おっさん転生〜異世界に転生したおっさんは、かっこいい幼女になりたい〜

猫屋敷

文字の大きさ
29 / 42
二章 元おっさん、帝国へ

27 元婚約者とご対面

しおりを挟む
そして翌日。
ファルモーナス帝国が目前というところまで、辿り着くことができた。辺りは水辺に囲まれ、水面都市のような気がして来る。
水全体が帝国の周りにあり、そこから水車で水を引き上げているような、装置も見える。これもまた、魔導の力。
太陽の光が水面に照らされ、水面が煌びやかに光っている。
門の手前には板のようなものが、橋のように掛かっており、門の方には2人の騎士が佇んでいる。
威厳を感じさせるような、ガタイ男が2人。何かを警戒しているように見える。
帝国の騎士たちだろう。アンナさんと同様の甲冑を身に纏っている。
心なしか、ランスの体は震えていた。それを宥めるアンナさん。
ランスは必要以上に俺に話さない。俺に言えないことがあるのか…。

馬の手綱を引き、橋を渡る。
俺もティーナに繋がれている手綱を引き、後をついていく。

「お待ちを」

騎士の1人がそう言い放つ。渋い声を出し、俺たちは止まった。
反対側にいた若い男は、荷物検査を始める。
持っていたバックなどを調べ上げられ、十分だったぐらいで国の中に入れた。厳重な守り。
俺は不思議に思った。

国に入ってから、乗っていた馬から降りる。
近くにあった馬を止める場所が存在し、手綱で引きながら、馬を止める。
俺はティーナの毛並みを触り、その場から去った。
ランスとアンナさんの後ろを、素直について行き、真っ先にこの国の中で一番でかい、城の方へと進んでいく。
迷いなく城の方へと行き、出ていた市場や店を後にする。この国の中心部分にある帝都を通り過ぎ、立派に佇んでいる城の門に辿り着く。

「ここよ。私の元婚約者がいる場所は」

13歳とは思えない肝が座っているランス。その顔は、何かを怯えているような。そんな無理をした顔をしていた。

(大丈夫だろうか…?)

それほど酷い仕打ちをされたのか。
俺やアンナさんも不安になる一方だった。

♢♢♢

「…そうか。ランスが」
「はい、お連れの方もいるそうです」
「ふむ、わかった。通せ」

自室で着替えていたグロウは、執事の人から言われ、そう言った。
グロウの兄たちと妹は、今現在不在。
そして、ファルモーナス帝国の皇帝と皇后は、席を外している。
天空に存在する国に出向いていた2人。そして兄弟たちもいない現状、第3皇子であるグロウに決定限が存在していた。
ファルモーナス帝国の象徴として挙げられる、不死鳥フェニックスのエンブレムが胸元に付いている、皇子としての衣装を着て、自室から出ていく。
堂々とレッドカーペットの上を歩き、胸を張る。

「今日の予定を言え」
「はっ! グロウ様の予定。
現在時間の10時から二時間後で昼食の時間。

そして、14時から16時の間は剣術の鍛錬と学業。

そして18時から20時の間で、魔法の底上げ。

23時には就寝の予定でございます」

「そうか。ランスとお連れとは誰だ?」
「はっ! 神聖リアモス王国の女騎士。後1人は誰だかは不明でございます」
「なるほど。了解した。そいつらは今どこにいる」
「応接間の方でございます」
「わかった。俺もすぐに行こう」

♢♢♢

城内帝宮に入ると、タキシードを着た執事たちから、応接間の方へと案内された。
応接間の中には、使われていない暖炉が置かれてあり、冬になると木材とかで火をつけて温めるのだろう。
俺がいた日本ではそんなの見たことすらない。
赤いソファーの上に腰をかけ、テーブルの上には赤色のクロスが置かれていた。
それを止めているのか、赤い薔薇の入った花瓶が置かれてある。
よっぽど赤色が好きなのか?

「ファルモーナス帝国の象徴は、不死鳥で有名なフェニックス。そのため、赤色が多く利用されているわ」
(え、なんでわかったの?)

俺が思っていることを的確に指摘され、俺は戸惑いを見せながらランスの方を見る。

「ふふっ、ここに初めて来る人は、そう思うはずよ。どこを行っても赤、赤、赤。まぁ、それは装飾品だけなのだけどね」

と、ランスは言った。
それを言われ、多分ランスも初めてここに来た時は、そう思った口なのだろうか?
疑問は綺麗に解消され、俺はテーブルの上には置かれているティーカップを手に持つ。
ティーカップの中に入っている、紅茶を飲み、そのランスの“元”婚約者が来るのを待つ。

待ち続けて10分後。
応接間の扉がノックされ、中から若い執事の人が現れる。
そしてその後ろには、威風を醸し出している人物。
艶のある黒髪をし、綺麗な瞳をしている男性。
執事の人よりも高そうな身長。

———おそらく、目の前にいる人物がランスの元婚約者の相手なのだろう。

グロウ・ファン・ファルモーナスとは、この人物。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

男女比1対5000世界で俺はどうすれバインダー…

アルファカッター
ファンタジー
ひょんな事から男女比1対5000の世界に移動した学生の忠野タケル。 そこで生活していく内に色々なトラブルや問題に巻き込まれながら生活していくものがたりである!

スキルはコピーして上書き最強でいいですか~改造初級魔法で便利に異世界ライフ~

深田くれと
ファンタジー
【文庫版2が4月8日に発売されます! ありがとうございます!】 異世界に飛ばされたものの、何の能力も得られなかった青年サナト。街で清掃係として働くかたわら、雑魚モンスターを狩る日々が続いていた。しかしある日、突然仕事を首になり、生きる糧を失ってしまう――。 そこで、サナトの人生を変える大事件が発生する!途方に暮れて挑んだダンジョンにて、ダンジョンを支配するドラゴンと遭遇し、自らを破壊するよう頼まれたのだ。その願いを聞きつつも、ダンジョンの後継者にはならず、能力だけを受け継いだサナト。新たな力――ダンジョンコアとともに、スキルを駆使して異世界で成り上がる!

妖精の森の、日常のおはなし。

華衣
ファンタジー
 気づいたら、知らない森の中に居た僕。火事に巻き込まれて死んだはずだけど、これってもしかして転生した?  でも、なにかがおかしい。まわりの物が全部大きすぎるのだ! 草も、石も、花も、僕の体より大きい。巨人の国に来てしまったのかと思ったけど、よく見たら、僕の方が縮んでいるらしい。  あれ、身体が軽い。ん!?背中から羽が生えてる!? 「僕、妖精になってるー!?」  これは、妖精になった僕の、ただの日常の物語である。 ・毎日18時投稿、たまに休みます。 ・お気に入り&♡ありがとうございます!

神様の手違いで、おまけの転生?!お詫びにチートと無口な騎士団長もらっちゃいました?!

カヨワイさつき
恋愛
最初は、日本人で受験の日に何かにぶつかり死亡。次は、何かの討伐中に、死亡。次に目覚めたら、見知らぬ聖女のそばに、ポツンとおまけの召喚?あまりにも、不細工な為にその場から追い出されてしまった。 前世の記憶はあるものの、どれをとっても短命、不幸な出来事ばかりだった。 全てはドジで少し変なナルシストの神様の手違いだっ。おまけの転生?お詫びにチートと無口で不器用な騎士団長もらっちゃいました。今度こそ、幸せになるかもしれません?!

クラス転移したら種族が変化してたけどとりあえず生きる

アルカス
ファンタジー
16歳になったばかりの高校2年の主人公。 でも、主人公は昔から体が弱くなかなか学校に通えなかった。 でも学校には、行っても俺に声をかけてくれる親友はいた。 その日も体の調子が良くなり、親友と久しぶりの学校に行きHRが終わり先生が出ていったとき、クラスが眩しい光に包まれた。 そして僕は一人、違う場所に飛ばされいた。

魔道具は歌う~パーティ追放後に最高ランクになった俺を幼馴染は信じない。後で気づいてももう遅い、今まで支えてくれた人達がいるから~

喰寝丸太
ファンタジー
異世界転生者シナグルのスキルは傾聴。 音が良く聞こえるだけの取り柄のないものだった、 幼馴染と加入したパーティを追放され、魔道具に出会うまでは。 魔道具の秘密を解き明かしたシナグルは、魔道具職人と冒険者でSSSランクに登り詰めるのだった。 そして再び出会う幼馴染。 彼女は俺がSSSランクだとは信じなかった。 もういい。 密かにやってた支援も打ち切る。 俺以外にも魔道具職人はいるさ。 落ちぶれて行く追放したパーティ。 俺は客とほのぼのとした良い関係を築きながら、成長していくのだった。

転生したら名家の次男になりましたが、俺は汚点らしいです

NEXTブレイブ
ファンタジー
ただの人間、野上良は名家であるグリモワール家の次男に転生したが、その次男には名家の人間でありながら、汚点であるが、兄、姉、母からは愛されていたが、父親からは嫌われていた

バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します

namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。 マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。 その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。 「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。 しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。 「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」 公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。 前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。 これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。

処理中です...