13 / 73
仲直り1
しおりを挟む
『ひより、LINEやってるよね? ひより、クラスのどのグループにも入ってないから……』
今まであまりお話しした事なかった香織ちゃんと、あの後LINEのIDを交換した。
『私、きっと学校やめちゃうから』
香織ちゃんはそう言って笑ってた。
『赤ちゃんを産みたいから』
新しく出来た大事なお友達。凄く嬉しい。幸せになって欲しいなって思う。
自分のお部屋でベッドに転がってスマートフォンの中に増えた〝柚木香織〟というお名前を眺めていた時。階段の下からママの呼ぶ声がした。
「え、おばあちゃんが?」
鎌倉に住んでるおばあちゃんが転んで怪我をして入院した、とママが言う。
「ごめんね、ひよちゃん。これからパパとママ、行って来なくちゃいけないの。今夜は帰れないけど、ひよちゃん、今晩一人で大丈夫かしら」
えっと、えっと、あたし、1人でお留守番? あたしは夜を1人で過ごした事はなくて、不安で一杯の顔をした。
「一晩だけだから、何とかがんばって。ひよちゃん連れて行きたいけど、ちょっと慌ただしいし、学校があるでしょう?」
うん。
「俺も心配なんだが、今夜ばかりは仕方ないな。ママ、おケイのとこにお願いしていくか」
「ええ、おケイちゃんには事情話してあるから、大丈夫と思うわ」
〝おケイちゃん〟というのは、遼ちゃんとこのおばさん。
パパが荷物を用意しながらあたしに言った。
「ひよ、ちゃんと戸締まりするんだぞ」
車に乗ったパパは運転席の窓を開けると、あたしの頭を撫でる。
「今夜は、家から出ないこと」
「はーい、分かってます!」
ママは心配そうに助手席からあたしを見て、ごめんね、と言い、2人を乗せた黒いレクサスは夜の闇の中に消えて行った。
急に心細くなって遼ちゃんのお家を見上げた。遼ちゃんのお部屋の窓はまだ真っ暗で、帰ってきてはいないみたいだった。
冷たい夜風が吹き抜けて、ブルッと震えた。遼ちゃんに会いたい。でも、今夜はーーお風呂入って早く寝ちゃおう。
バスタブから立ち上る湯気を見ながら、たくさんたくさん考え事した。
大好きな人なら、触れられるのは幸せ? そうかなぁ。やっぱりあたしは遼ちゃんの気持ちが欲しい。それは贅沢、なのかなぁ。
ねぇ、遼ちゃん。涙が出てきたよぉ。寂しいよ、遼ちゃん。
膝を抱えると、ぽちゃん、と顔がお湯につく。そうしいるうちに、頭がボーッとしてきた。あー、あたし、ばか。のぼせちゃったみたい。
慌ててあがろうとしたけど、縁につかまったまま。ぐったり。
「ひよ!?」
遼ちゃんの、声? なんでー?
「なにやってんだよ! もうっ」
フワッと身体が浮いた。そのまま夢心地で、意識がしろくなっていった――。
遼ちゃん、夢なら覚めないで。
ひよーー。
大好きな人の声。ゆっくりと目を開けると、心配そうに覗く遼ちゃんの顔。
「遼ちゃん、どうしてここに?」
「どうして、ってひよ」
遼ちゃんが飽きれ気味にため息をついてる。
あたし、どうしたんだっけ。うーんと、あ、お風呂。
「誰もいないってのに、玄関鍵もかけずに風呂に入るわ、風呂ではのぼせてのびてるわ。まったく。ひよに何かあったら俺ーー」
言葉を詰まらせた遼ちゃんの肩越しに見慣れた薄いオレンジ色の花柄の天井。ここはあたしの部屋。
遼ちゃん、連れてきて……あっ! やだっ、あたし裸っ! 頭にのせてあった氷が落っこちた。あたしの身体に巻いてたバスタオルがパラッと落ちた。
「脱がす手間が省けちゃったな」
遼ちゃんの腕があたしを抱いた。
「仲直りの〝なかよしタイム〟しよう」
遼ちゃんの、グリーン系のスッキリとした匂いに包まれて、あたしは「うんうん!」と頷いた。
あたし、やっぱり遼ちゃんに触れて欲しい!
