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【212 動機】
「初めまして。ニコラ・セラノです」
「私はリンダ・アクーニャ。リンでいいよ。よろしくね」
ニコラさんは金茶色のセミロングで、柔らかそうな毛先は少し内巻きになっている。
150cmくらいだろうか。少し背は低く、小顔でパッチリとした二重が可愛らしい。
少し大きめの、白黒のボーダーセーターをゆったりと着ている。
21歳で、3年前に孤児院を出たそうだ。
リンダさんは、銀髪のベリーショート。耳は完全に出ていて、両耳にピアスが二つづつ。
襟足もかなり短い。
私も背は高い方だけど、リンダさんは175cmくらいはありそうだ。
健康的でバランスの良いプロポーションは、スポーツ選手のようにも見える。
24歳で私より1歳年上だった。4年前、二十歳の時に孤児院を出たそうだ。
私とメアリーちゃんは初対面なので、私達も自己紹介をして一階広間のテーブルで、仕事の話しをする事になった。
ブレンダン様は外出しているので、私とジャニスさん、ウィッカーさん、メアリーちゃんを合わせて、合計6人での話し合いだ。
「・・・と言う仕事内容です。なにか質問はありますか?」
買い取った物を修理して店頭に並べて販売する。
簡単に言えばそれだけの仕事だけど、実際買い取りは知識が必要だ。慣れるまでは難しいだろう。
「そうだね。私は実践して聞きながら覚えていくから、今のとこは大丈夫かな。契約内容も文句ないよ。仕事辞めたばっかだから、正直ジャニスの誘いは助かったし」
リンダさんは両手を頭の後ろで組んで、イスを少し後ろに傾けた。
「私も驚いたよ。誘っておいてなんだけど、まさかリン姉さん辞めてるとは思わなかったし。せっかく剣士として王宮仕えできたのに、なんで辞めちゃったの?師匠もびっくりすると思うよ」
「うわぁ~・・・ここに来ておいて今更だけど、そうだよね・・・師匠ガッカリさせちゃうかな」
ジャニスさんの言葉に、リンダさんは今気が付いたと言わんばかりに、両手で頭を挟むように押さえ、テーブルに肘をついた。どうしよう~、と、絞り出すように重い声をもらす。
「あ、あの・・・よっぽどのご事情でもあったんですか?」
気落ちしているリンダさんに声をかけると、リンダさんの隣に座っているニコラさんが小さく手を挙げて、口を開いた。
「リン姉さん、上司と揉めて・・・その、やっつけちゃったみたいなんです」
「え!?」
私は思わず声を上げてしまった。
リンダさんに目を向けると、リンダさんはなぜか照れたような顔で笑っている。
言うなよ~、とか言いそうな雰囲気だ。
隣に座るジャニスさんに顔を向けると、ジャニスさんも額に手を当て、天井を見上げている。
言葉に出さなくても、あちゃ~、と言う心の声が聞こえてきそうだ。
「リン姉の事だから、なんか理由あるんでしょ?」
ウィッカーさんは特に驚く事もなく、斜め向かいに座るリンダさんに問いかけた。
「えへへ・・・いやぁ~、ほら、体力型って少ないじゃん?だから、王宮仕えの剣士ってなると、本当に少ないんだよね。そんでほとんど男ばっかなの。女は数える程度しかいないんだよね。
だから、ちょっと女の立場が弱いのさ。そんで、その上司、副隊長なんだけど、あんま女を見下した感じに話すから、ちょっとね・・・・・やりすぎちゃった」
半笑いで気まずそうに話すリンダさん。
ウィッカーさんは溜息をつくけど、優しい目をリンダさんに向けている。
「変わってないな、リン姉は・・・」
「えへへ・・・そのまま啖呵切って辞めてきちゃった。まぁ、そんなわけだから、師匠に話す時はウィッカーもフォローしてよ。ジャニスもね!」
拝むように両手を合わせるリンダさんを見て、クスリと優しい笑いおきた。
「やっぱ、リン姉だなぁ、な?ジャニス」
「うん。変わってないね。なんか安心するよ」
「あー!お前らバカにしてんなぁ」
三人の間で特別な空気が流れると、ニコラさんが言葉を挟んだ。
「ほら、リン姉さん、ヤヨイさんとメアリーちゃんを置いて、話しこんじゃだめですよ」
