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第4話:覚醒する力
しおりを挟む深淵の森は、魔境の中でも特に危険な場所だった。
空から見下ろすと、森全体が紫黒色の霧に覆われ、まるで生きた獣のように息づいている。アーサーは獲得した黒い翼を広げ、森の上空を旋回した。
「あれが深淵の森か...」
彼はガルザスから得た知識を思い出していた。この森には強力な魔物が数多く生息し、特に中心部にいる「深淵の黒狼(アビス・ウルフ)」は、下級魔獣ではなく、知性を持つ強大な魔知種の一つとされる。それを倒すことができれば、彼の力は飛躍的に高まるだろう。
『主よ、下降せよ。獲物が待っている』
モンスターイーターの声が心に響く。アーサーは決意を固め、森の縁に着地した。黒い翼は煙のように消え、彼の背中に吸収されていく。
「まずは周辺の魔物から...」
彼は森の入り口に立ち、モンスターイーターを抜いた。剣は微かに震え、紫の光を放っている。
「いくぞ」
アーサーは慎重に森の中へと足を踏み入れた。周囲の木々は通常の木とは異なり、幹は黒く、枝は不自然に歪んでいる。葉は紫がかった暗緑色で、風もないのに微かに揺れていた。
彼はわずかな物音にも反応できるよう、全神経を集中させながら進んだ。魔境での戦闘経験は、彼の感覚を以前とは比較にならないほど鋭敏にしていた。
「何かいる...」
木々の間から、低い呻き声のような音が聞こえてきた。アーサーは身構え、剣を構えた。
茂みが揺れ、そこから一匹の魔物が姿を現した。それは犬のような形状をしているが、全身が緑の鱗で覆われ、背中からはトゲが生えている。「棘犬(トゲイヌ)」—魔境の獣の一種だ。
魔物はアーサーの匂いを嗅ぎつけると、唸り声を上げて襲いかかってきた。
「はぁっ!」
アーサーは一瞬で身を翻し、魔物の攻撃をかわした。これまでの戦闘で得た「敏捷強化」のスキルが、彼の動きを人間離れしたものにしていた。
彼は魔物の動きを冷静に分析しながら、隙を窺った。「棘犬」の攻撃パターンは単調で、主に正面からの噛みつきが中心だ。
「今だ!」
魔物が再び襲いかかってきた瞬間、アーサーは横に飛び、その勢いを利用して魔物の側面に回り込んだ。そして一撃を背中に叩き込む。
「シャアッ!」
魔物は悲鳴を上げて倒れた。その体から紫の光が立ち上り、アーサーの体内に吸収されていく。
『獲得スキル:棘装甲』
これで彼は必要に応じて、体の一部に鋭いトゲを生やすことができるようになった。魔剣の「変容」の段階に入った彼は、獲得したスキルをより自在に操れるようになっていた。
アーサーは手の甲に試しにトゲを生やしてみた。皮膚が硬化し、そこから鋭いトゲが突き出してくる感覚は奇妙だったが、痛みはなかった。彼は意識を集中させ、トゲを引っ込めた。
「使いこなせるようになってきたな...」
彼はさらに森の奥へと進んだ。深く進むにつれ、霧は濃くなり、木々はより歪んだ形になっていく。そして何より、魔物の気配が濃厚になっていった。
---
その日、アーサーは十体以上の魔物と戦った。
蛇のような胴体に腕が生えた「腕蛇(ウデヘビ)」、水たまりのように溶けては固まる「泥塊(デイカイ)」、まるで人間の顔を持つ蝶のような「顔蝶(カオチョウ)」...様々な種類の魔物と対峙し、彼はそのすべてを倒していった。
獲得したスキルも多様だった。
『獲得スキル:粘体変形』
『獲得スキル:幻覚放出』
『獲得スキル:酸性体液』
戦いを重ねるごとに、アーサーの体は変化していった。筋肉はより引き締まり、皮膚は僅かに紫がかった色を帯び始め、瞳の色も濃い紫色に変わりつつあった。魔物の力を吸収することによる副作用だろう。しかし、彼はその変化を恐れなかった。今の彼には力が必要だった。
夕暮れ時、アーサーは小さな空き地で一休みすることにした。彼は火を起こし、倒した魔物の中で食べられる部分を焼いて食事とした。水は携帯用の革袋に入れた魔境の泉の水だ。
「ここまで来て分かったことがある」アーサーは火を見つめながら呟いた。「魔物にも序列があるようだ」
『然り』モンスターイーターが応えた。『弱き者、強き者、そして王者』
「王者...それが深淵の黒狼か」