唇を重ねる。この前とは違う、優しくて甘いキス。遼ちゃんの舌が凄く柔らかくあたしの舌に絡みつく。上顎を舐められて。
「んん……」
遼ちゃんの気持ちが欲しい。でも、遼ちゃんに触れてもらうのがこんなに幸せで、気持ちが良くて。
「ひよ……」
あたしの唇から離れた遼ちゃんの唇が首筋通って胸に。
「……ぁ……ぁん……」
遼ちゃんの大きな手が、あたしの胸を揉む。先を指で……摘まんで。
「ふぁっ……ああっ」
あたしはピクンッと震えて顔をのけ反る――。遼ちゃんがあたしの……乳首を、吸う。
「ぁン……ふぁあ……」
身体を貫く微弱な電流に、しびれてしまう。
「遼ちゃん……ぁっ……遼……ちゃん……」
遼ちゃんに必死にしがみつくと、優しい笑顔があたしを見た。
「ひよ、ほら……」
遼ちゃんは、しがみつくあたしを少しだけ離すと抱き上げて、向かい合うように膝にのせてくれた。
「ひよ、ごめんな……」
そのあまりにも優しい声音に涙が一気にじわっと。あたしもごめんなさい、って言いたかったのに。言葉が、出ないの。
喉の奥が痛いの。大好きな、大好きな遼ちゃんの顔。また、涙で見えないよ。
一生懸命手で涙を拭ったけど、拭っても拭っても止まんない。
「あたし、もう遼ちゃんに〝なかよし〟して貰えないかも……って」
ひぐっひぐっとしゃくりあげてしまって、もうその後が続かない。
「しないわけないだろ」
甘いキスが、待っていた。
遼ちゃん……。
「もっと、〝なかよし〟しようか?」
「うん」
うん。うん。もっともっともっと……!
あたしをベッドに寝かせた遼ちゃんは、Tシャツを脱ぐ。たくましい身体は、見慣れているはずなのに――涙が出るくらいカッコイイです。
遼ちゃん――!
今まであまりお話しした事なかった香織ちゃんと、あの後LINEのIDを交換した。
『私、きっと学校やめちゃうから』
香織ちゃんはそう言って笑ってた。
『赤ちゃんを産みたいから』
新しく出来た大事なお友達。凄く嬉しい。幸せになって欲しいなって思う。
自分のお部屋でベッドに転がってスマートフォンの中に増えた〝柚木香織〟というお名前を眺めていた時。階段の下からママの呼ぶ声がした。
「え、おばあちゃんが?」
鎌倉に住んでるおばあちゃんが転んで怪我をして入院した、とママが言う。
「ごめんね、ひよちゃん。これからパパとママ、行って来なくちゃいけないの。今夜は帰れないけど、ひよちゃん、今晩一人で大丈夫かしら」
えっと、えっと、あたし、1人でお留守番? あたしは夜を1人で過ごした事はなくて、不安で一杯の顔をした。
「一晩だけだから、何とかがんばって。ひよちゃん連れて行きたいけど、ちょっと慌ただしいし、学校があるでしょう?」
うん。
「俺も心配なんだが、今夜ばかりは仕方ないな。ママ、おケイのとこにお願いしていくか」
「ええ、おケイちゃんには事情話してあるから、大丈夫と思うわ」
〝おケイちゃん〟というのは、遼ちゃんとこのおばさん。
パパが荷物を用意しながらあたしに言った。
「ひよ、ちゃんと戸締まりするんだぞ」
車に乗ったパパは運転席の窓を開けると、あたしの頭を撫でる。
「今夜は、家から出ないこと」
「はーい、分かってます!」
ママは心配そうに助手席からあたしを見て、ごめんね、と言い、2人を乗せた黒いレクサスは夜の闇の中に消えて行った。
急に心細くなって遼ちゃんのお家を見上げた。遼ちゃんのお部屋の窓はまだ真っ暗で、帰ってきてはいないみたいだった。
冷たい夜風が吹き抜けて、ブルッと震えた。遼ちゃんに会いたい。でも、今夜はーーお風呂入って早く寝ちゃおう。
バスタブから立ち上る湯気を見ながら、たくさんたくさん考え事した。
大好きな人なら、触れられるのは幸せ? そうかなぁ。やっぱりあたしは遼ちゃんの気持ちが欲しい。それは贅沢、なのかなぁ。
ねぇ、遼ちゃん。涙が出てきたよぉ。寂しいよ、遼ちゃん。
膝を抱えると、ぽちゃん、と顔がお湯につく。そうしいるうちに、頭がボーッとしてきた。あー、あたし、ばか。のぼせちゃったみたい。
慌ててあがろうとしたけど、縁につかまったまま。ぐったり。
「ひよ!?」
遼ちゃんの、声? なんでー?
「なにやってんだよ! もうっ」
フワッと身体が浮いた。そのまま夢心地で、意識がしろくなっていった――。
遼ちゃん、夢なら覚めないで。
ひよーー。
大好きな人の声。ゆっくりと目を開けると、心配そうに覗く遼ちゃんの顔。
「遼ちゃん、どうしてここに?」
「どうして、ってひよ」
遼ちゃんが飽きれ気味にため息をついてる。
あたし、どうしたんだっけ。うーんと、あ、お風呂。
「誰もいないってのに、玄関鍵もかけずに風呂に入るわ、風呂ではのぼせてのびてるわ。まったく。ひよに何かあったら俺ーー」
言葉を詰まらせた遼ちゃんの肩越しに見慣れた薄いオレンジ色の花柄の天井。ここはあたしの部屋。
遼ちゃん、連れてきて……あっ! やだっ、あたし裸っ! 頭にのせてあった氷が落っこちた。あたしの身体に巻いてたバスタオルがパラッと落ちた。
「脱がす手間が省けちゃったな」
遼ちゃんの腕があたしを抱いた。
「仲直りの〝なかよしタイム〟しよう」
遼ちゃんの、グリーン系のスッキリとした匂いに包まれて、あたしは「うんうん!」と頷いた。
あたし、やっぱり遼ちゃんに触れて欲しい!
