54 / 109
第四章: 新人仕事人
新たな出会い ☆
しおりを挟む
今、あおい達は病院のガーデンバルコニーのベンチにいる。
次の予定者まで時間がある為、オストリッチの帽子と服を衣料樹にお願いしようと、三途の川の脱衣場に、行こうとしている3人なのだった。
「服を出してもらうには、ダツエ婆様に許可をもらうから、行先は、“脱衣場の緑札専用囲い前”、男性用の囲い前にしよう」
蓮が言うと、オストリッチは急いでメモをする。
メモ帳を首からさげているオストリッチを見て、蓮が言う。
「オストリッチ君、メモ帳を貸して」
蓮が上着のポケットからボールペンを取り出し、絵を描き始めた。
「それ、何の絵ですか?」
オストリッチが不思議そうに聞いた。
「えっ、分からない?帽子の絵だよ。
オストリッチ君が、思い浮かべた服を、衣料樹が出してくれるから。
ここに書いてある帽子を、覚えるんだよ。
それとこれが、ベストだ。
ちゃんとに、ポケットを付けて!
このメモ帳を入れる所だからね。
忘れるなよ」
あおいも、蓮が書いた絵を覗き見た。
ぶっ、笑ったらダメだ!
あれが、帽子?目玉焼きかと思った。
あれが、ベスト?蝶々かと思った。
あの絵を見たリッチ君が、どんなのを想像するのかな?
ちょっと、楽しみだな……。
「さてと、移動するか!
あおいちゃん、私を抱きしめて、連れて行ってみて!」
「えっ!蓮さんを私が?抱きしめるんですか?」
お姉ちゃんは、ちゃんとに行けるかどうかを、きっと試されるんだな。
「オストリッチ君は、先に行っていて」
蓮に言われ、オストリッチは先に姿を消した。
腕を腰に回して、ぎゅっとして、はあ、恥ずかしい!
うん?どこに行くんだっけ?
えっと、三途の川の だつえばで、緑札の 所だよね?よし、行こう」
すっ……
ストン……バシャン、バシャン!
「わあー!あおいちゃん!何やってるんだ!」
2人は、脱衣場の緑札用の浅瀬の川の中に落ちた、いや、着地してしまったのだ。
「蓮さん、本当にごめんなさい」
あおいちゃんは、場所を覚えられないのか……。
これは、何か対策を考えないと……。
「コラッ、そこの女と男!
何やってんだい!
さっさと、囲いに入りな!
男は、こっち!女は、あっちだよっ」
聞き慣れた声がした。
「ダツエ婆さまー!あおいでーす」
あおいと蓮は、バシャバシャと音を立て、川の中から急いで出た。
「おや、娘じゃないかー!
おっ、蓮もいるのか!
川の中で、何しているんだい!
暇なのかい?暇なら、手伝いなっ!」
「ダツエ婆様、先にオストリッチが来たはずですが、会いましたか?」
先にいるはずの、オストリッチの姿が見えないので、蓮が聞いたのだ。
「オストリッチ?あぁん?あー、ダチョウのことかい?
鳥なら、トミエと衣料樹の所に行ったぞ」
蓮は、ホッとしたのだった。
それから、ダツエ婆に説明し、許可をもらい、あおいを抱きしめ、衣料樹の所へと移動した。
シュッ
蓮さん、びしょ濡れでもカッコいい!
ギュッと抱きしめられて、幸せを感じます。
ストン
「 ! 」
そこには、驚く2人の女性がいた。
あおいと蓮は、衣料樹のすぐ手前のスタッフ専用通路に到着したのだ。
「えー!あおいさん?あおいさんなの?」
蓮にしがみついたまま、聞いた事のある声だと気づいた。
すると蓮が、急いで抱きついている あおいを退ける。
この声って……。
タマキさんの声?
「えっ?あっ、タマキ先輩!わっ、タマミさんも!
どうしたんですか?
あっ、衣装の調達ですか?
どんなのにするんですか?」
あおいは、会えてとても嬉しかった。
「あおいさんこそ、どうしたの?
びしょ濡れじゃないの!
今、ダチョウさんが先に衣料樹様の所にいるから、待っていたんだけど……。
いいわ、あなたも先に、服を出してもらいなさい。
そちらの方も、お先にどうぞ」
蓮は、急に言われてドギマギとする。
タマキもタマミも凄い美人だったからだ。
「いえ、すぐに乾くので大丈夫です。
我々は連れを待っているだけですから!
ご親切にありがとうございます。
私は、調査員をしている蓮と申します。
あおいさんの上司です」
「私は、第3の門で働いております、タマキと申します。
よろしくお願い申し上げます」
続けて、タマミも挨拶をした。
蓮さんというのね、カッコいいわー!
タマキは、毎日の様にイケメンスタッフを見ているが、どちらかと言えば、なよっと系ばかりで、見飽きていたところだった。
この人、私の好み どストライクなんだけど。
でも、あおいさんと抱き合っていたのよね。
あおいさんに恋人がいたなんて、ショックだわね!
一方、オストリッチは、スタッフルームの前にある衣料樹の所に、トミエと一緒にいた。
あおい達は、スタッフルーム手前のスタッフ専用通路で待っていて、オストリッチの姿は、ここからは見えないのだった。
オストリッチは、衣料樹から服を出してもらうのは、初めてなので、トミエに呪文を唱えてもらった。
「……鳥ぃ、帽子はそれでいいのかい?
帽子と言うより、鍋の蓋みたいだぞ?」
「えっ、そうですか?
でも、絵の通りに想像したので、大丈夫だと思います。
と、と、とみ、とみ……」
「トミエだよっ!」
「す、すみません。
トミエさん、ありがとうございました」
「うん、それじゃあ、仕事に戻るからさ」
トミエは、戻りがけに あおい達に軽く手を振って行ったのだった。
それから、オストリッチが登場する。
「えっ!」
そこにいた誰もが、驚いた。
「オストリッチ君、その帽子は酷いよ。
私は、そんな絵は描いていないはずだけど?
それは、鍋の蓋にしか見えないよ!」
えー!リッチ君の想像も酷いけど、蓮さんの絵も酷かったよ。
まあ、本人には言えないけど。
蓮は、待っているタマキ達に衣料樹に行ってもらい、再度、服を依頼することにした。
程なくして、タマキとタマミが通路へ戻って来たが、
「 ! 」
皆がその美しさに息を飲む。
「うわぁ、綺麗ですねー!
タマキ先輩が乙姫、タマミさんが舞妓さんですよね。
いいなー!」
あおいは、そう言いながら、楽しんで仕事をしている2人を羨ましく思った。
「それじゃあ、私たち帰りますね」
とタマキが言う。
そのままの姿で、スタッフ専用の電車で帰ろうとしているつもりだ。
「その姿で、歩くのは大変でしょうから、私がお2人をお送りします。
お1人ずつですが、宜しいですか?」
「送る?どうやってですか?」
タマミが聞いたので、蓮が失礼しますと言いながら、タマミを抱きしめた。
「きゃっ、何?」
「こうして、瞬間移動します。行きます」
タマミと蓮は、姿を消した。
「ちょっと、あおいさん、タマミさんは、大丈夫なの?
蓮さんって、大丈夫な人でしょうね?」
「はい、大丈夫です。とっても優しい(?)方ですから」
話していたら、すぐに蓮が戻ってきた。
「タマキさん、抱きしめますよ」
「えっ、えっ、はいっ」
いや、この感じ、凄く久しぶりだわ!
蓮さんの腕は、なんて逞しいのかしら!
そんな事を考えている間に、第3の門の前に着いてしまった。
そこには、先に着いていたタマミがいた。
「あ、蓮さん、先程は御礼も言えずにすみませんでした。
余りにも早く着いたもので、びっくりしていました。
あのぉ、また、お会いできますか?」
何ぉー!何を言い出しているの、タマミさん?抜け駆けなんて、酷いじゃない!
「蓮さんの時間ができた時にでも、こちらに遊びにいらして下さい。
コスプレパーティーしましょう!」
負けずにタマキも蓮を誘う。
正直、蓮はコスプレ……は、ちょっと……と思っているので、
「あはは、それでは、また。
さようなら!」
と、言って戻ってしまったのだった。
「タマミさん、蓮さんはカッコイイね!」
「はい、とっても!
久しぶりにトキメキました!」
「えー、私が先に目をつけたんですからね」
「でも、タマキさん、蓮さんと あおいさんは、抱き合っていましたよね?」
「うん、でも、さっき、私たちも抱き合っていた事になるでしょう?
あおいさんも、移動させてもらっただけなんじゃないのかしら?」
「なるほど、きっとそうですね」
タマキとタマミの考えは、核心をついていた。
………………
その後、何度も衣料樹にお願いをして、やっと蓮が納得する帽子になった。
オストリッチは疲れ果て、頭の産毛が抜ける思いだった。
あおいは、オストリッチの姿をまじまじと見て、ふと思う。
「リッチ君、もしかして、大きくなったんじゃない?
何となく、首かな?長くなった気がするんだけど?」
「そう言われたら、以前よりも大人っぽくなったような気がするね」
蓮まで言うので、オストリッチは、嬉しくて、疲れも忘れスキップをする。
ダツエ婆に、新しい姿を見せに行ったのだ。
内面は、まだまだ子どものオストリッチなのだった。
…………………
仕事が終わった夕方、オストリッチは、新しい姿を後輩鳥に見せようと洋館へと行ってみた。
針葉樹の隙間から、覗き見ると、プールの中にいた。
いつも水の中にいる……変わった子だなぁ。
「えー、うぉっほん、後輩さん、こんばんは」
後輩鳥が気が付いて、ビショビショに石タイルを濡らしながら、オストリッチの方に寄ってきた。
「どお?新しい制服なんだ!
僕のデザインなんだから!」
「わあ、素敵ですね。お似合いです」
ぐっふふ、その言葉を聞きたかった!
「あの、先輩、私からもご報告です。
私の名前がついに決まりました!」
「へえ、良かったね!それでなんていうの?」
「はい、私はストークです」
「ストークかぁ、覚えられるかな?
いや、覚えるぞ!ストークね!
では、これからよろしくね!
ストークさん」
オストリッチは、深々と、挨拶をする。
後輩ができて、心から嬉しいオストリッチなのであった。
次の予定者まで時間がある為、オストリッチの帽子と服を衣料樹にお願いしようと、三途の川の脱衣場に、行こうとしている3人なのだった。
「服を出してもらうには、ダツエ婆様に許可をもらうから、行先は、“脱衣場の緑札専用囲い前”、男性用の囲い前にしよう」
蓮が言うと、オストリッチは急いでメモをする。
メモ帳を首からさげているオストリッチを見て、蓮が言う。
「オストリッチ君、メモ帳を貸して」
蓮が上着のポケットからボールペンを取り出し、絵を描き始めた。
「それ、何の絵ですか?」
オストリッチが不思議そうに聞いた。
「えっ、分からない?帽子の絵だよ。
オストリッチ君が、思い浮かべた服を、衣料樹が出してくれるから。
ここに書いてある帽子を、覚えるんだよ。
それとこれが、ベストだ。
ちゃんとに、ポケットを付けて!
このメモ帳を入れる所だからね。
忘れるなよ」
あおいも、蓮が書いた絵を覗き見た。
ぶっ、笑ったらダメだ!
あれが、帽子?目玉焼きかと思った。
あれが、ベスト?蝶々かと思った。
あの絵を見たリッチ君が、どんなのを想像するのかな?
ちょっと、楽しみだな……。
「さてと、移動するか!
あおいちゃん、私を抱きしめて、連れて行ってみて!」
「えっ!蓮さんを私が?抱きしめるんですか?」
お姉ちゃんは、ちゃんとに行けるかどうかを、きっと試されるんだな。
「オストリッチ君は、先に行っていて」
蓮に言われ、オストリッチは先に姿を消した。
腕を腰に回して、ぎゅっとして、はあ、恥ずかしい!
うん?どこに行くんだっけ?
えっと、三途の川の だつえばで、緑札の 所だよね?よし、行こう」
すっ……
ストン……バシャン、バシャン!
「わあー!あおいちゃん!何やってるんだ!」
2人は、脱衣場の緑札用の浅瀬の川の中に落ちた、いや、着地してしまったのだ。
「蓮さん、本当にごめんなさい」
あおいちゃんは、場所を覚えられないのか……。
これは、何か対策を考えないと……。
「コラッ、そこの女と男!
何やってんだい!
さっさと、囲いに入りな!
男は、こっち!女は、あっちだよっ」
聞き慣れた声がした。
「ダツエ婆さまー!あおいでーす」
あおいと蓮は、バシャバシャと音を立て、川の中から急いで出た。
「おや、娘じゃないかー!
おっ、蓮もいるのか!
川の中で、何しているんだい!
暇なのかい?暇なら、手伝いなっ!」
「ダツエ婆様、先にオストリッチが来たはずですが、会いましたか?」
先にいるはずの、オストリッチの姿が見えないので、蓮が聞いたのだ。
「オストリッチ?あぁん?あー、ダチョウのことかい?
鳥なら、トミエと衣料樹の所に行ったぞ」
蓮は、ホッとしたのだった。
それから、ダツエ婆に説明し、許可をもらい、あおいを抱きしめ、衣料樹の所へと移動した。
シュッ
蓮さん、びしょ濡れでもカッコいい!
ギュッと抱きしめられて、幸せを感じます。
ストン
「 ! 」
そこには、驚く2人の女性がいた。
あおいと蓮は、衣料樹のすぐ手前のスタッフ専用通路に到着したのだ。
「えー!あおいさん?あおいさんなの?」
蓮にしがみついたまま、聞いた事のある声だと気づいた。
すると蓮が、急いで抱きついている あおいを退ける。
この声って……。
タマキさんの声?
「えっ?あっ、タマキ先輩!わっ、タマミさんも!
どうしたんですか?
あっ、衣装の調達ですか?
どんなのにするんですか?」
あおいは、会えてとても嬉しかった。
「あおいさんこそ、どうしたの?
びしょ濡れじゃないの!
今、ダチョウさんが先に衣料樹様の所にいるから、待っていたんだけど……。
いいわ、あなたも先に、服を出してもらいなさい。
そちらの方も、お先にどうぞ」
蓮は、急に言われてドギマギとする。
タマキもタマミも凄い美人だったからだ。
「いえ、すぐに乾くので大丈夫です。
我々は連れを待っているだけですから!
ご親切にありがとうございます。
私は、調査員をしている蓮と申します。
あおいさんの上司です」
「私は、第3の門で働いております、タマキと申します。
よろしくお願い申し上げます」
続けて、タマミも挨拶をした。
蓮さんというのね、カッコいいわー!
タマキは、毎日の様にイケメンスタッフを見ているが、どちらかと言えば、なよっと系ばかりで、見飽きていたところだった。
この人、私の好み どストライクなんだけど。
でも、あおいさんと抱き合っていたのよね。
あおいさんに恋人がいたなんて、ショックだわね!
一方、オストリッチは、スタッフルームの前にある衣料樹の所に、トミエと一緒にいた。
あおい達は、スタッフルーム手前のスタッフ専用通路で待っていて、オストリッチの姿は、ここからは見えないのだった。
オストリッチは、衣料樹から服を出してもらうのは、初めてなので、トミエに呪文を唱えてもらった。
「……鳥ぃ、帽子はそれでいいのかい?
