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初めての喧嘩
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あの日の次の日、私はやっぱり言うことができなかった。そのまま気づけば四日もたったころ。
「こよみ、元気ないよ」
「そんなことないよ、元気」
「こよみが元気じゃないと私も元気しゃないのよ」
「菜緒………?」
まずい、勘付かれた?菜緒は鋭いから。
「何かあるなら頼んなよ」
「なお?」
「最近何にも話してくれないじゃない」
「…ごめん」
「こよみ、あんた何か隠してるでしょ」
どうして、わかっちゃうのかなぁ。いつもは綺麗でお姉さんみたいな菜緒は今にも泣き出しそうでとても悲しそうに見える。
「…ごめん」
「ねえ、何がごめんなの。こよみ、何を隠してるの」
「ごめん…」
「…わかったわ、もういい」
菜緒が離れていく。胸がきゅうと締め付けられ切なくなった。苦しくなった。急な不安感に襲われる。実を言えば私と菜緒は今までケンカをしたことがないのだ。
私はどうして菜緒を傷つけることしか出来ないの…。自分自身に降りかかる自己嫌悪感。
気分を変えるために私は屋上に行くことにした。
「少し、寒くなってきたかな…。菜緒…ごめんね。明も…」
私は無意識に明の名前を呼んでいた。一体私どうしちゃったんだろう。
「…呼んだか」
「え?」
気がつくと明がいる。最近よく会うな…。
「なんで…」
「こよみが呼んだからだよ」
どうして、ここにいるの。なんで、そんな優しそうな目で見てくるの。
「やっぱり何かあったんだろ、
話してみ?」
「別に何もないってば」
「…嘘つくの下手すぎだっつったろ?」
「……菜緒とケンカしたの」
流石、これには明も少し驚いている。まじで、と顔に書いてある。
「私が悪いの、菜緒に隠し事してたから。私のせいよ」
「ふーん…なるほどね」
「本当は明にも言わないといけないことなんだけど…」
明は少しの間視線をさまよわせて何か考えてから、聞いてもいいか?と言ってきた。
どうしよう、ここで言うべきなんだろうが…。いや、言うと決めたからには言ってしまわないと。
「実は、この間…わたし、余命宣告されたの」
「は?嘘だろ…」
「嘘じゃないよ。私はきっと…ダメなんだよ」
「そっか…本当にか?」
「ごめんね、本当のことなの」
「確かに…それは菜緒には言いにくいな」
私は一旦深呼吸をして詳細を話した。
「大変だったんだな…ごめん、気づけなくて」
そして明はまた少し考えを巡らす素振りを見てた後何かを決心したかのような顔をした。
「こよみ、今こんな事言うときじゃないとは重々承知しているけど」
「ん?」
明の顔が少し赤い。私は一体どんな顔をしてるのかな。
「俺、お前の事好きだから。今こんな事言うのはずるいってわかってる。でも、俺なら何があってもこよみから離れない自信がある」
この言葉を聞いて最初に思ったのはとても辛いという感情。悲しい、泣きそう。明の好意はただ純粋に嬉しい。嫌われてなかったんだと安心できた。でも、私の事を好きと言ってくれている明に応えられない自分がいるのが悲しかった。ずっと離れないと言ってくれているのにも関わらずに。
私はうつむくしかできなかった。
「多分それは菜緒も一緒だと思う。こよみは、この事を言って菜緒が離れていくかもしれないって怖がってるんだろ。違うか?」
「違わない…」
「離れるなんてこと菜緒がするはずないじゃないか?もちろん俺もだ。離れるなんてありえないから」
ありえない、その言葉がとても嬉しい言葉だった。
「良く考えるよ、二人のこと」
「ああ。こよみ昼から授業ないだろ、送ってく」
「一人で平気だよ?」
「俺が送りたいだけ、問答無用はい用意したら玄関前な」
なんだか、明が心なしか優しくなったかな…。明って本当はこんなに優しいんだね…(失礼
「そう言えば優に言う?」
「私からは無理だから…言ってくれる?」
「わかった…」
色々考えることがある。
明への返事、菜緒への言葉。
私が死ぬ前に絶対しないとならないことになった。
私のタイムリミットはいつだろうか。若いから明日…なんてこともあるかもしれない。だから私はこれからの毎日を悔いのないように過ごすことに、決めた。
「こよみ、元気ないよ」
「そんなことないよ、元気」
「こよみが元気じゃないと私も元気しゃないのよ」
「菜緒………?」
まずい、勘付かれた?菜緒は鋭いから。
「何かあるなら頼んなよ」
「なお?」
「最近何にも話してくれないじゃない」
「…ごめん」
「こよみ、あんた何か隠してるでしょ」
どうして、わかっちゃうのかなぁ。いつもは綺麗でお姉さんみたいな菜緒は今にも泣き出しそうでとても悲しそうに見える。
「…ごめん」
「ねえ、何がごめんなの。こよみ、何を隠してるの」
「ごめん…」
「…わかったわ、もういい」
菜緒が離れていく。胸がきゅうと締め付けられ切なくなった。苦しくなった。急な不安感に襲われる。実を言えば私と菜緒は今までケンカをしたことがないのだ。
私はどうして菜緒を傷つけることしか出来ないの…。自分自身に降りかかる自己嫌悪感。
気分を変えるために私は屋上に行くことにした。
「少し、寒くなってきたかな…。菜緒…ごめんね。明も…」
私は無意識に明の名前を呼んでいた。一体私どうしちゃったんだろう。
「…呼んだか」
「え?」
気がつくと明がいる。最近よく会うな…。
「なんで…」
「こよみが呼んだからだよ」
どうして、ここにいるの。なんで、そんな優しそうな目で見てくるの。
「やっぱり何かあったんだろ、
話してみ?」
「別に何もないってば」
「…嘘つくの下手すぎだっつったろ?」
「……菜緒とケンカしたの」
流石、これには明も少し驚いている。まじで、と顔に書いてある。
「私が悪いの、菜緒に隠し事してたから。私のせいよ」
「ふーん…なるほどね」
「本当は明にも言わないといけないことなんだけど…」
明は少しの間視線をさまよわせて何か考えてから、聞いてもいいか?と言ってきた。
どうしよう、ここで言うべきなんだろうが…。いや、言うと決めたからには言ってしまわないと。
「実は、この間…わたし、余命宣告されたの」
「は?嘘だろ…」
「嘘じゃないよ。私はきっと…ダメなんだよ」
「そっか…本当にか?」
「ごめんね、本当のことなの」
「確かに…それは菜緒には言いにくいな」
私は一旦深呼吸をして詳細を話した。
「大変だったんだな…ごめん、気づけなくて」
そして明はまた少し考えを巡らす素振りを見てた後何かを決心したかのような顔をした。
「こよみ、今こんな事言うときじゃないとは重々承知しているけど」
「ん?」
明の顔が少し赤い。私は一体どんな顔をしてるのかな。
「俺、お前の事好きだから。今こんな事言うのはずるいってわかってる。でも、俺なら何があってもこよみから離れない自信がある」
この言葉を聞いて最初に思ったのはとても辛いという感情。悲しい、泣きそう。明の好意はただ純粋に嬉しい。嫌われてなかったんだと安心できた。でも、私の事を好きと言ってくれている明に応えられない自分がいるのが悲しかった。ずっと離れないと言ってくれているのにも関わらずに。
私はうつむくしかできなかった。
「多分それは菜緒も一緒だと思う。こよみは、この事を言って菜緒が離れていくかもしれないって怖がってるんだろ。違うか?」
「違わない…」
「離れるなんてこと菜緒がするはずないじゃないか?もちろん俺もだ。離れるなんてありえないから」
ありえない、その言葉がとても嬉しい言葉だった。
「良く考えるよ、二人のこと」
「ああ。こよみ昼から授業ないだろ、送ってく」
「一人で平気だよ?」
「俺が送りたいだけ、問答無用はい用意したら玄関前な」
なんだか、明が心なしか優しくなったかな…。明って本当はこんなに優しいんだね…(失礼
「そう言えば優に言う?」
「私からは無理だから…言ってくれる?」
「わかった…」
色々考えることがある。
明への返事、菜緒への言葉。
私が死ぬ前に絶対しないとならないことになった。
私のタイムリミットはいつだろうか。若いから明日…なんてこともあるかもしれない。だから私はこれからの毎日を悔いのないように過ごすことに、決めた。
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