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仲直り
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いつも通りの登校…でも隣に菜緒がいないのがとても寂しく感じる。菜緒を見かけて声をかけてみるものの無視されてしまう。
「やっぱり怒ってるよね…」
「おー、今日の懇談は坂倉だけだからー」
「どうしてですか?」
先生と男子生徒の話し声が聞こえる。
「進路が複雑なんだよ」
まあ確かにね。天国か地獄かはわからないけどそっちに進学?就職?しちゃうんだから。
何事もなく終わり懇談の時間になった。
「で、あいつらには言うのか?」
「クラスメイトには、私が入院するときに自分が」
「わかった、でも後悔しないようにな?」
それはまるで、菜緒とのことを言われているような気がした。
少し驚いた顔を向けると、
「あのなぁ、俺も伊達に教師やってんだからな。そんくらいわかるっつーの」
なんだかんだいい先生。ちゃんと考えてくれてる。
懇談は終わったけど今日は病院の日だ。気が重い…。
「あ、ちゃんと来たね~。薬は飲んでる?何にもなかった?」
「飲んでる、でももうなくなる」
「じゃあ出しておくね」
菜緒のこと相談してみようかな。
「私…大切な人とケンカしちゃったんです。私が病気のこと隠してるから。私の命が短いこと、もう直ぐ死ぬということを菜緒に言わないほうが傷つけないで済むって思ってたけど、菜緒は違ったんです」
知ったらきっと傷つくだろう。寂しい思いも悲しい思いもさせてしまう。
「大切な人に、秘密にされるのって嫌よね。多分心配してるのよ」
でも、と言いかけるが、
「大丈夫。受け止めてくれるよ、きっと」
遮られてしまった。
やっぱり、ちゃんと言うんだ。明日、菜緒に言おう。今度こそ。
「うわっ、どうした?こよみ、何かあったか?」
「一緒に学校行こ」
「いや、別にそれは構わないけど…」
次の日の朝、私は明を家の前で待ち伏せて一緒に学校に行くことにした。
あの日、告白されて以来もあまり態度を変えないでいてくれるのでありがたい。
「今日菜緒に言おうと思って。だから、あの…一緒に来てくれないかな」
「いいよ、じゃあ昼休み迎えに行くから」
今気づいたけど、私普通に明と喋れてる。明といるのが嫌じゃなくなってる。
教室に行けば菜緒と目があう。そらされる前に私は話しかけた。
「菜緒、昼休み屋上に来て欲しいの。大切な話をするから」
菜緒は、わかった、と短く言ってまた行ってしまった。
「大丈夫、こよみならちゃんと菜緒に言えるさ」
明が緊張をほぐそうとしてくれる。
緊張する…。やっぱり言わないほうがいいかな、その方が菜緒のためになるかな…。考えてもキリのない事がぐるぐると頭の中で渦巻く。
ああ、ダメだこんなに考えたら、また頭痛くなっちゃう…。緊張とかプレッシャーはあまり良くないと言われた。
なんて考えていると…
___ズキッ
「いっ………ん」
「こよみ…?おい、大丈夫か?!」
私の異変に気付いた明。次第に立てなくなって倒れこんだのを明が抱く。
「あ…きら、薬がっ。ポケットの…な、か」
「わかったっ」
明は私の上着から薬を出して私に飲ませてくれた。
「わり、俺の水しかないけど我慢してな」
「……ん、…はぁー。しんどかった」
この発作が起きたら私は自分の死を実感させられるので嫌だ。
「今のが…発作的なもの?」
「うん。ごめん迷惑かけたね」
「はぁ…焦った。正直、こんなに辛そうだとは思ってなかったから。ほんとにこよみがどうにかなってしまいそうで…」
「大丈夫だよ、もう平気だから」
その時、後ろからドアの開く音が聞こえた。
「来てくれるって信じてたよ、菜緒」
「何かあるの?」
大丈夫話せるよ、言わないとだめなの。
菜緒、ごめんね。今からちゃんと言うからね。菜緒が傷ついてしまっても隠し通すのは違うと思ったから。
「私ね………」
「……え?」
「やっぱり怒ってるよね…」
「おー、今日の懇談は坂倉だけだからー」
「どうしてですか?」
先生と男子生徒の話し声が聞こえる。
「進路が複雑なんだよ」
まあ確かにね。天国か地獄かはわからないけどそっちに進学?就職?しちゃうんだから。
何事もなく終わり懇談の時間になった。
「で、あいつらには言うのか?」
「クラスメイトには、私が入院するときに自分が」
「わかった、でも後悔しないようにな?」
それはまるで、菜緒とのことを言われているような気がした。
少し驚いた顔を向けると、
「あのなぁ、俺も伊達に教師やってんだからな。そんくらいわかるっつーの」
なんだかんだいい先生。ちゃんと考えてくれてる。
懇談は終わったけど今日は病院の日だ。気が重い…。
「あ、ちゃんと来たね~。薬は飲んでる?何にもなかった?」
「飲んでる、でももうなくなる」
「じゃあ出しておくね」
菜緒のこと相談してみようかな。
「私…大切な人とケンカしちゃったんです。私が病気のこと隠してるから。私の命が短いこと、もう直ぐ死ぬということを菜緒に言わないほうが傷つけないで済むって思ってたけど、菜緒は違ったんです」
知ったらきっと傷つくだろう。寂しい思いも悲しい思いもさせてしまう。
「大切な人に、秘密にされるのって嫌よね。多分心配してるのよ」
でも、と言いかけるが、
「大丈夫。受け止めてくれるよ、きっと」
遮られてしまった。
やっぱり、ちゃんと言うんだ。明日、菜緒に言おう。今度こそ。
「うわっ、どうした?こよみ、何かあったか?」
「一緒に学校行こ」
「いや、別にそれは構わないけど…」
次の日の朝、私は明を家の前で待ち伏せて一緒に学校に行くことにした。
あの日、告白されて以来もあまり態度を変えないでいてくれるのでありがたい。
「今日菜緒に言おうと思って。だから、あの…一緒に来てくれないかな」
「いいよ、じゃあ昼休み迎えに行くから」
今気づいたけど、私普通に明と喋れてる。明といるのが嫌じゃなくなってる。
教室に行けば菜緒と目があう。そらされる前に私は話しかけた。
「菜緒、昼休み屋上に来て欲しいの。大切な話をするから」
菜緒は、わかった、と短く言ってまた行ってしまった。
「大丈夫、こよみならちゃんと菜緒に言えるさ」
明が緊張をほぐそうとしてくれる。
緊張する…。やっぱり言わないほうがいいかな、その方が菜緒のためになるかな…。考えてもキリのない事がぐるぐると頭の中で渦巻く。
ああ、ダメだこんなに考えたら、また頭痛くなっちゃう…。緊張とかプレッシャーはあまり良くないと言われた。
なんて考えていると…
___ズキッ
「いっ………ん」
「こよみ…?おい、大丈夫か?!」
私の異変に気付いた明。次第に立てなくなって倒れこんだのを明が抱く。
「あ…きら、薬がっ。ポケットの…な、か」
「わかったっ」
明は私の上着から薬を出して私に飲ませてくれた。
「わり、俺の水しかないけど我慢してな」
「……ん、…はぁー。しんどかった」
この発作が起きたら私は自分の死を実感させられるので嫌だ。
「今のが…発作的なもの?」
「うん。ごめん迷惑かけたね」
「はぁ…焦った。正直、こんなに辛そうだとは思ってなかったから。ほんとにこよみがどうにかなってしまいそうで…」
「大丈夫だよ、もう平気だから」
その時、後ろからドアの開く音が聞こえた。
「来てくれるって信じてたよ、菜緒」
「何かあるの?」
大丈夫話せるよ、言わないとだめなの。
菜緒、ごめんね。今からちゃんと言うからね。菜緒が傷ついてしまっても隠し通すのは違うと思ったから。
「私ね………」
「……え?」
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