『恐らくはな。だが、それは森の主に過ぎぬ。真の王者はさらに上におる』
アーサーは剣の言葉に思いを巡らせた。魔境には更に強大な存在がいるということだ。しかし今の彼には、まず目の前の強敵を倒すことが先決だった。
彼は空き地の中央に立ち、これまでに得たスキルを一つずつ試してみることにした。
まず「暗視」と「夜行視覚」—夜の森をほぼ昼間のように見通せる。
次に「敏捷強化」と「跳躍強化」—彼は一瞬で数メートル先に移動し、木の高所まで跳び上がることができた。
「甲殻防御」「棘装甲」「粘体変形」—体の一部または全体を硬化させたり、トゲを生やしたり、柔軟に形を変えたりできる。
「幻覚放出」—周囲に幻影を生み出し、敵の感覚を欺く。
「酸性体液」—手から弱い酸を分泌し、物体を溶かすことができる。
「糸操作」—蜘蛛の糸のような強靭な糸を指先から放出し、操る。
そして「飛翔」—黒い翼を展開し、空を飛ぶことができる。
「これだけの力があれば...」
アーサーは拳を握りしめた。かつて王子だった彼が、たった数日で人間の域を超える力を得たのだ。彼はモンスターイーターに感謝した。
『感謝するのは早い』剣が警告するように震えた。『これらは基礎に過ぎぬ。真の力は、それらを組み合わせ、戦略的に用いることにある』
「分かっている」アーサーは頷いた。「魔境の書で読んだ通りだ。単一の力より、複合的な使い方が重要だ」
彼は改めて修行を始めた。複数のスキルを同時に使う練習だ。
「敏捷強化」と「跳躍強化」を併用して光のような速さで移動し、「甲殻防御」と「棘装甲」を同時に発動して攻防一体の体を作り出す。「幻覚放出」で敵を惑わせつつ、「糸操作」で拘束する...様々な組み合わせを試した。
練習を重ねるうちに、アーサーは魔力の流れを感じ取れるようになっていった。体内に宿る力を意のままに操り、最小限の消費で最大限の効果を引き出す方法を体得していった。
「これなら...」
夜が更けるころには、彼の動きはさらに洗練され、戦闘センスは新たな次元に達していた。かつての王子の面影はほとんどなく、今や彼は魔境の戦士としての風格を帯びていた。
---
翌朝、アーサーは森の中心部へと向かう決意を固めた。
「今日こそ、深淵の黒狼と対峙する」
彼は朝食を摂ると、すぐに出発した。森の中心に近づくにつれ、周囲の空気が変わっていくのを感じた。霧はより濃く、紫色が強くなり、木々の間から漏れる光も不気味な色合いを帯びていた。
そして、魔物の姿が少なくなっていった。これは強大な魔物の縄張りに踏み込んでいる証拠だ。下級の魔物たちは、より強い存在の領域を本能的に避けるのだ。
「近いな...」
アーサーはモンスターイーターを抜き、警戒しながら進んだ。やがて彼は広大な円形の空き地に到達した。中央には巨大な黒い石が祭壇のように置かれている。
空き地に足を踏み入れた瞬間、空気が震えた。アーサーは身構え、周囲を見回した。
「来るぞ...!」
地面が揺れ始め、巨大な黒い石が動いたかと思うと、それは石ではなく、丸まって眠っていた巨大な狼だった。「深淵の黒狼」が目を覚ましたのだ。
狼は緩やかに立ち上がった。その体高は普通の馬ほどもあり、全身は漆黒の毛皮に覆われていた。最も特徴的なのは、その毛皮から常に黒い霧のようなものが立ち上っていることだ。そして目—六つの赤い瞳が、アーサーを冷酷に見据えていた。
「これが...深淵の黒狼」
アーサーは唾を飲み込んだ。これまで倒してきた魔物とは明らかに格が違う。体から発せられる威圧感だけで、通常の人間なら戦意を喪失するほどだ。
狼はゆっくりと彼の周りを歩き始めた。その動きには明らかな知性が感じられた。これは単なる獣ではない。
「お前が...来ると思っていた...人間の子よ...」
アーサーは驚いた。狼が人語を話したのだ。声は低く、まるで複数の声が重なったような不気味な響きを持っていた。
「私に話しかけているのか?」
「そうだ...モンスターイーターの新たな使い手よ...」狼は彼を見据えたまま歩き続ける。「我が名は"ヴォルグ"...この森の主...魔境の古き守護者...」
アーサーは剣を構えたまま、狼に向き合った。
「ヴォルグ、私はアーサー。ガルザスから話は聞いている。王国の儀式を阻止するため、力を求めてここに来た」
