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【番外編】皆とバレンタイン7
俺よりも一回り大きな手がそっと重なる。繋がれた手のひらの温かさに、射抜くような眼差しに、胸の鼓動が一気に激しさを増してしまう。
おずおずと手渡された黄色のビニール袋には、手軽にタンパク質が取れるプロテインバーがみっちりと詰まっていた。
全部チョコレート味ってことは、もしかして……
「バレンタインのプレゼント、ですか?」
「ああ、せめて実用性のあるものをと思ったんだが……やはり、好きな子に贈るものとしては相応しくなかっただろうか?」
「ふぇっ……いや、俺はスゴく嬉しいですよ! ありがとうございます! これ、コンビニで見かけて気になってたんですよ!」
す、好きな子って……ホント先輩って何の気もなしにストレートに人のハートぶち抜いてくるよな……
ただでさえ、今日は朝からドキドキさせられっぱなしで心臓が過労気味だってのにさ……
こんなんじゃ、いつか俺、尊死してしまうんじゃないか? 冗談抜きで。
「本当か? 良かった……君の喜ぶ顔を見れただけで鍛練の疲れなんて一気に吹き飛んでしまうな! ……君さえ良ければ、もう少し近くで見させてもらえないだろうか?」
「ひぇ……あ、はい。どうぞ?」
いかん、先輩の笑顔が眩しすぎて最後の方ちゃんと聞いてなかったんだが。
困惑している俺をよそに、ゆっくりと覆い被さるみたいに先輩が俺との距離を詰めていく。
つい、間近に迫ってくるその端正な顔を眺めていたせいで、自然と互いに見つめ合う形になっていた。
「サルファー先輩……」
「シュン……」
乾いた喉から絞り出した声が変に上ずって、ますます顔に熱が集まっていく。
甘ったるい響きを含んだ低音で名前を呼ばれ、不思議な感覚が背筋に走った。
夕陽に照らされ淡く輝く黄色の瞳。熱のこもった眼差しに見惚れているうちに俺達の距離がゼロになっていた。
「……ん……んっ……先、輩……」
角度を変えながら二回、いや三回。甘く唇を食むように口づけられた。最後にちゅっと音を立て、名残惜しそうに先輩が俺から離れていく。
おずおずと手渡された黄色のビニール袋には、手軽にタンパク質が取れるプロテインバーがみっちりと詰まっていた。
全部チョコレート味ってことは、もしかして……
「バレンタインのプレゼント、ですか?」
「ああ、せめて実用性のあるものをと思ったんだが……やはり、好きな子に贈るものとしては相応しくなかっただろうか?」
「ふぇっ……いや、俺はスゴく嬉しいですよ! ありがとうございます! これ、コンビニで見かけて気になってたんですよ!」
す、好きな子って……ホント先輩って何の気もなしにストレートに人のハートぶち抜いてくるよな……
ただでさえ、今日は朝からドキドキさせられっぱなしで心臓が過労気味だってのにさ……
こんなんじゃ、いつか俺、尊死してしまうんじゃないか? 冗談抜きで。
「本当か? 良かった……君の喜ぶ顔を見れただけで鍛練の疲れなんて一気に吹き飛んでしまうな! ……君さえ良ければ、もう少し近くで見させてもらえないだろうか?」
「ひぇ……あ、はい。どうぞ?」
いかん、先輩の笑顔が眩しすぎて最後の方ちゃんと聞いてなかったんだが。
困惑している俺をよそに、ゆっくりと覆い被さるみたいに先輩が俺との距離を詰めていく。
つい、間近に迫ってくるその端正な顔を眺めていたせいで、自然と互いに見つめ合う形になっていた。
「サルファー先輩……」
「シュン……」
乾いた喉から絞り出した声が変に上ずって、ますます顔に熱が集まっていく。
甘ったるい響きを含んだ低音で名前を呼ばれ、不思議な感覚が背筋に走った。
夕陽に照らされ淡く輝く黄色の瞳。熱のこもった眼差しに見惚れているうちに俺達の距離がゼロになっていた。
「……ん……んっ……先、輩……」
角度を変えながら二回、いや三回。甘く唇を食むように口づけられた。最後にちゅっと音を立て、名残惜しそうに先輩が俺から離れていく。
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