帽子と言うより、鍋の蓋みたいだぞ?」
「えっ、そうですか?
でも、絵の通りに想像したので、大丈夫だと思います。
と、と、とみ、とみ……」
「トミエだよっ!」
「す、すみません。
トミエさん、ありがとうございました」
「うん、それじゃあ、仕事に戻るからさ」
トミエは、戻りがけに あおい達に軽く手を振って行ったのだった。
それから、オストリッチが登場する。
「えっ!」
そこにいた誰もが、驚いた。
「オストリッチ君、その帽子は酷いよ。
私は、そんな絵は描いていないはずだけど?
それは、鍋の蓋にしか見えないよ!」
えー!リッチ君の想像も酷いけど、蓮さんの絵も酷かったよ。
まあ、本人には言えないけど。
蓮は、待っているタマキ達に衣料樹に行ってもらい、再度、服を依頼することにした。
程なくして、タマキとタマミが通路へ戻って来たが、
「 ! 」
皆がその美しさに息を飲む。
「うわぁ、綺麗ですねー!
タマキ先輩が乙姫、タマミさんが舞妓さんですよね。
いいなー!」
あおいは、そう言いながら、楽しんで仕事をしている2人を羨ましく思った。
「それじゃあ、私たち帰りますね」
とタマキが言う。
そのままの姿で、スタッフ専用の電車で帰ろうとしているつもりだ。
「その姿で、歩くのは大変でしょうから、私がお2人をお送りします。
お1人ずつですが、宜しいですか?」
「送る?どうやってですか?」
タマミが聞いたので、蓮が失礼しますと言いながら、タマミを抱きしめた。
「きゃっ、何?」
「こうして、瞬間移動します。行きます」
タマミと蓮は、姿を消した。
「ちょっと、あおいさん、タマミさんは、大丈夫なの?
蓮さんって、大丈夫な人でしょうね?」
「はい、大丈夫です。とっても優しい(?)方ですから」
話していたら、すぐに蓮が戻ってきた。
「タマキさん、抱きしめますよ」
「えっ、えっ、はいっ」
いや、この感じ、凄く久しぶりだわ!
蓮さんの腕は、なんて逞しいのかしら!
そんな事を考えている間に、第3の門の前に着いてしまった。
そこには、先に着いていたタマミがいた。
「あ、蓮さん、先程は御礼も言えずにすみませんでした。
余りにも早く着いたもので、びっくりしていました。
あのぉ、また、お会いできますか?」
何ぉー!何を言い出しているの、タマミさん?抜け駆けなんて、酷いじゃない!
「蓮さんの時間ができた時にでも、こちらに遊びにいらして下さい。
コスプレパーティーしましょう!」
負けずにタマキも蓮を誘う。
正直、蓮はコスプレ……は、ちょっと……と思っているので、
「あはは、それでは、また。
さようなら!」
と、言って戻ってしまったのだった。
「タマミさん、蓮さんはカッコイイね!」
「はい、とっても!
久しぶりにトキメキました!」
「えー、私が先に目をつけたんですからね」
「でも、タマキさん、蓮さんと あおいさんは、抱き合っていましたよね?」
「うん、でも、さっき、私たちも抱き合っていた事になるでしょう?
あおいさんも、移動させてもらっただけなんじゃないのかしら?」
「なるほど、きっとそうですね」
タマキとタマミの考えは、核心をついていた。
………………
その後、何度も衣料樹にお願いをして、やっと蓮が納得する帽子になった。
オストリッチは疲れ果て、頭の産毛が抜ける思いだった。
あおいは、オストリッチの姿をまじまじと見て、ふと思う。
「リッチ君、もしかして、大きくなったんじゃない?
