7 / 24
目覚める。④
しおりを挟む
約束の日、当日。
20時の時間になるのが、とても長く感じた。
楽しみすぎて待ち遠しかった。
靴も洋服も全部、新品。
何を着たらいいか全くわからず、マネキンが着ているのをそのまま買ったコーディネート。
マネキンが着てるって事はスタッフがおすすめしてるって事だろうし、間違いはないだろう。うん。
約束の時間に行くと、店長が待っていた。
店長の私服。いつも見てるのと違うから凄い新鮮…。別人みたい。
ただ…、少し…何て言うんだろ。
上はチェックのシャツで似合ってるけど、ズボンや靴がノーブランドでちょっと…ダサい。
だが、それが逆に奥手な感じがして萌える…。
「今日なんだか雰囲気違いますね。別人みたい。」
「それは、萩山さんも一緒でしょ。誰かと思っちゃったよ。」
たくさん悩んで頑張ってお洒落して来て良かった。(マネキンの服、参照だけど…)
「オーナー、30分位遅れるって。先に行ってよう。」
私達は先に近くのレストランに向かった。
「オーナーが来たら、俺、萩山さんの隣に座るから。」
【オーナーが来るまで2人きり。回りから見るとカップルに見えるかな…。】
そう思うと何だか嬉しかった。
少し談笑をしていると、オーナーがやって来たので、店長は私の横に移動した。
仕事の時より近い、肩がぶつかりそうな距離…。
ドキドキする…。
それから、3人で食事をしながら、漫画の話しやアニメの話しなど、とても楽しい時間を過ごした。
30分程たって、オーナーは伝票を持つと、
「明日、東京に行かなくちゃいけなくて朝早いから先に帰るね。あとは、若い2人でごゆっくり。」
と言って帰ってしまった。
【え?まだオーナー来て30分位しかたってないのに帰るの早くない?今日3人で会う意味あったの?これってもしかしてオーナーのアラフォー同士くっつけよう、びっくりドッキリ作戦?】
などとくだらない事を考えている私の横で、オーナーがいなくなった前の席に移動する事もなく、店長は話しを続ける。
【いや、移動しようよ。回りから痛いカップルに見えるよー。】
なんて事を思いながらも内心、嬉しい私。
店長は仕事の時と同じくらい優しくて、私の話しをきちんと聞いてくれる聞き上手で、共通の好きな映画の話しでも盛り上ったし、一緒に居て、凄く居心地が良かった。
1時間程話して、「そろそろ帰ろうか。」と言われた。だけど私は、もっと一緒に居たかった。
このまま帰るとまた、仕事場だけの関係に戻ってしまうに違いないから…。
何か…何か…言わないと…。
でも、スペックが低すぎて頭が真っ白になり、
「そうですね…。」
としか言えなかった。
怖くて素直に言えない。そんな自分が情けなかった。
20時の時間になるのが、とても長く感じた。
楽しみすぎて待ち遠しかった。
靴も洋服も全部、新品。
何を着たらいいか全くわからず、マネキンが着ているのをそのまま買ったコーディネート。
マネキンが着てるって事はスタッフがおすすめしてるって事だろうし、間違いはないだろう。うん。
約束の時間に行くと、店長が待っていた。
店長の私服。いつも見てるのと違うから凄い新鮮…。別人みたい。
ただ…、少し…何て言うんだろ。
上はチェックのシャツで似合ってるけど、ズボンや靴がノーブランドでちょっと…ダサい。
だが、それが逆に奥手な感じがして萌える…。
「今日なんだか雰囲気違いますね。別人みたい。」
「それは、萩山さんも一緒でしょ。誰かと思っちゃったよ。」
たくさん悩んで頑張ってお洒落して来て良かった。(マネキンの服、参照だけど…)
「オーナー、30分位遅れるって。先に行ってよう。」
私達は先に近くのレストランに向かった。
「オーナーが来たら、俺、萩山さんの隣に座るから。」
【オーナーが来るまで2人きり。回りから見るとカップルに見えるかな…。】
そう思うと何だか嬉しかった。
少し談笑をしていると、オーナーがやって来たので、店長は私の横に移動した。
仕事の時より近い、肩がぶつかりそうな距離…。
ドキドキする…。
それから、3人で食事をしながら、漫画の話しやアニメの話しなど、とても楽しい時間を過ごした。
30分程たって、オーナーは伝票を持つと、
「明日、東京に行かなくちゃいけなくて朝早いから先に帰るね。あとは、若い2人でごゆっくり。」
と言って帰ってしまった。
【え?まだオーナー来て30分位しかたってないのに帰るの早くない?今日3人で会う意味あったの?これってもしかしてオーナーのアラフォー同士くっつけよう、びっくりドッキリ作戦?】
などとくだらない事を考えている私の横で、オーナーがいなくなった前の席に移動する事もなく、店長は話しを続ける。
【いや、移動しようよ。回りから痛いカップルに見えるよー。】
なんて事を思いながらも内心、嬉しい私。
店長は仕事の時と同じくらい優しくて、私の話しをきちんと聞いてくれる聞き上手で、共通の好きな映画の話しでも盛り上ったし、一緒に居て、凄く居心地が良かった。
1時間程話して、「そろそろ帰ろうか。」と言われた。だけど私は、もっと一緒に居たかった。
このまま帰るとまた、仕事場だけの関係に戻ってしまうに違いないから…。
何か…何か…言わないと…。
でも、スペックが低すぎて頭が真っ白になり、
「そうですね…。」
としか言えなかった。
怖くて素直に言えない。そんな自分が情けなかった。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
敗戦国の姫は、敵国将軍に掠奪される
clayclay
恋愛
架空の国アルバ国は、ブリタニア国に侵略され、国は壊滅状態となる。
状況を打破するため、アルバ国王は娘のソフィアに、ブリタニア国使者への「接待」を命じたが……。
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
旧校舎の地下室
守 秀斗
恋愛
高校のクラスでハブられている俺。この高校に友人はいない。そして、俺はクラスの美人女子高生の京野弘美に興味を持っていた。と言うか好きなんだけどな。でも、京野は美人なのに人気が無く、俺と同様ハブられていた。そして、ある日の放課後、京野に俺の恥ずかしい行為を見られてしまった。すると、京野はその事をバラさないかわりに、俺を旧校舎の地下室へ連れて行く。そこで、おかしなことを始めるのだったのだが……。
大丈夫のその先は…
水姫
恋愛
実来はシングルマザーの母が再婚すると聞いた。母が嬉しそうにしているのを見るとこれまで苦労かけた分幸せになって欲しいと思う。
新しくできた父はよりにもよって医者だった。新しくできた兄たちも同様で…。
バレないように、バレないように。
「大丈夫だよ」
すいません。ゆっくりお待ち下さい。m(_ _)m
【完結】退職を伝えたら、無愛想な上司に囲われました〜逃げられると思ったのが間違いでした〜
来栖れいな
恋愛
逃げたかったのは、
疲れきった日々と、叶うはずのない憧れ――のはずだった。
無愛想で冷静な上司・東條崇雅。
その背中に、ただ静かに憧れを抱きながら、
仕事の重圧と、自分の想いの行き場に限界を感じて、私は退職を申し出た。
けれど――
そこから、彼の態度は変わり始めた。
苦手な仕事から外され、
負担を減らされ、
静かに、けれど確実に囲い込まれていく私。
「辞めるのは認めない」
そんな言葉すらないのに、
無言の圧力と、不器用な優しさが、私を縛りつけていく。
これは愛?
それともただの執着?
じれじれと、甘く、不器用に。
二人の距離は、静かに、でも確かに近づいていく――。
無愛想な上司に、心ごと囲い込まれる、じれじれ溺愛・執着オフィスラブ。
※この物語はフィクションです。
登場する人物・団体・名称・出来事などはすべて架空であり、実在のものとは一切関係ありません。
極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です
朝陽七彩
恋愛
私は。
「夕鶴、こっちにおいで」
現役の高校生だけど。
「ずっと夕鶴とこうしていたい」
担任の先生と。
「夕鶴を誰にも渡したくない」
付き合っています。
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
神城夕鶴(かみしろ ゆづる)
軽音楽部の絶対的エース
飛鷹隼理(ひだか しゅんり)
アイドル的存在の超イケメン先生
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
彼の名前は飛鷹隼理くん。
隼理くんは。
「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」
そう言って……。
「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」
そして隼理くんは……。
……‼
しゅっ……隼理くん……っ。
そんなことをされたら……。
隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。
……だけど……。
え……。
誰……?
誰なの……?
その人はいったい誰なの、隼理くん。
ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。
その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。
でも。
でも訊けない。
隼理くんに直接訊くことなんて。
私にはできない。
私は。
私は、これから先、一体どうすればいいの……?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる