国の王ザナが側近二人を連れ現れた。 母親の横で、お湯に入りスヤスヤと眠っている子に「この娘は、私の○○の番だ。名をアリサと名付けよ。 そして18歳になったら、私の妻として迎えよう。それまでは、不自由のないようにこちらで準備をする。」と言い残し去って行った。 それから〜18年後 約束通り。贈られてきた豪華な花嫁衣装に身を包み。 アリサと両親は、龍の背中に乗りこみ。 いざ〜龍国へ出発した。 あれれ?アリサと両親だけだと数が合わないよね?? 確か双子だったよね? もう一人の女の子は〜どうしたのよ〜! 物語に登場する人物達の視点です。

一家処刑?!まっぴらごめんですわ!!~悪役令嬢(予定)の娘といじわる(予定)な継母と馬鹿(現在進行形)な夫

むぎてん
ファンタジー
夫が隠し子のチェルシーを引き取った日。「お花畑のチェルシー」という前世で読んだ小説の中に転生していると気付いた妻マーサ。 この物語、主人公のチェルシーは悪役令嬢だ。 最後は華麗な「ざまあ」の末に一家全員の処刑で幕を閉じるバッドエンド‥‥‥なんて、まっぴら御免ですわ!絶対に阻止して幸せになって見せましょう!! 悪役令嬢(予定)の娘と、意地悪(予定)な継母と、馬鹿(現在進行形)な夫。3人の登場人物がそれぞれの愛の形、家族の形を確認し幸せになるお話です。

最愛の番に殺された獣王妃

望月 或
恋愛
目の前には、最愛の人の憎しみと怒りに満ちた黄金色の瞳。 彼のすぐ後ろには、私の姿をした聖女が怯えた表情で口元に両手を当てこちらを見ている。 手で隠しているけれど、その唇が堪え切れず嘲笑っている事を私は知っている。 聖女の姿となった私の左胸を貫いた彼の愛剣が、ゆっくりと引き抜かれる。 哀しみと失意と諦めの中、私の身体は床に崩れ落ちて―― 突然彼から放たれた、狂気と絶望が入り混じった慟哭を聞きながら、私の思考は止まり、意識は閉ざされ永遠の眠りについた――はずだったのだけれど……? 「憐れなアンタに“選択”を与える。このままあの世に逝くか、別の“誰か”になって新たな人生を歩むか」 謎の人物の言葉に、私が選択したのは――

追放された偽物聖女は、辺境の村でひっそり暮らしている

潮海璃月
ファンタジー
辺境の村で人々のために薬を作って暮らすリサは“聖女”と呼ばれている。その噂を聞きつけた騎士団の数人が現れ、あらゆる疾病を治療する万能の力を持つ聖女を連れて行くべく強引な手段に出ようとする中、騎士団長が割って入る──どうせ聖女のようだと称えられているに過ぎないと。ぶっきらぼうながらも親切な騎士団長に惹かれていくリサは、しかし実は数年前に“偽物聖女”と帝都を追われたクラリッサであった。

処理中です...