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第四章: 新人仕事人
名前は?
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洋館の裏側には、石タイルが敷き詰められたテラスがある。
テラスを囲うように針葉樹が植えられていて、オストリッチは、木と木の間からプールを覗いていた。
あの鳥め……今日は、ビニールプールにいる……。
昨日は、タライが窮屈すぎて、川に行ってしまったため、今度は大きなビニールプールに秦広王が変えたのだ。
バシャバシャ
まだ小さい翼を大きく広げ、豪快に羽ばたきする。
おっ、立ち上がった!
僕より脚が短いみたいだ!
わっ、こっちの方に来る!
隠れろ!
ペタペタ ペタペタ
やばい、足音が近い!
オストリッチは、木の裏側に隠れているつもりだったが、尾羽が見えている。
「先輩、何か御用ですか?」
「 ! 」
しまった、見つかった!……ん?
今、僕のことを先輩と呼んだの?
えっ、僕が先輩?
「秦広王様なら、お仕事に行っていますが……」
「あ……いないですか。わかりました……
あっ、今、先輩とかって言った?かな」
「勝手に呼んですみません。
オストリッチさんは、私の先輩ですから……呼んだらいけませんか?」
「えっ、あ、別にいいですよ。どうぞ呼んで下さい。
それで、あなたの名前は?」
「それが、まだ ありません。
秦広王様が迷っていると言っていました。
決まったら、お知らせしますね」
えー、名前がまだないなんて!
可哀想だな……。
「そうか、早く決まるといいね!
ところで、あなたは鶴ですか?
道先案内人は、皆んなが鶴なんですよ」
「そうなんですか?
私は、先輩に似ている気がするから鶴かしら?
実は、知らないのです」
そう言って、後輩鳥は下を向いたのだった。
「あ、秦広王様がきっと鶴だと、教えてくれると思いますから、心配しなくても大丈夫ですよ。
僕は、隣のログハウスに住んでいるから、分からない事があったら聞いてね。
仕事で、留守も多いかもしれないけれど、見かけたら声を掛けてくれていいからね」
ぐふっふ、僕、先輩らしく言えたよね?よし!
「はい、ありがとうございます。
よろしくお願いします」
後輩鳥が礼儀正しく挨拶をしたのであった。
オストリッチは、ログハウスに元気よく戻って行った。
「リッチ君、お帰り!遅かったね?」
「あのね、お姉ちゃん!僕の後輩鳥って、結構、いい子だったんだよ!
名前をね、まだ 付けてもらっていないんだって!可哀想だよね?」
リッチ君、随分、嬉しそうみたいだね。
機嫌が直って良かったよ。
「今度、この家に招待してもいい?
一緒に滑り台で遊びたいんだ」
「リッチ君の家なんだから、遠慮しないで、遊びに来てもらって下さい」
あおいが言うと、オストリッチはウキウキしながら、雑巾を持って滑り台を拭きはじめたのだった。
プルプルプルッ。
「お姉ちゃん、仕事だよ、行こう」
オストリッチは、モバリスを見ながら、瞬間移動をした。
あおいは、モバリスを見て覚えて、移動する。
「えっ、リッチ君、もう行っちゃったの?
早っ!待ってー」
蓮とオストリッチがいるのは、昨日と同じ大きな病院だ。
蓮が担当する地区でも、大きな総合病院なので、日に何度も来ることもある。
「あおいちゃんは、どうした?」
蓮が少し苛立って、オストリッチに聞いた。
「僕の後にすぐ出たはずです」
この仕事は、時間厳守だ!
やはり、私が連れて来た方が早いのか?
いや、そんな事をしていたら、自立ができなくなる!
蓮は、真剣に考えている。
「お待たせして すみません」
前方から、あおいが走ってきた。
「なぜ、走ってきたんだ?」
蓮は、きつめに聞いた。
「下の受付ロビーに着いてしまいました。すみません」
「後で特訓だな。さあ、時間だ。行くよ」
……………
「2人とも、また、泣いたねっ?
