5 / 5
妄想している場合じゃない!
しおりを挟む
私、桂木 琴音、スーパーマーケットで働いている26歳。
悲しいことに、フリーの身。
もしかして、このまま、ずっと彼氏無しの日々が続いてしまうのかと心配になる。
どうしよう、出逢いが無いまま、お婆さんになってしまったら。
嫌だ、ゾッとする。
妄想だけで、人生を終わらせたくない!
何が何でも、恋愛をする!
と言っても、現実は難しい。
ああぁ、ホント虚しいけど、今は仕事に集中するしかないかな。
「おーい桂木、広告のカレー粉発注したか?」
向坂チーフが、バックヤードにいる私に言いに来た。
「あ、これからします」
「忘れたら大変だぞ。
いいな、今やれ、直ぐやれ!」
そう命令して、また店内へと戻って行った。
それにしても、向坂チーフ。
うちの会社だって、コンプライアンスが厳しくなってきたのに、まだ、あの口の悪さは直らない。
互いに尊敬の心を持ちましょう!という会社の方針に反していると思うんだけど。
私にだけ当たりが強い気がするんだけど、そんなの理不尽だ!
「こんにちは。
桂木さん、検品をお願いします」
バックヤードに入って来たのは、取引先の飲料メーカー、ワンボトラーズの社員さんで、こちらで注文をした商品を届けに来たのだ。
「飯田さん、こんにちは。
外に積んでありますよね。
今、行きます」
これから、台車に積まれた箱の数と、納品書の数が合っているのかをチェックするのだ。
「コーラ1.5が5」
私が言うと、飯田さんが箱を数える。
「1.2.3.4.5、5です」
それを私も一緒に目で追う。
「はい。
次は、サイダー2リットルが3……。
はい、お茶500が10」
ああ、異性と一緒に共同作業をしている!
などとは、喜べない。
だって、この人もおじさんだし。
しっかり妻帯者だよ、あああ。
「そうだ、桂木さん、僕、来週から配送ルートが変わるんですよ」
「えー、もうここへは来ないんですか。
そうなんですかぁ、寂しくなっちゃいます。
……で、次の担当者はどんな方ですか?」
「ああ、若くて元気なヤツですよ。
また、よろしくお願いします」
若いヤツだって。
やった、これは、期待しちゃう!
もしかして、その人と……。
何かあったりして、うふふ。
「すみません桂木さん、お客様がビールを箱で欲しいそうです。
在庫ありますか?」
他部門の人が聞いてきた。
「はーい、今、行きます」
ビールを確認しようとしていると、さっきとは違う他部門の人がやって来た。
「あっ、桂木さん、いてくれて良かった。
コーンスターチってありますか?」
「あー、今、接客中です。
2番通路の粉物を見てもらっていいですか?」
私は今日も、慌ただしく働き、帰って寝るだけの時を過ごすだろう。
はあ、刺激が欲しい。
…………………
だからって、こんな刺激は望んでいない。
「桂木、カレー粉が納品されていないが、どういうことだ?」
「はいっ、私が発注を忘れました。
すみません、すみません、すみません」
「俺があれほど言ったのに……」
明日からの広告に掲載されている目玉商品を、私が発注し忘れてしまったのだ。
現在庫だけでは、明らかに足りない。
涙目の私は、ひたすら謝り、心の中で自分を罵倒する。
私のバカ、アホ、あー、どうしよう!
「はあ、仕方ないなぁ。
こっから先は俺の仕事だ。
こんな時の為に、俺がいるんだし。
桂木、何とかするからな。
ただし、今から俺は休みだと思え!
業務は、お前に任せるぞ」
「はい、すみません、すみません、よろしくお願いします」
なんだか向坂チーフが、頼もしいしカッコいいです。
輝いて見えます!
それから向坂チーフは、近隣の店舗に電話をかけまくる。
「……ったく、隣店以外は全くダメだなっ。うーん、アイツに頼んでみるか」
うわっ、苦戦しているのかな。
向坂チーフ、ごめんなさい。
「桂木、隣店の朝桜店から少し分けて貰えることになった、そっちは明日の朝、借りに行く。
で、今から藤森店に行ってくる。
天羽が、多く仕入れたから渡せる!と言ってくれたぞ」
「えっ、本当ですか?
ああ、良かった。
でも県外なのに、取りに行って貰うなんて、本当に申し訳ありません」
「おい、俺を拝むなよ。
じゃあ、行ってくるから。
後は頼んだぞ」
天羽さんも、助けてくれてありがとうございます。
そして、閉店作業中に向坂チーフは、無事に帰って来た。
「おかえりなさい。
道路が混んで大変でしたよね。
お疲れ様でした。
ありがとうございました」
心から感謝をしている私は、椅子に座った向坂チーフの肩を、無意識にほぐし始めた。
「おっ、何だ?
