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1502 闘気の獅子
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闘気の獅子と化したレイマートのスピードは、クリチコの想定を大きく上回っていた。
レイマートの左の闘気の爪は、すでにクリチコの心臓目掛けて繰り出されており、一瞬でも反応が遅れていれば、胸を抉り取られていただろう。
「ッ!」
反射的に右手を前に出して、レイマートの闘気の爪を受ける!
クリチコが右手に宿す炎は、火の精霊の加護を受けている精霊の火である。本来受けれるはずのない闘気の爪だが、精霊の火ならば受ける事が可能である。
可能であるが・・・
「なに!?」
「ハァァァァァッツ!」
受けきれるかは別である。
確かにクリチコはレイマートの闘気の爪を、精霊の火を宿した右手で受けた。
だがレイマートの獅子王牙はそう簡単に止められない。精霊の火で受ける事ができようとも、クリチコ自身に獅子王牙の圧力を止めるパワーがないのであれば、レイマートを止める事はできない。
レイマートは更なる力を込めて左腕を振り抜き、クリチコを弾き飛ばした!
「くっ、これは・・・!」
闘気の爪を受けた右手がビリビリと痺れて震える。
レイマートの一撃は、精霊の火でも吸収しきれない威力だった。
精霊の火を纏っていたから外傷はない。だが逆を言えば、精霊の火が無ければこの右手は斬り飛ばされていただろう。
それほどのパワーと鋭さを持った一撃だった。
そしてクリチコが己が受けたダメージを確認するまでのコンマ数秒の間に、レイマートは目の前に追い迫っていた!
「ッ!?」
「ハァッツ!」
覆いかぶさるようにクリチコの上をとると、その顔面目掛けて右手の闘気の爪を振り下ろす!
決まれば首から上が捥ぎ取られる必殺の一撃!
まずい!
クリチコは反射的に両手を顔の前に出し闘気の爪を受けるが、レイマートはそのまま右腕を振り抜き殴り飛ばす!
「ッ!?」
その威力は両手を突き抜けクリチコの顔面を打った!まるでハンマーで打たれたような硬く重い衝撃に、頭が弾かれ地面に叩きつけられる。一瞬意識が飛びそうになる。もしここが砂漠でなければ、脳髄を飛び散らせたかと思う程の凄まじい衝撃だった。
「オォォッ!」
勝機!ここだ!ここで決める!ここで終わらせる!
レイマートはここが勝負どころだと見た。
右足を胸の高さまで上げると、全体重を乗せてクリチコの腹に落とす!
闘気を込めたこの蹴りをまともに食らえば、内臓を破裂させ背骨まで砕けるだろう。
しかし頭部を強く叩きつけられても、クリチコに意識は残っていた。全身を精霊の火で覆い、レイマートの闘気の蹴りを受け止める!
「火の精霊の加護か、だがまだだ!」
腹を踏み潰した手応えはある、だがある程度の衝撃は吸収されてしまった。これでは致命傷には成り得ない。
「ラァァァーーーーーーッツ!」
だが一撃を止められても、レイマートは止まらなかった。
一撃を止められたのなら二撃!三撃!幾度でも食らわせてここで確実に仕留める!
クリチコの腹の上に立つと、雨あられの如く蹴りを繰り出す!一瞬たりとも休む事なく踏みつけた!
その一撃一撃が地面を揺さぶり、砂を巻き上げ、クリチコの体を砂中深く沈ませた!
「オォォォォォォォォォォォーーーーーーーーーーーッツ!」
獣の如き咆哮!闘気の獅子と化したレイマートの気迫は、まさに獅子を彷彿させた。
怒涛の攻撃だった。闘気を込めた両足で、何度も何度も力の限り踏みつける!いくら精霊の火で身を護っても、これだけの蹴りをくらって耐えきれるものではない。
ゴールド騎士レイマート・ハイランドの最大最強の必殺技、獅子王牙。
全身に闘気を纏い、己を獅子と見立て戦うこの技の正体は、両手と両足から繰り出すレオンクローだった。
レオンクローは一撃必殺の威力を持つが、体力の消耗は大きい。
そのため通常は片手だけで使う技である。しかしその強力無比な闘気を両全身に纏い、両手両足から闘気の爪を繰り出せば、どれほどの凄まじいものになるかは想像に難くないだろう。
しかし前述したように、体力の消耗はレオンクローの比ではない。
従って獅子王牙とは、短期決戦用の切り札であった。
「トドメだぁぁぁーーーッツ!」
両手を頭上に振り上げる!
獅子の前足、十本の爪に最大の闘気を込めてクリチコの心臓目掛けて振り下ろす!
「燃え上がれ」
闘気の爪がクリチコの胸を抉る寸前に聞こえたのは、地の底から響くような冷たく重い声だった。
次の瞬間、天をも焦がす巨大な火柱が立ち昇り、レイマートを焼き払った。
レイマートの左の闘気の爪は、すでにクリチコの心臓目掛けて繰り出されており、一瞬でも反応が遅れていれば、胸を抉り取られていただろう。
「ッ!」
反射的に右手を前に出して、レイマートの闘気の爪を受ける!
クリチコが右手に宿す炎は、火の精霊の加護を受けている精霊の火である。本来受けれるはずのない闘気の爪だが、精霊の火ならば受ける事が可能である。
可能であるが・・・
「なに!?」
「ハァァァァァッツ!」
受けきれるかは別である。
確かにクリチコはレイマートの闘気の爪を、精霊の火を宿した右手で受けた。
だがレイマートの獅子王牙はそう簡単に止められない。精霊の火で受ける事ができようとも、クリチコ自身に獅子王牙の圧力を止めるパワーがないのであれば、レイマートを止める事はできない。
レイマートは更なる力を込めて左腕を振り抜き、クリチコを弾き飛ばした!
「くっ、これは・・・!」
闘気の爪を受けた右手がビリビリと痺れて震える。
レイマートの一撃は、精霊の火でも吸収しきれない威力だった。
精霊の火を纏っていたから外傷はない。だが逆を言えば、精霊の火が無ければこの右手は斬り飛ばされていただろう。
それほどのパワーと鋭さを持った一撃だった。
そしてクリチコが己が受けたダメージを確認するまでのコンマ数秒の間に、レイマートは目の前に追い迫っていた!
「ッ!?」
「ハァッツ!」
覆いかぶさるようにクリチコの上をとると、その顔面目掛けて右手の闘気の爪を振り下ろす!
決まれば首から上が捥ぎ取られる必殺の一撃!
まずい!
クリチコは反射的に両手を顔の前に出し闘気の爪を受けるが、レイマートはそのまま右腕を振り抜き殴り飛ばす!
「ッ!?」
その威力は両手を突き抜けクリチコの顔面を打った!まるでハンマーで打たれたような硬く重い衝撃に、頭が弾かれ地面に叩きつけられる。一瞬意識が飛びそうになる。もしここが砂漠でなければ、脳髄を飛び散らせたかと思う程の凄まじい衝撃だった。
「オォォッ!」
勝機!ここだ!ここで決める!ここで終わらせる!
レイマートはここが勝負どころだと見た。
右足を胸の高さまで上げると、全体重を乗せてクリチコの腹に落とす!
闘気を込めたこの蹴りをまともに食らえば、内臓を破裂させ背骨まで砕けるだろう。
しかし頭部を強く叩きつけられても、クリチコに意識は残っていた。全身を精霊の火で覆い、レイマートの闘気の蹴りを受け止める!
「火の精霊の加護か、だがまだだ!」
腹を踏み潰した手応えはある、だがある程度の衝撃は吸収されてしまった。これでは致命傷には成り得ない。
「ラァァァーーーーーーッツ!」
だが一撃を止められても、レイマートは止まらなかった。
一撃を止められたのなら二撃!三撃!幾度でも食らわせてここで確実に仕留める!
クリチコの腹の上に立つと、雨あられの如く蹴りを繰り出す!一瞬たりとも休む事なく踏みつけた!
その一撃一撃が地面を揺さぶり、砂を巻き上げ、クリチコの体を砂中深く沈ませた!
「オォォォォォォォォォォォーーーーーーーーーーーッツ!」
獣の如き咆哮!闘気の獅子と化したレイマートの気迫は、まさに獅子を彷彿させた。
怒涛の攻撃だった。闘気を込めた両足で、何度も何度も力の限り踏みつける!いくら精霊の火で身を護っても、これだけの蹴りをくらって耐えきれるものではない。
ゴールド騎士レイマート・ハイランドの最大最強の必殺技、獅子王牙。
全身に闘気を纏い、己を獅子と見立て戦うこの技の正体は、両手と両足から繰り出すレオンクローだった。
レオンクローは一撃必殺の威力を持つが、体力の消耗は大きい。
そのため通常は片手だけで使う技である。しかしその強力無比な闘気を両全身に纏い、両手両足から闘気の爪を繰り出せば、どれほどの凄まじいものになるかは想像に難くないだろう。
しかし前述したように、体力の消耗はレオンクローの比ではない。
従って獅子王牙とは、短期決戦用の切り札であった。
「トドメだぁぁぁーーーッツ!」
両手を頭上に振り上げる!
獅子の前足、十本の爪に最大の闘気を込めてクリチコの心臓目掛けて振り下ろす!
「燃え上がれ」
闘気の爪がクリチコの胸を抉る寸前に聞こえたのは、地の底から響くような冷たく重い声だった。
次の瞬間、天をも焦がす巨大な火柱が立ち昇り、レイマートを焼き払った。
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