どんなに悲しい現場であっても、我慢しろ!
前にも言ったが、涙は、関係する人々のものなんだ!
奪う側が泣いて、どうする!」
蓮さん、超怖い感じだ……と あおいは思った。
でも、反論がしたかった。
「だって!余りにも可哀想で!母親なのに、あんな幼い子どもを残して、旦那さんだって、可哀想過ぎて!
病気だから、仕方がないのかもしれないけど、あんなに若い人の命を……。
泣くのは当たり前です!
蓮さんが、冷た過ぎなんです!ひっく」
あおいは、思いっきり蓮に歯向かっていた。
一緒に泣いていたオストリッチだったが、あおいの言葉にギョッとし固まった。
お姉ちゃん、言い過ぎだよ……。
「蓮さん、すびましぇん、ひっく、もう
泣かにゃいように、ひっく、するから、おねえしゃん、と、ぼくを許してくだしゃい」
オストリッチがあおいの分まで、謝ったのであった。
リッチくん……。
「あっ、蓮さん……すみません……。
酷い事、言っちゃいました。
これからは、気をつけます……」
あおいは、反省している。
「いや、分かってくれたならいいけど。
泣くのは、死者を見送ってからにして!
それなら、文句は言わないからね」
「はい」
2人は、揃って返事をして、どんよりとした空気を吹き飛ばしたのだった。
「今日の予定者は、あと1人で、時間が空くから、オストリッチ君の帽子と服を調達に行こう。
脱衣場に行くよ。
緑札の囲いの裏側の衣料樹だけど、知っている?」
「はい、もちろん知っています」
また、2人は揃って言ったのであった。
「凄い息が合っているね!さすが、同棲しているだけあるね!」
「ち、違いますから!蓮さん、変な事言わないで下さいっ!」
「ハハハ、それじゃあ、行こう」
3人の姿は、消えたのであった。
テラスを囲うように針葉樹が植えられていて、オストリッチは、木と木の間からプールを覗いていた。
あの鳥め……今日は、ビニールプールにいる……。
昨日は、タライが窮屈すぎて、川に行ってしまったため、今度は大きなビニールプールに秦広王が変えたのだ。
バシャバシャ
まだ小さい翼を大きく広げ、豪快に羽ばたきする。
おっ、立ち上がった!
僕より脚が短いみたいだ!
わっ、こっちの方に来る!
隠れろ!
ペタペタ ペタペタ
やばい、足音が近い!
オストリッチは、木の裏側に隠れているつもりだったが、尾羽が見えている。
「先輩、何か御用ですか?」
「 ! 」
しまった、見つかった!……ん?
今、僕のことを先輩と呼んだの?
えっ、僕が先輩?
「秦広王様なら、お仕事に行っていますが……」
「あ……いないですか。わかりました……
あっ、今、先輩とかって言った?かな」
「勝手に呼んですみません。
オストリッチさんは、私の先輩ですから……呼んだらいけませんか?」
「えっ、あ、別にいいですよ。どうぞ呼んで下さい。
それで、あなたの名前は?」
「それが、まだ ありません。
秦広王様が迷っていると言っていました。
決まったら、お知らせしますね」
えー、名前がまだないなんて!
可哀想だな……。
「そうか、早く決まるといいね!
ところで、あなたは鶴ですか?
道先案内人は、皆んなが鶴なんですよ」
「そうなんですか?
私は、先輩に似ている気がするから鶴かしら?
実は、知らないのです」
そう言って、後輩鳥は下を向いたのだった。
「あ、秦広王様がきっと鶴だと、教えてくれると思いますから、心配しなくても大丈夫ですよ。
僕は、隣のログハウスに住んでいるから、分からない事があったら聞いてね。
仕事で、留守も多いかもしれないけれど、見かけたら声を掛けてくれていいからね」
ぐふっふ、僕、先輩らしく言えたよね?よし!
「はい、ありがとうございます。
よろしくお願いします」
後輩鳥が礼儀正しく挨拶をしたのであった。
オストリッチは、ログハウスに元気よく戻って行った。
「リッチ君、お帰り!遅かったね?」
「あのね、お姉ちゃん!僕の後輩鳥って、結構、いい子だったんだよ!
名前をね、まだ 付けてもらっていないんだって!可哀想だよね?」
リッチ君、随分、嬉しそうみたいだね。
機嫌が直って良かったよ。
「今度、この家に招待してもいい?
一緒に滑り台で遊びたいんだ」
「リッチ君の家なんだから、遠慮しないで、遊びに来てもらって下さい」
あおいが言うと、オストリッチはウキウキしながら、雑巾を持って滑り台を拭きはじめたのだった。
プルプルプルッ。
「お姉ちゃん、仕事だよ、行こう」
オストリッチは、モバリスを見ながら、瞬間移動をした。
あおいは、モバリスを見て覚えて、移動する。
「えっ、リッチ君、もう行っちゃったの?
早っ!待ってー」
蓮とオストリッチがいるのは、昨日と同じ大きな病院だ。
蓮が担当する地区でも、大きな総合病院なので、日に何度も来ることもある。
「あおいちゃんは、どうした?」
蓮が少し苛立って、オストリッチに聞いた。
「僕の後にすぐ出たはずです」
この仕事は、時間厳守だ!
やはり、私が連れて来た方が早いのか?
いや、そんな事をしていたら、自立ができなくなる!
蓮は、真剣に考えている。
「お待たせして すみません」
前方から、あおいが走ってきた。
「なぜ、走ってきたんだ?」
蓮は、きつめに聞いた。
「下の受付ロビーに着いてしまいました。すみません」
「後で特訓だな。さあ、時間だ。行くよ」
……………
「2人とも、また、泣いたねっ?
どんなに悲しい現場であっても、我慢しろ!
前にも言ったが、涙は、関係する人々のものなんだ!
奪う側が泣いて、どうする!」
蓮さん、超怖い感じだ……と あおいは思った。
でも、反論がしたかった。
「だって!余りにも可哀想で!母親なのに、あんな幼い子どもを残して、旦那さんだって、可哀想過ぎて!
病気だから、仕方がないのかもしれないけど、あんなに若い人の命を……。
泣くのは当たり前です!
蓮さんが、冷た過ぎなんです!ひっく」
あおいは、思いっきり蓮に歯向かっていた。
一緒に泣いていたオストリッチだったが、あおいの言葉にギョッとし固まった。
お姉ちゃん、言い過ぎだよ……。
「蓮さん、すびましぇん、ひっく、もう
泣かにゃいように、ひっく、するから、おねえしゃん、と、ぼくを許してくだしゃい」
オストリッチがあおいの分まで、謝ったのであった。
リッチくん……。
「あっ、蓮さん……すみません……。
酷い事、言っちゃいました。
これからは、気をつけます……」
あおいは、反省している。
「いや、分かってくれたならいいけど。
泣くのは、死者を見送ってからにして!
それなら、文句は言わないからね」
「はい」
2人は、揃って返事をして、どんよりとした空気を吹き飛ばしたのだった。
「今日の予定者は、あと1人で、時間が空くから、オストリッチ君の帽子と服を調達に行こう。
脱衣場に行くよ。
緑札の囲いの裏側の衣料樹だけど、知っている?」
「はい、もちろん知っています」
また、2人は揃って言ったのであった。
「凄い息が合っているね!さすが、同棲しているだけあるね!」
「ち、違いますから!蓮さん、変な事言わないで下さいっ!」
「ハハハ、それじゃあ、行こう」
3人の姿は、消えたのであった。
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