何となく、首かな?長くなった気がするんだけど?」
「そう言われたら、以前よりも大人っぽくなったような気がするね」
蓮まで言うので、オストリッチは、嬉しくて、疲れも忘れスキップをする。
ダツエ婆に、新しい姿を見せに行ったのだ。
内面は、まだまだ子どものオストリッチなのだった。
…………………
仕事が終わった夕方、オストリッチは、新しい姿を後輩鳥に見せようと洋館へと行ってみた。
針葉樹の隙間から、覗き見ると、プールの中にいた。
いつも水の中にいる……変わった子だなぁ。
「えー、うぉっほん、後輩さん、こんばんは」
後輩鳥が気が付いて、ビショビショに石タイルを濡らしながら、オストリッチの方に寄ってきた。
「どお?新しい制服なんだ!
僕のデザインなんだから!」
「わあ、素敵ですね。お似合いです」
ぐっふふ、その言葉を聞きたかった!
「あの、先輩、私からもご報告です。
私の名前がついに決まりました!」
「へえ、良かったね!それでなんていうの?」
「はい、私はストークです」
「ストークかぁ、覚えられるかな?
いや、覚えるぞ!ストークね!
では、これからよろしくね!
ストークさん」
オストリッチは、深々と、挨拶をする。
後輩ができて、心から嬉しいオストリッチなのであった。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
「がっかりです」——その一言で終わる夫婦が、王宮にはある
柴田はつみ
恋愛
妃の席を踏みにじったのは令嬢——けれど妃の心を折ったのは、夫のたった一言だった
王太子妃リディアの唯一の安らぎは、王太子アーヴィンと交わす午後の茶会。だが新しく王宮に出入りする伯爵令嬢ミレーユは、妃の席に先に座り、殿下を私的に呼び、距離感のない振る舞いを重ねる。
リディアは王宮の礼節としてその場で正す——正しいはずだった。けれど夫は「リディア、そこまで言わなくても……」と、妃を止めた。
「わかりました。あなたには、がっかりです」
微笑んで去ったその日から、夫婦の茶会は終わる。沈黙の王宮で、言葉を失った王太子は、初めて“追う”ことを選ぶが——遅すぎた。
没落港の整備士男爵 ~「構造解析」スキルで古代設備を修理(レストア)したら、大陸一の物流拠点になり、王家も公爵家も頭が上がらなくなった件~
namisan
ファンタジー
大陸の南西端に位置するベルナ子爵領。
かつては貿易で栄えたこの港町も、今は見る影もない。
海底には土砂が堆積して大型船は入港できず、倉庫街は老朽化し、特産品もない。借金まみれの父と、諦めきった家臣たち。そこにあるのは、緩やかな「死」だけだった。
そんな没落寸前の領地の嫡男、アレン(16歳)に転生した主人公には、前世の記憶があった。
それは、日本で港湾管理者兼エンジニアとして働き、現場で散った「整備士」としての知識。
そして、彼にはもう一つ、この世界で目覚めた特異な能力があった。
対象の構造や欠陥、魔力の流れが設計図のように視えるスキル――【構造解析】。
「壊れているなら、直せばいい。詰まっているなら、通せばいい」
アレンは錆びついた古代の「浚渫(しゅんせつ)ゴーレム」を修理して港を深く掘り直し、魔導冷却庫を「熱交換の最適化」で復活させて、腐るだけだった魚を「最高級の輸出品」へと変えていく。
ドケチな家令ガルシアと予算を巡って戦い、荒くれ者の港湾長ゲンと共に泥にまみれ、没落商会の女主人メリッサと手を組んで販路を開拓する。
やがてその港には、陸・海・空の物流革命が巻き起こる。
揺れない「サスペンション馬車」が貴族の移動を変え、「鮮度抜群の魚介グルメ」が王族の胃袋を掴み、気性の荒いワイバーンを手懐けた「空輸便」が世界を結ぶ。
看病しに行ったら、当主の“眠り”になってしまった
星乃和花
恋愛
⭐︎完結済ー全36話⭐︎
倒れた当主を看病する役目を振られた使用人リィナは、彼の部屋へ通うことになる。
栄養、灯り、静かな時間、話し相手――“眠れる夜”を整えていく。そして、回復していく当主アレクシス。けれど彼は、ある夜そっと手を握り返し、低い声で囁く。
「責任、取って?」
噂が燃える屋敷で、ふたりが守るのは“枠(ルール)”。
手だけ、時間だけ、理由にしない――鍵はリィナが握ったまま。
けれど、守ろうとするほど情は育ち、合図の灯りはいつしか「帰る」ではなく「眠る」へ変わっていく。
看病から始まった優しい夜は、静かな執着に捕まっていく。
それでも、捕獲の鍵は彼ではなく――彼女の手にある。
王女の中身は元自衛官だったので、継母に追放されたけど思い通りになりません
きぬがやあきら
恋愛
「妻はお妃様一人とお約束されたそうですが、今でもまだ同じことが言えますか?」
「正直なところ、不安を感じている」
久方ぶりに招かれた故郷、セレンティア城の月光満ちる庭園で、アシュレイは信じ難い光景を目撃するーー
激闘の末、王座に就いたアルダシールと結ばれた、元セレンティア王国の王女アシュレイ。
アラウァリア国では、新政権を勝ち取ったアシュレイを国母と崇めてくれる国民も多い。だが、結婚から2年、未だ後継ぎに恵まれないアルダシールに側室を推す声も上がり始める。そんな頃、弟シュナイゼルから結婚式の招待が舞い込んだ。
第2幕、連載開始しました!
お気に入り登録してくださった皆様、ありがとうございます! 心より御礼申し上げます。
以下、1章のあらすじです。
アシュレイは前世の記憶を持つ、セレンティア王国の皇女だった。後ろ盾もなく、継母である王妃に体よく追い出されてしまう。
表向きは外交の駒として、アラウァリア王国へ嫁ぐ形だが、国王は御年50歳で既に18人もの妃を持っている。
常に不遇の扱いを受けて、我慢の限界だったアシュレイは、大胆な計画を企てた。
それは輿入れの道中を、自ら雇った盗賊に襲撃させるもの。
サバイバルの知識もあるし、宝飾品を処分して生き抜けば、残りの人生を自由に謳歌できると踏んでいた。
しかし、輿入れ当日アシュレイを攫い出したのは、アラウァリアの第一王子・アルダシール。
盗賊団と共謀し、晴れて自由の身を望んでいたのに、アルダシールはアシュレイを手放してはくれず……。
アシュレイは自由と幸福を手に入れられるのか?
タダ働きなので待遇改善を求めて抗議したら、精霊達から『破壊神』と怖れられています。
渡里あずま
ファンタジー
出来損ないの聖女・アガタ。
しかし、精霊の加護を持つ新たな聖女が現れて、王子から婚約破棄された時――彼女は、前世(現代)の記憶を取り戻した。
「それなら、今までの報酬を払って貰えますか?」
※※※
虐げられていた子が、モフモフしながらやりたいことを探す旅に出る話です。
※重複投稿作品※
表紙の使用画像は、AdobeStockのものです。
【長編・完結】私、12歳で死んだ。赤ちゃん還り?水魔法で救済じゃなくて、給水しますよー。
BBやっこ
ファンタジー
死因の毒殺は、意外とは言い切れない。だって貴族の後継者扱いだったから。けど、私はこの家の子ではないかもしれない。そこをつけいられて、親族と名乗る人達に好き勝手されていた。
辺境の地で魔物からの脅威に領地を守りながら、過ごした12年間。その生が終わった筈だったけど…雨。その日に辺境伯が連れて来た赤ん坊。「セリュートとでも名付けておけ」暫定後継者になった瞬間にいた、私は赤ちゃん??
私が、もう一度自分の人生を歩み始める物語。給水係と呼ばれる水魔法でお悩み解決?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