桂木、いいよ、止めろって。
俺、若いし、疲れてないから。
これからは、気をつけろよ。
大丈夫だ、もう気にするなって。
それよりも、後で天羽に礼を言っとけよ」
えっ、優しい!
この人、こんなに優しい人だった?
全然、気が付かなかったよ。
………………
私は家に着き、早速、電話をする。
「はい、天羽です。
桂木さん、久しぶりだね」
「天羽さん、この度は本当に本当に、ありがとうございました。
もう生きた心地しませんでしたけど、お陰で助かりました」
「困った時は、お互い様だからね。
向坂さんは、自分の責任だからカレー粉を取りに来た、って言ってたよ。
いい上司で良かったね」
私は、スマホを耳に当てながら、何度も頷いた。
「はいっ!向坂チーフは、神様みたいな人だと思っています。
それに天羽さんは、女神様です」
「やだ、ぶっ、私が女神って……。
面白い事を言うね。
あっ、そうだ、その後、あのホテルには行ったの?
何か鳥の巣を見に行きたいとか言っていたけど?
私が忙しくて、付き合ってあげられなかったでしょ。
どうしたかな?って、気になっていたんだ」
「ああ、あの事ですか。
私も忙しくて、行きそびれちゃいました。
行ったところで、あのスタッフさんに会うとは限らないし、私を覚えているわけないから」
わざわざ鳥の巣を見せてくれたのに、好意を無にしてしまったようで、申し訳なく思っている。
「天羽さんこそ、あの彼氏さんとは、どうなったんですか?」
「うーん、私も向こうも忙しいから、なかなか会えなくて。
メッセージのやり取りだけしてる感じかな。
あっ、でもね、今度向こうの実家に……」
「えー!行くんですか?
それって、それって、結婚?」
「桂木さん、気が早い。
そんなんでは無いと思うけど。
ご両親が会いたがっているって……」
「へえ、それはもう完全に!ですね?
私は、彼氏さんに会ってみたいです。
声しか聞いていないし、顔が見たいです。
ねえ天羽さん、また、あのホテルに行きましょうよ。
ついでに、あのスタッフさんに会えたら、謝りたいし……」
「ふーん、そのスタッフさんに会いたいってことか」
「いえ、ちょっと違うと思いますけど……。
逢いたいのは、どちらかというと」
「分かった、分かった、都合がついたら泊まりに行こう。
でも、彼に泊まる事は、言わないからね」
「えー!何でですか?
会わせてくださいよ」
「言ったら、多分、何かと気を使ってくれると思うし。
そしたら、悪いもの。
会えたらラッキーという程度で、我慢してね!」
「はーい。
じゃあ、いつなら大丈夫ですか?」
ということで、私達は都合の良い日を決め、無事にホテルの予約も完了した。
ああ、やっと行ける、待ち遠しいな。
あのスタッフさんと、初夏前頃に約束をして、今はまだ暑いけど初秋だ。
鳥の巣は、どうなったのかな?
雛鳥って、いるのかな?
……フロントの戸塚さんは、私のこと覚えているのかな?
覚えているわけないか。
毎日、沢山の人と接しているんだものね。
それでも、カレンダホテルに行くのは楽しみだな。
悲しいことに、フリーの身。
もしかして、このまま、ずっと彼氏無しの日々が続いてしまうのかと心配になる。
どうしよう、出逢いが無いまま、お婆さんになってしまったら。
嫌だ、ゾッとする。
妄想だけで、人生を終わらせたくない!
何が何でも、恋愛をする!
と言っても、現実は難しい。
ああぁ、ホント虚しいけど、今は仕事に集中するしかないかな。
「おーい桂木、広告のカレー粉発注したか?」
向坂チーフが、バックヤードにいる私に言いに来た。
「あ、これからします」
「忘れたら大変だぞ。
いいな、今やれ、直ぐやれ!」
そう命令して、また店内へと戻って行った。
それにしても、向坂チーフ。
うちの会社だって、コンプライアンスが厳しくなってきたのに、まだ、あの口の悪さは直らない。
互いに尊敬の心を持ちましょう!という会社の方針に反していると思うんだけど。
私にだけ当たりが強い気がするんだけど、そんなの理不尽だ!