「あ、ごめんごめん、なんか久しぶりって感じしなくて、話し易かったから。それにしても、ウィッカーが結婚ねぇ・・・最後に会った時はまだまだ子供っぽかったのに、早いもんだね」
春になったらメアリーちゃんと結婚する。ウィッカーさんは、知り合い全てには話したと言っていた。
「それは、私もビックリしました。ウィッカーが結婚・・・メアリーちゃん、ウィッカーのどこが良かったの?」
「あ!それはっ・・・」
リンダさんとニコラさんが、ウィッカーさんの隣に座るメアリーちゃんに馴れ初めを尋ねる。
私が声を上げ、制止をかけるのは間に合わなかった。
ジャニスさんも、しまった、という顔をしているがもう遅い。
「はい!ウィッカーさんはとっても優しくて思いやりがあって、強くてカッコ良いんです!あれは私が八歳の時です、私が・・・・・」
メアリーちゃんは満面の笑みで、ウィッカーさんの魅力と、自分がいかにウィッカーさんを愛しているかを、延々と語り続けた。
1時間程してブレンダン様が帰って来たのを機に、師匠が帰って来たからまた今度ね!と言ってジャニスさんが話しを止めると、リンダさんとニコラさんは、顔が引きつっていた。
「ほっほっほ、ニコラは去年一度顔を見せに来たが、リンダはいつ以来じゃ?最初のうちはちょくちょく来ておったが、ここ2年くらいは来とらんかったか?しかし変わっておらんな」
ブレンダン様も席につき、これまでの事を話すと、リンダさんは恐縮したように身を縮こまらせている。
「その・・・師匠・・・ごめんなさい」
「ん?なぜ謝る?」
「だって・・・せっかくの仕事、辞めちゃって・・・師匠、すっごい喜んでくれてたのに・・・」
リンダさんが俯きながら謝罪の言葉を口にすると、ブレンダン様は穏やかな口調で、怒っとらんよ、と言葉をかけた。
「辞めてしまったものは、しかたなかろう。ワシなんぞ貴族だったのに、家を飛び出しとるんじゃ。偉そうな事は何も言えんわい。それより、ヤヨイさんの店を手伝ってくれるんじゃろ?新しい仕事を始めるのじゃから、それでよいではないか」
ブレンダン様が笑って話すと、リンダさんはホッと息を吐いて、笑って返事をした。
「うん!ありがとう師匠!仕事内容も聞いたよ。任せといて!私、これでも手先は器用なんだから!」
「リン姉さん、良かったですね。私も衣装箱やタンスの引き出しとか、家具の修理は孤児院でやってましたから、微力ながらお役に立てる事もあると思います。よろしくお願いします」
あらためて二人から挨拶をされて、私も、こちらこそお願いします、と頭を下げる。
二人とも手先が器用という事だし、ニコラさんは家具の修理もできるというので、即戦力で大助かりだ。
「あぁ、ところで、ニコラは仕事はいいのか?確か雑貨屋じゃったな?掛け持ちするのか?」
話しの区切りがついたところで、ブレンダン様が思い出したように言うと、ニコラさんの表情が固まった。
「・・・・・・や、辞めちゃいました・・・・・あはは」
「・・・・・ニコラ、そりゃワシは責めんが・・・リンダの後で、お前・・・」
ブレンダン様が肩を落として溜息をつくと、ニコラさんは慌てて弁解を始めた。
「だ、だって!みんな私に仕事押し付けてくるんですよ!もう嫌になっちゃって・・・だから、ジャニスから誘われて助かった。正直、次どうしようか悩んでたから・・・リン姉さんもいるし、こっちは辞めずに頑張るから!」
「ニコラ!私も同じ気持ちだ!お前がいるから頑張れる!」
「リン姉さん!」
座ったまま二人が抱き合うと、ジャニスさんがちょっと呆れた感じの表情を見せる。
「えっと、ジャニスさん、ニコラさん達は、いつもこんな感じなの?」
「うん。ここに住んでた時から仲良かったね。孤児院出てからもよく会ってたみたいでさ、本当に変わってないや」
呆れた表情を見せつつも、安心するような笑みを浮かべるジャニスさんは、きっと内心喜んでいるんだと思う。
ここを巣立っても、変わらず自分の知っているままでいてくれた事に。
