空からのI LOVE YOU

奈津 柚亜里

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文化祭

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そしてあっという間に文化祭当日。
私はと言うと、鏡の前で固まっている。

「こ、これは…」

「こよみもう着た?早くしなよ…ふふっ…」

菜緒め…私が何着るか知ってたな…。裏切り者~!!

「不思議の国の少女風なんてこよみにぴったりだと思うけど?」

「…ど、どうですか」

「か、可愛いよ。写メ二人で撮ろう!二人に送ってやる…」

いいけど…菜緒さん、すっごい楽しそうね。



「なんか菜緒からメッセージきた」

「んー?あ、俺もだー…これは…」

「…やばいな」

「うん。やばいね…」

それぞれに悶える二人。端から見れば、さぞかしおかしな人だろう。

「またなんか来た…『ナンパ。危険。』ってなんだよ」

「…ね、それってさもしかしてこよみちゃんナンパされてんじゃないの?」

「…俺行ってくる」

「はいはい…」



「いらっしゃいませ。お席にご案内…します」

着替えて教室に行った私は早速接客することになった。

「うわ…可愛くね?ねーねー、ID交換しない?」

えっと…あの…。こういうときはどうすれば??!!

「こ、こまります」

「じゃあ俺もー!あ、この後暇ある?一緒に回んない?」

どうしましょう、ピンチです。菜緒はこんな時に限って厨房で手伝いしてるし!誰かー!
すると私の前に壁ができる。

「っ……はぁ…、やめろ」

明が私の前に立ってくれた。なんでここに…??

「彼氏??いーじゃんIDくらい」

「そーだよ。こいつ怖がってんじゃん?大人しくひいとくほうがいいと思うけど」

「ちっ…行こうぜ…」

ナンパ男たちはみんな退散していった。

「ありがとう」

「いや…べつに…」

なんでだろう、明がこっちを見てくれない。あ…もしかして。

「こういう服嫌い?似合ってないよね…」

見る分には良いんだけど自分が着るとなるとダメなのね…。

「あー…ちげーよ。似合ってるよ」

っ…なんか素直に言われると照れるなぁ…。

「つーわけで、行くぞ」

行くってどこに…。ついて行ったらわかるかな。
そしてやってきたのは空き教室。

「ふぅ…少し疲れたな」

「私のためにありがとね」

そう言ったら明は少しニヤッとして

「なら、こよみが癒してくれるか?」

「?いいけど……。……っひゃぁ…びっくりした…。な、なに??」

急に抱きつくなんて…。

「何って…いやし?」

そういうことじゃない!!そういうことだけど!!

「楽しかった?」

「ああ。そろそろ後夜祭だな。後で待ち合わせよう」

「うん!」

何事もなく終わってよかったよ…。なんて思ったのもつかの間。私に事件が降りかかる。


私は明を待っていた。すると急に後ろから口を押さえられて…

「んんっーー!」

あ、布になにか…はいって…る…。


「ごめんねー?アリスちゃん」

この声…だれ?この匂い…どこかで…明に…言わ…ないと…。

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