狼は低く笑ったように聞こえた。
「力を求めて...来たか...だが...お前は...本当に欲しいものを...知っているのか...?」
「何を言っている?」アーサーは眉をひそめた。
「お前の心は...揺れている...復讐か...守護か...魔物の力を得て...何をしたい...?」
ヴォルグの言葉はアーサーの心に突き刺さった。確かに彼の中には混乱があった。最初は王国への復讐だけを考えていたが、ガルザスやモンスターイーターとの出会いを通じて、単なる復讐を超えた使命を感じ始めていた。
「私は...」アーサーは言葉を選びながら答えた。「王国の不正を正したい。そして、無実の命を守りたい。人間でも魔物でも」
ヴォルグはしばらく黙って彼を観察していた。やがて、六つの赤い目が一斉に瞬いた。
「興味深い...答えだ...」狼は立ち止まった。「力を...与えよう...だが...お前の覚悟を...試す...」
次の瞬間、ヴォルグの体から黒い霧が爆発的に広がり、アーサーの視界を奪った。彼は反射的に「暗視」を発動させたが、この霧は通常の暗闇とは異なり、視覚そのものを無効化するようだった。
「なっ...!」
彼の感覚が狂い始めた。上下の感覚が失われ、宙に浮いているような不思議な感覚に襲われる。
『主よ、気をしっかり持て』モンスターイーターの声が彼の意識を繋ぎとめた。『これは幻術だ。お前の恐怖を引き出そうとしている』
アーサーは深く息を吸い、冷静さを取り戻そうとした。しかし、次の瞬間、彼の目の前に恐ろしい光景が広がった。
王国が炎に包まれている。街は廃墟と化し、人々は魔物たちに襲われていた。そして最も恐ろしいことに、その魔物たちを指揮しているのは、アーサー自身の姿だった。黒い翼を広げ、紫の目を輝かせる自分が、冷酷な笑みを浮かべている。
「こ、これは...私が...」
『幻だ、惑わされるな!』
だが、映像はさらに残酷なものへと変わった。今度は魔境が光に包まれ、魔物たちが苦しむ姿。ガルザスやその仲間たちが、聖なる光に焼かれていく。そしてその光の中心にいるのは、白銀の鎧に身を包んだアーサー。彼は聖剣を掲げ、魔物たちを容赦なく切り裂いていた。
「こんなことを...私が...?」
アーサーの心が揺れた。これは彼の未来の可能性なのか?力を得た彼が行き着く先は、人間か魔物、どちらかの破滅をもたらすことなのか?
『主よ!心を強く持て!これはお前の心の弱さを突いている!』
モンスターイーターの声に、アーサーは我に返った。そうだ、これは試練なのだ。ヴォルグは彼の覚悟を試している。
「私は...私は...!」
アーサーは剣を強く握りしめ、意識を集中させた。彼は自分の中に流れる魔力に意識を向け、それを制御しようとした。
「私は決めた...私は力を使って破壊するのではなく...守るんだ!」
彼の体から紫の光が放たれ、黒い霧を押し返していく。アーサーは自分の中に眠る全ての力を一点に集中させた。
「はああああああっ!」
轟音と共に、黒い霧が四散した。アーサーは剣を構え、再びヴォルグと向き合っていた。狼の六つの目が、興味深そうに彼を見つめている。
「見事...だ...」ヴォルグは低く唸った。「お前は...幻術に...打ち勝った...」
アーサーは息を切らしながらも、剣を構えたまま答えた。
「幻がどれだけ恐ろしくても、私は自分の意志を曲げない。力を得たとしても、私は私のままだ」
ヴォルグは初めて明確に笑った。
「良い答えだ...人間の子よ...」狼は彼に近づいた。「では...実力も...示してみよ...」
突然、ヴォルグの姿が歪み、巨大な黒い塊へと変形した。そして再び形を取ると、それは人型の姿になっていた。人間に似ているが、頭部は狼のままで、全身は黒い毛皮と鎧のような外皮に覆われている。
「これが...私の...戦闘形態...」ヴォルグは剣のような鋭い爪を見せた。「来い!」
アーサーは心を決め、モンスターイーターを構えた。これが最後の試練だ。彼は獲得したすべてのスキルを駆使して、この強敵に立ち向かう決意を固めた。
深淵の森の中心部で、かつての王子と魔境の守護者の戦いが今、始まろうとしていた。
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