そして、仕事に誘ったという事は、私の希望する条件に合ったという事もあるだろうけど、ジャニスさんは二人が好きなんだと思う。
だから、一緒に働ける事が嬉しいんだと思う。
「賑やかになりそうですね!」
メアリーちゃんは相変わらずのマイペースである。
リンダさんとニコラさんが、リサイクルショップ専属で働く事になり、とりあえず人手の問題もクリアできた。
モニカさんも毎日は難しいけど、週2~3日は入れるようなので、なんとかなると思う。
後は実際に働いてから、もっと人手がほしいと感じた時には増やすかもしれない。
「私はリンダ・アクーニャ。リンでいいよ。よろしくね」
ニコラさんは金茶色のセミロングで、柔らかそうな毛先は少し内巻きになっている。
150cmくらいだろうか。少し背は低く、小顔でパッチリとした二重が可愛らしい。
少し大きめの、白黒のボーダーセーターをゆったりと着ている。
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リンダさんは、銀髪のベリーショート。耳は完全に出ていて、両耳にピアスが二つづつ。
襟足もかなり短い。
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リンダさんは両手を頭の後ろで組んで、イスを少し後ろに傾けた。
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「うわぁ~・・・ここに来ておいて今更だけど、そうだよね・・・師匠ガッカリさせちゃうかな」
ジャニスさんの言葉に、リンダさんは今気が付いたと言わんばかりに、両手で頭を挟むように押さえ、テーブルに肘をついた。どうしよう~、と、絞り出すように重い声をもらす。
「あ、あの・・・よっぽどのご事情でもあったんですか?」
気落ちしているリンダさんに声をかけると、リンダさんの隣に座っているニコラさんが小さく手を挙げて、口を開いた。
「リン姉さん、上司と揉めて・・・その、やっつけちゃったみたいなんです」
「え!?」
私は思わず声を上げてしまった。
リンダさんに目を向けると、リンダさんはなぜか照れたような顔で笑っている。
言うなよ~、とか言いそうな雰囲気だ。
隣に座るジャニスさんに顔を向けると、ジャニスさんも額に手を当て、天井を見上げている。
言葉に出さなくても、あちゃ~、と言う心の声が聞こえてきそうだ。
「リン姉の事だから、なんか理由あるんでしょ?」
ウィッカーさんは特に驚く事もなく、斜め向かいに座るリンダさんに問いかけた。
「えへへ・・・いやぁ~、ほら、体力型って少ないじゃん?だから、王宮仕えの剣士ってなると、本当に少ないんだよね。そんでほとんど男ばっかなの。女は数える程度しかいないんだよね。
だから、ちょっと女の立場が弱いのさ。そんで、その上司、副隊長なんだけど、あんま女を見下した感じに話すから、ちょっとね・・・・・やりすぎちゃった」
半笑いで気まずそうに話すリンダさん。
ウィッカーさんは溜息をつくけど、優しい目をリンダさんに向けている。
「変わってないな、リン姉は・・・」
「えへへ・・・そのまま啖呵切って辞めてきちゃった。まぁ、そんなわけだから、師匠に話す時はウィッカーもフォローしてよ。ジャニスもね!」
拝むように両手を合わせるリンダさんを見て、クスリと優しい笑いおきた。
「やっぱ、リン姉だなぁ、な?ジャニス」
「うん。変わってないね。なんか安心するよ」
「あー!お前らバカにしてんなぁ」
三人の間で特別な空気が流れると、ニコラさんが言葉を挟んだ。
「ほら、リン姉さん、ヤヨイさんとメアリーちゃんを置いて、話しこんじゃだめですよ」
「あ、ごめんごめん、なんか久しぶりって感じしなくて、話し易かったから。それにしても、ウィッカーが結婚ねぇ・・・最後に会った時はまだまだ子供っぽかったのに、早いもんだね」
春になったらメアリーちゃんと結婚する。ウィッカーさんは、知り合い全てには話したと言っていた。
「それは、私もビックリしました。ウィッカーが結婚・・・メアリーちゃん、ウィッカーのどこが良かったの?」
