シンデレラっぽいBL

うましか

文字の大きさ
3 / 6

魔法使いのおじいさん

しおりを挟む


 舞踏会当日。継母と2人の姉はシンデレラがデザイナーと切磋琢磨して用意されたコーディネートを着てお城に向かうのでした。当然シンデレラはお留守番です。
 家中の掃除と片づけを命じられましたが、シンデレラの手にかかれば最速で終了します。空いた時間に料理か、裁縫か、デザインの勉強をしようかと悩んでいると、突然シンデレラのそばに光が現れました。

「まぶしっ!?」

 光が消え現れたのは魔法使いのおじいさんでした。見事なつるっぱげでした。

「あ、光が消えてもまぶしい!」
「黙らっしゃい」

 シンデレラの発言に魔法使いはツッコミを入れた後、シンデレラに舞踏会に行くよう勧めました。シンデレラは全力で拒否ります。突然現れた胡散臭いおじいさんに対して警戒心を強めていたからです。ですが初対面で胡散臭いなど言えるわけがありません。

「舞踏会にいけるような服を持っていないので」
「任せなさい」

 とりあえずそれっぽい理由で諦めてもらおうと思ったシンデレラでしたが、魔法使いはきっぱり言い切るとシンデレラに魔法をかけました。するとボサボサだった髪は綺麗に整えられ、芋ジャーともいえる服はすばらしい青いドレスに変わりました。身だしなみさえ整っていたら美人のシンデレラは、それはもう美しい青年でした。
 その姿は見た目だけならば、よくあるBLマンガの中性美人の受けのようです。

 シンデレラは鏡で自分の姿を見て泣きそうになりました。
 自分が綺麗になったからではありません。ちょちょいのちょいで完成された美しいドレスに、姉たちのドレスをデザインし作成するのにかかった長い年月の空しさを感じたからでした。


 続いて魔法使いはカボチャとネズミを用意するように言いました。

「あるわけねぇだろうが」

 シンデレラは少しキレながら答えました。カボチャという栄養価の高い食べ物、ガンガン食事に使うに決まっています。そしてシンデレラが徹底的に掃除しているためネズミどころかゴキブリすら家にはいませんでした。
 しかし馬車と馬を用意しなければ話は進みません。
 仕方なく常備菜のタマネギを馬車に、窓から入り込んできたハエを馬に変えました。ぶっちゃけシンデレラは行きたくなかったのですが、強引な魔法使いに行けと言われてしまいます。

 ですがここでシンデレラは思いました。
 今まで自分をこき使った姉や継母の鼻を明かすことができるのではないかと。

 それだけを胸に、シンデレラは舞踏会へと向かうのでした。


しおりを挟む
感想 3

あなたにおすすめの小説

後宮の男妃

紅林
BL
碧凌帝国には年老いた名君がいた。 もう間もなくその命尽きると噂される宮殿で皇帝の寵愛を一身に受けていると噂される男妃のお話。

あなたと過ごせた日々は幸せでした

蒸しケーキ
BL
結婚から五年後、幸せな日々を過ごしていたシューン・トアは、突然義父に「息子と別れてやってくれ」と冷酷に告げられる。そんな言葉にシューンは、何一つ言い返せず、飲み込むしかなかった。そして、夫であるアインス・キールに離婚を切り出すが、アインスがそう簡単にシューンを手離す訳もなく......。

久々に幼なじみの家に遊びに行ったら、寝ている間に…

しゅうじつ
BL
俺の隣の家に住んでいる有沢は幼なじみだ。 高校に入ってからは、学校で話したり遊んだりするくらいの仲だったが、今日数人の友達と彼の家に遊びに行くことになった。 数年ぶりの幼なじみの家を懐かしんでいる中、いつの間にか友人たちは帰っており、幼なじみと2人きりに。 そこで俺は彼の部屋であるものを見つけてしまい、部屋に来た有沢に咄嗟に寝たフリをするが…

【完結】義兄に十年片想いしているけれど、もう諦めます

夏ノ宮萄玄
BL
 オレには、親の再婚によってできた義兄がいる。彼に対しオレが長年抱き続けてきた想いとは。  ――どうしてオレは、この不毛な恋心を捨て去ることができないのだろう。  懊悩する義弟の桧理(かいり)に訪れた終わり。  義兄×義弟。美形で穏やかな社会人義兄と、つい先日まで高校生だった少しマイナス思考の義弟の話。短編小説です。

キサラギムツキ
BL
長い間アプローチし続け恋人同士になれたのはよかったが…………… 攻め視点から最後受け視点。 残酷な描写があります。気になる方はお気をつけください。

学園の俺様と、辺境地の僕

そらうみ
BL
この国の三大貴族の一つであるルーン・ホワイトが、何故か僕に構ってくる。学園生活を平穏に過ごしたいだけなのに、ルーンのせいで僕は皆の注目の的となってしまった。卒業すれば関わることもなくなるのに、ルーンは一体…何を考えているんだ? 【全12話になります。よろしくお願いします。】

罰ゲームって楽しいね♪

あああ
BL
「好きだ…付き合ってくれ。」 おれ七海 直也(ななみ なおや)は 告白された。 クールでかっこいいと言われている 鈴木 海(すずき かい)に、告白、 さ、れ、た。さ、れ、た!のだ。 なのにブスッと不機嫌な顔をしておれの 告白の答えを待つ…。 おれは、わかっていた────これは 罰ゲームだ。 きっと罰ゲームで『男に告白しろ』 とでも言われたのだろう…。 いいよ、なら──楽しんでやろう!! てめぇの嫌そうなゴミを見ている顔が こっちは好みなんだよ!どーだ、キモイだろ! ひょんなことで海とつき合ったおれ…。 だが、それが…とんでもないことになる。 ────あぁ、罰ゲームって楽しいね♪ この作品はpixivにも記載されています。

身代わり召喚された俺は四人の支配者に溺愛される〜囲い込まれて逃げられません〜

たら昆布
BL
間違って異世界召喚された青年が4人の男に愛される話

処理中です...