「こんにちは。
桂木さん、検品をお願いします」
バックヤードに入って来たのは、取引先の飲料メーカー、ワンボトラーズの社員さんで、こちらで注文をした商品を届けに来たのだ。
「飯田さん、こんにちは。
外に積んでありますよね。
今、行きます」
これから、台車に積まれた箱の数と、納品書の数が合っているのかをチェックするのだ。
「コーラ1.5が5」
私が言うと、飯田さんが箱を数える。
「1.2.3.4.5、5です」
それを私も一緒に目で追う。
「はい。
次は、サイダー2リットルが3……。
はい、お茶500が10」
ああ、異性と一緒に共同作業をしている!
などとは、喜べない。
だって、この人もおじさんだし。
しっかり妻帯者だよ、あああ。
「そうだ、桂木さん、僕、来週から配送ルートが変わるんですよ」
「えー、もうここへは来ないんですか。
そうなんですかぁ、寂しくなっちゃいます。
……で、次の担当者はどんな方ですか?」
「ああ、若くて元気なヤツですよ。
また、よろしくお願いします」
若いヤツだって。
やった、これは、期待しちゃう!
もしかして、その人と……。
何かあったりして、うふふ。
「すみません桂木さん、お客様がビールを箱で欲しいそうです。
在庫ありますか?」
他部門の人が聞いてきた。
「はーい、今、行きます」
ビールを確認しようとしていると、さっきとは違う他部門の人がやって来た。
「あっ、桂木さん、いてくれて良かった。
コーンスターチってありますか?」
「あー、今、接客中です。
2番通路の粉物を見てもらっていいですか?」
私は今日も、慌ただしく働き、帰って寝るだけの時を過ごすだろう。
はあ、刺激が欲しい。
…………………
だからって、こんな刺激は望んでいない。
「桂木、カレー粉が納品されていないが、どういうことだ?」
「はいっ、私が発注を忘れました。
すみません、すみません、すみません」
「俺があれほど言ったのに……」
明日からの広告に掲載されている目玉商品を、私が発注し忘れてしまったのだ。
現在庫だけでは、明らかに足りない。
涙目の私は、ひたすら謝り、心の中で自分を罵倒する。
私のバカ、アホ、あー、どうしよう!
「はあ、仕方ないなぁ。
こっから先は俺の仕事だ。
こんな時の為に、俺がいるんだし。
桂木、何とかするからな。
ただし、今から俺は休みだと思え!
業務は、お前に任せるぞ」
「はい、すみません、すみません、よろしくお願いします」
なんだか向坂チーフが、頼もしいしカッコいいです。
輝いて見えます!
それから向坂チーフは、近隣の店舗に電話をかけまくる。
「……ったく、隣店以外は全くダメだなっ。うーん、アイツに頼んでみるか」
うわっ、苦戦しているのかな。
向坂チーフ、ごめんなさい。
「桂木、隣店の朝桜店から少し分けて貰えることになった、そっちは明日の朝、借りに行く。
で、今から藤森店に行ってくる。
天羽が、多く仕入れたから渡せる!と言ってくれたぞ」
「えっ、本当ですか?
ああ、良かった。
でも県外なのに、取りに行って貰うなんて、本当に申し訳ありません」
「おい、俺を拝むなよ。
じゃあ、行ってくるから。
後は頼んだぞ」
天羽さんも、助けてくれてありがとうございます。
そして、閉店作業中に向坂チーフは、無事に帰って来た。
「おかえりなさい。
道路が混んで大変でしたよね。
お疲れ様でした。
ありがとうございました」
心から感謝をしている私は、椅子に座った向坂チーフの肩を、無意識にほぐし始めた。
「おっ、何だ?
桂木、いいよ、止めろって。
俺、若いし、疲れてないから。
これからは、気をつけろよ。
大丈夫だ、もう気にするなって。
それよりも、後で天羽に礼を言っとけよ」
えっ、優しい!
この人、こんなに優しい人だった?
全然、気が付かなかったよ。
………………
私は家に着き、早速、電話をする。
「はい、天羽です。
桂木さん、久しぶりだね」
「天羽さん、この度は本当に本当に、ありがとうございました。
もう生きた心地しませんでしたけど、お陰で助かりました」
「困った時は、お互い様だからね。
向坂さんは、自分の責任だからカレー粉を取りに来た、って言ってたよ。
いい上司で良かったね」
私は、スマホを耳に当てながら、何度も頷いた。
「はいっ!向坂チーフは、神様みたいな人だと思っています。
それに天羽さんは、女神様です」
「やだ、ぶっ、私が女神って……。
面白い事を言うね。
あっ、そうだ、その後、あのホテルには行ったの?
何か鳥の巣を見に行きたいとか言っていたけど?