「あ!それはっ・・・」
リンダさんとニコラさんが、ウィッカーさんの隣に座るメアリーちゃんに馴れ初めを尋ねる。
私が声を上げ、制止をかけるのは間に合わなかった。
ジャニスさんも、しまった、という顔をしているがもう遅い。
「はい!ウィッカーさんはとっても優しくて思いやりがあって、強くてカッコ良いんです!あれは私が八歳の時です、私が・・・・・」
メアリーちゃんは満面の笑みで、ウィッカーさんの魅力と、自分がいかにウィッカーさんを愛しているかを、延々と語り続けた。
1時間程してブレンダン様が帰って来たのを機に、師匠が帰って来たからまた今度ね!と言ってジャニスさんが話しを止めると、リンダさんとニコラさんは、顔が引きつっていた。
「ほっほっほ、ニコラは去年一度顔を見せに来たが、リンダはいつ以来じゃ?最初のうちはちょくちょく来ておったが、ここ2年くらいは来とらんかったか?しかし変わっておらんな」
ブレンダン様も席につき、これまでの事を話すと、リンダさんは恐縮したように身を縮こまらせている。
「その・・・師匠・・・ごめんなさい」
「ん?なぜ謝る?」
「だって・・・せっかくの仕事、辞めちゃって・・・師匠、すっごい喜んでくれてたのに・・・」
リンダさんが俯きながら謝罪の言葉を口にすると、ブレンダン様は穏やかな口調で、怒っとらんよ、と言葉をかけた。
「辞めてしまったものは、しかたなかろう。ワシなんぞ貴族だったのに、家を飛び出しとるんじゃ。偉そうな事は何も言えんわい。それより、ヤヨイさんの店を手伝ってくれるんじゃろ?新しい仕事を始めるのじゃから、それでよいではないか」
ブレンダン様が笑って話すと、リンダさんはホッと息を吐いて、笑って返事をした。
「うん!ありがとう師匠!仕事内容も聞いたよ。任せといて!私、これでも手先は器用なんだから!」
「リン姉さん、良かったですね。私も衣装箱やタンスの引き出しとか、家具の修理は孤児院でやってましたから、微力ながらお役に立てる事もあると思います。よろしくお願いします」
あらためて二人から挨拶をされて、私も、こちらこそお願いします、と頭を下げる。
二人とも手先が器用という事だし、ニコラさんは家具の修理もできるというので、即戦力で大助かりだ。
「あぁ、ところで、ニコラは仕事はいいのか?確か雑貨屋じゃったな?掛け持ちするのか?」
話しの区切りがついたところで、ブレンダン様が思い出したように言うと、ニコラさんの表情が固まった。
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「・・・・・ニコラ、そりゃワシは責めんが・・・リンダの後で、お前・・・」
ブレンダン様が肩を落として溜息をつくと、ニコラさんは慌てて弁解を始めた。
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「ニコラ!私も同じ気持ちだ!お前がいるから頑張れる!」
「リン姉さん!」
座ったまま二人が抱き合うと、ジャニスさんがちょっと呆れた感じの表情を見せる。
「えっと、ジャニスさん、ニコラさん達は、いつもこんな感じなの?」
「うん。ここに住んでた時から仲良かったね。孤児院出てからもよく会ってたみたいでさ、本当に変わってないや」
呆れた表情を見せつつも、安心するような笑みを浮かべるジャニスさんは、きっと内心喜んでいるんだと思う。
ここを巣立っても、変わらず自分の知っているままでいてくれた事に。
そして、仕事に誘ったという事は、私の希望する条件に合ったという事もあるだろうけど、ジャニスさんは二人が好きなんだと思う。
だから、一緒に働ける事が嬉しいんだと思う。
「賑やかになりそうですね!」
メアリーちゃんは相変わらずのマイペースである。
リンダさんとニコラさんが、リサイクルショップ専属で働く事になり、とりあえず人手の問題もクリアできた。
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