唇を重ねる。この前とは違う、優しくて甘いキス。遼ちゃんの舌が凄く柔らかくあたしの舌に絡みつく。上顎を舐められて。
「んん……」
遼ちゃんの気持ちが欲しい。でも、遼ちゃんに触れてもらうのがこんなに幸せで、気持ちが良くて。
「ひよ……」
あたしの唇から離れた遼ちゃんの唇が首筋通って胸に。
「……ぁ……ぁん……」
遼ちゃんの大きな手が、あたしの胸を揉む。先を指で……摘まんで。
「ふぁっ……ああっ」
あたしはピクンッと震えて顔をのけ反る――。遼ちゃんがあたしの……乳首を、吸う。
「ぁン……ふぁあ……」
身体を貫く微弱な電流に、しびれてしまう。
「遼ちゃん……ぁっ……遼……ちゃん……」
遼ちゃんに必死にしがみつくと、優しい笑顔があたしを見た。
「ひよ、ほら……」
遼ちゃんは、しがみつくあたしを少しだけ離すと抱き上げて、向かい合うように膝にのせてくれた。
「ひよ、ごめんな……」
そのあまりにも優しい声音に涙が一気にじわっと。あたしもごめんなさい、って言いたかったのに。言葉が、出ないの。
喉の奥が痛いの。大好きな、大好きな遼ちゃんの顔。また、涙で見えないよ。
一生懸命手で涙を拭ったけど、拭っても拭っても止まんない。
「あたし、もう遼ちゃんに〝なかよし〟して貰えないかも……って」
ひぐっひぐっとしゃくりあげてしまって、もうその後が続かない。
「しないわけないだろ」
甘いキスが、待っていた。
遼ちゃん……。
「もっと、〝なかよし〟しようか?」
「うん」
うん。うん。もっともっともっと……!
あたしをベッドに寝かせた遼ちゃんは、Tシャツを脱ぐ。たくましい身体は、見慣れているはずなのに――涙が出るくらいカッコイイです。
遼ちゃん――!
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
天才天然天使様こと『三天美女』の汐崎真凜に勝手に婚姻届を出され、いつの間にか天使の旦那になったのだが...。【動画投稿】
田中又雄
恋愛
18の誕生日を迎えたその翌日のこと。
俺は分籍届を出すべく役所に来ていた...のだが。
「えっと...結論から申し上げますと...こちらの手続きは不要ですね」「...え?どういうことですか?」「昨日、婚姻届を出されているので親御様とは別の戸籍が作られていますので...」「...はい?」
そうやら俺は知らないうちに結婚していたようだった。
「あの...相手の人の名前は?」
「...汐崎真凛様...という方ですね」
その名前には心当たりがあった。
天才的な頭脳、マイペースで天然な性格、天使のような見た目から『三天美女』なんて呼ばれているうちの高校のアイドル的存在。
こうして俺は天使との-1日婚がスタートしたのだった。
極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~
恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」
そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。
私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。
葵は私のことを本当はどう思ってるの?
私は葵のことをどう思ってるの?
意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。
こうなったら確かめなくちゃ!
葵の気持ちも、自分の気持ちも!
だけど甘い誘惑が多すぎて――
ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
17歳男子高生と32歳主婦の境界線
MisakiNonagase
恋愛
32歳の主婦・加恋。冷え切った家庭で孤独に苛まれる彼女を救い出したのは、ネットの向こう側にいた二十歳(はたち)と偽っていた17歳の少年・晴人だった。
「未成年との不倫」という、社会から断罪されるべき背徳。それでも二人は、震える手で未来への約束を交わす。少年が大学生になり、社会人となり、守られる存在から「守る男」へと成長していく中で、加恋は自らの手で「妻」という仮面を脱ぎ捨てていく…
同じアパートに住む年上未亡人美女は甘すぎる。
ピコサイクス
青春
大学生の翔太は、一人暮らしを始めたばかり。
真下の階に住むのは、落ち着いた色気と優しさを併せ持つ大人の女性・水無瀬紗夜。
引っ越しの挨拶で出会った瞬間、翔太は心を奪われてしまう。
偶然にもアルバイト先のスーパーで再会した彼女は、翔太をすぐに採用し、温かく仕事を教えてくれる存在だった。
ある日の仕事帰り、ふたりで過ごす時間が増えていき――そして気づけば紗夜の部屋でご飯をご馳走になるほど親密に。
優しくて穏やかで――その色気に触れるたび、翔太の心は揺れていく。
大人の女性と大学生、甘くちょっぴり刺激的な同居生活(?)がはじまる。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる