巡り合い、

アミノ

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百三十五話

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ユナが中庭を後にし、
私も中庭を出る事にした

廊下に出ようと中庭の扉を開ける

「わ」

驚いたような声が聞こえ
そちらを振り向くと同時に
数枚の紙が床に散らばった

「ごめんなさい!」

謝りながら急いで紙を拾い上げると
シギの配属されたパン屋について、と
書かれていた

「いや、私がちゃんと前を
見ていなかったから悪いんだ
気にするな‥ってナツ?」

目の前に屈んで
私の拾った紙を受け取ったのは
タリアだった

「タリア‥これって?」

「あぁ、ジーナとリクがいろいろと
調べてくれた調査報告書だ
すぐに目を通したくて
つい歩きながら見てしまった」

「ジーナとリクが?」

「ジーナはそれが仕事だからな
リクは訓練校の時からずっと首席で
一目置いていたんだ
正式に討伐署に来てからは
私の過去のことも含め全て話し、
こうやって調査報告書などの
手伝いもしてもらってる
そのうちもっと上に来てもらいたいから
他の新入隊がやらない事も
任せたりしている」

「首席‥?」

首席はユナのはずじゃ、と言いかけると
タリアが少し目を開き頷く

「‥あぁ、入ってきた時の首席はユナだ
リクは風邪とか引きやすいみたいで
訓練校から上がってくる成績の
メインとなる試験を
1つ受けられなかったそうだが
ずっと首席だったのはリクだ」

だいぶ前の新入隊の訓練中、
成績優秀者で上官に呼ばれてるって
1人いなかったのはやっぱりリクだった

上官って、もしかしてタリアだったのかな

ユナが、私首席なんです、と
あれだけ強調して言っていたのは
ずっと首席になれなかった事が
コンプレックスにでも
なっていたのかもしれない

そんな事を考えながら
床にまだ散らばっている紙を拾う

「ちなみに、これは
私も読んでいいのかな?」

無意識に読んでしまいそうなのを
堪えながら全ての紙を拾い終わり、
タリアと向かい合う

「別に構わない」

「ありがとう」

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