私が忙しくて、付き合ってあげられなかったでしょ。
どうしたかな?って、気になっていたんだ」
「ああ、あの事ですか。
私も忙しくて、行きそびれちゃいました。
行ったところで、あのスタッフさんに会うとは限らないし、私を覚えているわけないから」
わざわざ鳥の巣を見せてくれたのに、好意を無にしてしまったようで、申し訳なく思っている。
「天羽さんこそ、あの彼氏さんとは、どうなったんですか?」
「うーん、私も向こうも忙しいから、なかなか会えなくて。
メッセージのやり取りだけしてる感じかな。
あっ、でもね、今度向こうの実家に……」
「えー!行くんですか?
それって、それって、結婚?」
「桂木さん、気が早い。
そんなんでは無いと思うけど。
ご両親が会いたがっているって……」
「へえ、それはもう完全に!ですね?
私は、彼氏さんに会ってみたいです。
声しか聞いていないし、顔が見たいです。
ねえ天羽さん、また、あのホテルに行きましょうよ。
ついでに、あのスタッフさんに会えたら、謝りたいし……」
「ふーん、そのスタッフさんに会いたいってことか」
「いえ、ちょっと違うと思いますけど……。
逢いたいのは、どちらかというと」
「分かった、分かった、都合がついたら泊まりに行こう。
でも、彼に泊まる事は、言わないからね」
「えー!何でですか?
会わせてくださいよ」
「言ったら、多分、何かと気を使ってくれると思うし。
そしたら、悪いもの。
会えたらラッキーという程度で、我慢してね!」
「はーい。
じゃあ、いつなら大丈夫ですか?」
ということで、私達は都合の良い日を決め、無事にホテルの予約も完了した。
ああ、やっと行ける、待ち遠しいな。
あのスタッフさんと、初夏前頃に約束をして、今はまだ暑いけど初秋だ。
鳥の巣は、どうなったのかな?
雛鳥って、いるのかな?
……フロントの戸塚さんは、私のこと覚えているのかな?
覚えているわけないか。
毎日、沢山の人と接しているんだものね。
それでも、カレンダホテルに行くのは楽しみだな。
0
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
ちょっと大人な物語はこちらです
神崎 未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な短編物語集です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
一条さん結婚したんですか⁉︎
あさとよる
恋愛
みんなの憧れハイスペックエリートサラリーマン『一条 美郷(※超イケメン)』が、結婚してしまった⁉︎
嫁ラブの旦那様と毒舌地味嫁(花ちゃん)....とっ!その他大勢でお送りしますっ♡
((残念なイケメンの一途過ぎる溺愛♡))のはじまりはじまり〜
⭐︎本編は完結しております⭐︎
⭐︎番外編更新中⭐︎
【完結】退職を伝えたら、無愛想な上司に囲われました〜逃げられると思ったのが間違いでした〜
来栖れいな
恋愛
逃げたかったのは、
疲れきった日々と、叶うはずのない憧れ――のはずだった。
無愛想で冷静な上司・東條崇雅。
その背中に、ただ静かに憧れを抱きながら、
仕事の重圧と、自分の想いの行き場に限界を感じて、私は退職を申し出た。
けれど――
そこから、彼の態度は変わり始めた。
苦手な仕事から外され、
負担を減らされ、
静かに、けれど確実に囲い込まれていく私。
「辞めるのは認めない」
そんな言葉すらないのに、
無言の圧力と、不器用な優しさが、私を縛りつけていく。
これは愛?
それともただの執着?
じれじれと、甘く、不器用に。
二人の距離は、静かに、でも確かに近づいていく――。
無愛想な上司に、心ごと囲い込まれる、じれじれ溺愛・執着オフィスラブ。
※この物語はフィクションです。
登場する人物・団体・名称・出来事などはすべて架空であり、実在のものとは一切関係ありません。
病弱な彼女は、外科医の先生に静かに愛されています 〜穏やかな執着に、逃げ場はない〜
来栖れいな
恋愛
――穏やかな微笑みの裏に、逃げられない愛があった。
望んでいたわけじゃない。
けれど、逃げられなかった。
生まれつき弱い心臓を抱える彼女に、政略結婚の話が持ち上がった。
親が決めた未来なんて、受け入れられるはずがない。
無表情な彼の穏やかさが、余計に腹立たしかった。
それでも――彼だけは違った。
優しさの奥に、私の知らない熱を隠していた。
形式だけのはずだった関係は、少しずつ形を変えていく。
これは束縛? それとも、本当の愛?
穏やかな外科医に包まれていく、静かで深い恋の物語。
※この物語はフィクションです。
登場する人物・団体・名称・出来事などはすべて架空であり、実在のものとは一切関係ありません。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる