甥っ子が野獣化してました

ふうじょん

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ある日 森の中 くまさんと

これから宜しく

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昔、よく遊んでくれたお兄ちゃんがいた。
駿兄ちゃん。
僕が泣いたらすぐに抱っこしてくれた。
最後に会ったのは5年前だから少し忘れている事もあるけど、とっても優しくてかっこいいお兄ちゃんという事は覚えている。口が悪いからよく薫ちゃんに怒られていた。(あ、薫ちゃんっていうのは僕の母。お母さんって呼ぶと、老ける気がする、と言われ、昔からずっと薫ちゃんと呼んでいる。)
いつか同じぐらいの身長になって、同じ目線で喋って、友達の様に遊びに行ったりしたいと小さい頃はずっと思っていた。
今は多分、身長同じぐらいじゃないかな。
今の僕の身長は192センチ。周りより僕は少し高いくらいだから、駿兄ちゃんと同じぐらいにはなっていると思う。これで肩を並べて歩ける。

そして、もうすぐ会える。

早く会って色々喋りたかったけど、父さんから若い内に世界を見とけと言われていて、それを中学生の時から実行してきて、今では自分でも世界を見るのは、色々な文化が知れて楽しい。
だから、今回も回ってきた。ただ、お風呂が無い地域だったために、凄い臭いし汚くなってしまった。お風呂をどこかで借りてから、シャワー浴びて小綺麗にして、行こうと思っていたが、この格好は少し不審に思われるらしく、目の前を歩く女の人に通報されて、警察に職質の様なものを受けて、結局お風呂に入れないまま、
駿兄ちゃんの所へ来た。

後ろ姿だけど、すぐに駿兄ちゃんって分かった。全然変わっていなかったから。
身長は僕の方がだいぶ大きくなったみたいだ。

最初、ギョッとした顔で見ていたけど、直ぐに僕って分かってくれて嬉しかった。

駿兄ちゃんの所でお風呂を借りて、髭も剃って、前髪を上にあげて、ピンで留める。
あ、洋服…届いてるかな?
腰にタオルを巻いてから、お風呂場を出ると、とてつもなく美味しそうな匂いがした。それに誘われるように歩いていたら、駿兄ちゃんがフライパンを振りながら、何かを炒めていた。

「飯、食う?炒飯作ったけど。」

「食べる!」

後ろから僕が来た事に気付いて火を止めながら、聞いてきたから迷わず、大きく頷いた。

「ってお前、裸!いや、それよりマッチョ!…触っていい?」

こっちを向いて目を見開き驚いたけど、直ぐに僕のお腹辺りを見て、目を輝かせて手をグーパーしながら近付いてきた。ちょっと怖い?
僕がOKするより先に触ってきた。

「一昨年ぐらい?に身長伸びすぎてぎっくり腰になっちゃって。病院行ったら、鍛えたらマシになるよーって教えてもらって、それでジム通ってるんだー。」

最初遠慮がちに撫でていたけど、指で強く押して硬さを確かめている駿兄ちゃんはちょっと子供みたいで可愛い。

「マジ?プッ…ハハ、お前、まだ10代の癖にヘルニアって…おっさんかよ。」

少し触ると離れていった。炒飯を皿に盛りながら笑っている。

「おっさんじゃないですー。めちゃくちゃピチピチの16歳ですー。」

頬を膨らませて怒りを表現すれば、更に笑った。

「サイ、マジでおっさん化してる。あ、ってか、早く着替えてこいよ。お前、風邪引かせたら、俺が怒られる。」

「おっさんじゃないって!もうっ…はーい。」

少し納得行かないが確かにこれでは風邪を引いてしまう。返事をして、ふと気付く。

「…駿兄ちゃん、僕の着替え、届いてた?」

「あー、そっか。わりぃ。…こっち」

駿兄ちゃんは思い出したかの様に、炒飯をソファ前のテーブルに並べる手を止めて、そそそっと動き出した。そして、さっき出てきたお風呂場の向かいが僕の部屋らしい。
その部屋のドアを駿兄ちゃんが開けた。

「一応、段ボールから出したりしてても良かったんだけどさ…お前、高校生だし、ほら、見られたくねぇもんあるかもだろ?」

少し気まずさげに頭をかきながらチラッと僕を見る。

「無いよ。後で手伝って。」

「…即答かよ。…お前、本当に16?」

「残念ながら16~」

殴り書きで"cloth"と書かれた段ボールを開けて、適当に引っ張り出し、着替える。
着替え終わり、駿兄ちゃんの方を向けば顔に手を抑えて、下を俯いていた。

「…?駿兄ちゃん、どうしたの?」

「別に!何でもねぇよ!」

僕が声をかけると、バッと顔を上にあげて、その顔はムスッとしていた。何故か膨れながら、リビングにズカズカと戻っていった駿兄ちゃんに僕はついていきながら、首を傾げていたけど、その後炒飯食べたらどうでも良くなった。どうやら駿兄ちゃんの料理レベルは上位だ。

「ご馳走様でした!あー、美味しかったー!また作ってよ!この炒飯!」

「…簡単な炒飯だけど、まぁ、イギリスだと炒飯無いか。おう!作ってやる!」

駿兄ちゃんは嬉しそうにニカっと笑って頷き、お皿を片付ける。慌てて僕も手伝う。

「皿洗うよ。」

「お、マジ?宜しくー」

駿兄ちゃんはすぐに片付けていた手を止めて、ソファに座り直してテレビを見始めた。
僕はささっと皿を洗って、駿兄ちゃんの隣に座る。

「皿、ありがとな。」

「ううん。ご飯、作ってもらったしね」

うわ、ええ子ーと揶揄われている様な感じでいう駿兄ちゃんに、子供じゃない、と戯れつつ、色々向こうの事とか、駿兄ちゃんがハマってるゲームとか、他愛も無い事を話しつつ、のんびりと時間が過ぎていった。ふと時計に目をやったら、もう次の日になろうとしていた。

「…よし、今日は疲れたし、明日片付けやるか?俺休みだから、手伝えるし。」

「あ、うん。お願いします。」

眠かったからもあるけど、声が何だか心地よくて、思わず腑抜けた笑顔で答えてしまっていたら、またまた優しく笑う駿兄ちゃん。そして昔の様に頭を撫でられる。

「…サイ、あんま昔と変わんねぇのな。図体はデカいけど。」

「駿兄ちゃんも変わらなくて、安心した。強いて言うなら…なんか、ちっちゃい?」

ーービシッーー

「った!!」

「お前がデカすぎんだ!その体格、くまじゃねぇか。俺は平均より…ちょっと、小さいくらいだし。」

頭撫でられるのが気持ち良くて身を委ねていたら、急におでこに強い激痛が走って、目が一気に覚醒しておでこを手で抑えて、駿兄ちゃんを見たら、怒ってプイッとそっぽを向いてしまっていた。え、ちょっと子供みたいで可愛い。

「…168?」

ーービシイィッ!!!ーー

「っだ!!!」

「クソが!!!!おやすみ!!!…「おやーー」あ!歯磨いてから寝ろよ!虫歯は怖いんだからな!」

僕が予想して出した答えが良くなかったらしい。さっきよりも強い激痛がおでこに走る。あと、凄い暴言吐いて立ち上がって部屋に行くのか僕に背を向けて、歩き出した。けど、直ぐに思い出したかの様に声をあげてこちらに来て忠告してから部屋に戻っていった。

「…すみ…。」

まだ来たばかりだけど、初日だけど、これからの事を考えると楽しみしかないな、とにやけてしまう頬をもむ。それからちゃんと言われた通り歯を磨いて、しゅー、しん!(就寝)




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