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五十四話
しおりを挟む考えがまとまらず立ち尽くしてると
近くの雑貨屋の前に街の人たちに混ざり
見たことがある2人組がいることに気付く
2人は空を仰いだ後、こちらを振り返った
その2人、シオンとリクは私に気付くと
会釈をし小さく手招きをしたので
小走りでそちらへ向かう
お店の横の路地に2人が入って行ったので
私も後を追い路地に入って行く
表通りより日当たりが悪く
奥は行き止まりになっている為、
誰もいない路地に少し肌寒さを覚えた
「あの盗賊に会いに行くんですか?」
「え?」
「シオン、急に言ったら
ナツさんビックリしちゃうだろー?
ナツさん、こんにちは
事情は分かりませんが、もし
門の外へ出ようとしてるなら
僕たち協力しますよ」
「いや、お前‥
それもビックリするだろう‥」
「えっ、あっ、うん?」
2人のもとへ着くなり始まった話に
私はよく分からないまま
曖昧な返事をしてしまった
急にごめんなさいと前置きし
リクは話し始める
「盗賊に会う為に門の外へ出たい、
ここからナツさんを見ててそう感じました
1人では外に出られそうにないなら
協力しますってことです」
言ってることをすぐに理解出来ず
ただただ棒立ちしていた
家に帰る途中なのだろう子どもたちの声が
通り過ぎて行く
「一緒に帰ろー!」
「いいよー!」
協力‥あぁ、私と一緒に考えてくれるんだ
「‥ありがとう‥」
急なことでの驚きと
気にしてくれる嬉しさが混じり
とても小さな声になってしまったが
なんとかお礼が言えた
2人の口角が少し上がったのは
きっと私の声が届いたからだろう
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