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細マッチョな先輩と恋人同士になった件(ソレイユルート)
★ オレの為でもあったんだよ
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最終的にはソレイユとほとんど同時に気持ちよくなれたのは嬉しい。
元々は指だけの練習で終わってしまうつもりだったのが俺の我儘を聞いてくれて、三本目までステップアップ出来たどころか、先っぽまで挿れてもらえたのも。しかも、初めてだったのに、ソレイユので気持ちよくなれたのも、ソレイユにも気持ちいいって感じてもらえたのも。
少し前に得ることが出来た成果の数々を思い浮かべただけで口元がふにゃりとニヤけてしまう。
でも、一つだけ。ほんの一つだけ納得がいっていないというか。
「……何で、中に出してくれなかったんですか?」
散々乱してしまったベッドの上で、枕の代わりをしてくれていた筋肉質な腕がびくりと揺れる。労ってくれているように腰を撫でてくれていた大きな手も。
ほんのついさっきまで、ホントの意味で俺はソレイユに抱いてもらっていた。嬉しさしかない初めてを終えてからも俺達はそのままの姿で、下着すら身に着けずにベッドで身を寄せ合っていた。
お風呂くらい入った方が良いんだとは思う。色々と汚してしまっていたから。でも、離れ難かったんだ。その気持ちは嬉しいことにソレイユも一緒だったらしい。今はこれしか出来ないけど、と側に置いたままのタオルで汗ばんでいた身体を拭いてくれた。
彼自身も、もう一つのタオルでぱぱっと拭いてからはまったりと。何を話す訳でもなく、狭いベッドの上でくっつき合って、撫でてもらって。視線が合えば触れるだけのキスもしてもらえていた。幸せな時間を過ごさせてもらっていたのだけれども。
舞い上がっていた気持ちが落ち着いてくれば、ほったらかしにしていた疑問が蘇ってきてしまったのだ。それも、甘い時間に水を差すような、不満な気分も引き連れて。
突然の俺からの問いにソレイユは明らかに困っているようだった。細い眉は八の字に下がり、形のいい唇に浮かんでいた笑みが消えてしまっている。
言いたくても言えない、または言い辛いって感じなんだろう。ソレイユは何も答えてはくれなかった。タレ目の瞳が落ち着きなくゆらゆらと左右に泳いでいる。
まぁ、いくら俺でも何となくは分かっているけどさ。
「俺の身体に、これ以上負担をかけない為、ですか?」
目が合った。やっぱり、そういうことだよな。ずっと俺の身体のことを心配してくれていたんだし。
「気持ちは嬉しいです……でも、ちょっとくらいなら……俺も男です。そりゃあ、ソレイユみたいに逞しくはないけれど、でも、そんなに身体、弱くは」
「オレの為でもあったんだよ」
「え?」
返ってこないだろうと踏んでいた返事にも驚いた。けれども、その予想だにしていなかった内容にはもっと驚いた。一体、何がソレイユ自身の為だったんだと。
「シュンの言う通り、負担をかけたくはないっていうのが理由の大部分ではあるけどね」
「……じゃあ、大部分じゃない残りは? 何がソレイユの為だったんですか?」
「それは……」
またしてもソレイユは口を閉ざしてしまった。気になることだけ言っておいて、肝心なところは教えてくれないつもりなんだろうか。
ズルい。ますます納得がいかなくなってしまったじゃないか。これなら、まだ俺の身体を思って止めたんだって、そうソレイユの口から念を押されてしまえば、俺だって。
「……止まらなくなっちゃいそう、だったから」
「え」
ソレイユの顔がみるみる内に真っ赤に染まっていく。意味が上手く飲み込めていなかった俺の顔も、ワンテンポ遅れて熱を持ち始めていた。
元々は指だけの練習で終わってしまうつもりだったのが俺の我儘を聞いてくれて、三本目までステップアップ出来たどころか、先っぽまで挿れてもらえたのも。しかも、初めてだったのに、ソレイユので気持ちよくなれたのも、ソレイユにも気持ちいいって感じてもらえたのも。
少し前に得ることが出来た成果の数々を思い浮かべただけで口元がふにゃりとニヤけてしまう。
でも、一つだけ。ほんの一つだけ納得がいっていないというか。
「……何で、中に出してくれなかったんですか?」
散々乱してしまったベッドの上で、枕の代わりをしてくれていた筋肉質な腕がびくりと揺れる。労ってくれているように腰を撫でてくれていた大きな手も。
ほんのついさっきまで、ホントの意味で俺はソレイユに抱いてもらっていた。嬉しさしかない初めてを終えてからも俺達はそのままの姿で、下着すら身に着けずにベッドで身を寄せ合っていた。
お風呂くらい入った方が良いんだとは思う。色々と汚してしまっていたから。でも、離れ難かったんだ。その気持ちは嬉しいことにソレイユも一緒だったらしい。今はこれしか出来ないけど、と側に置いたままのタオルで汗ばんでいた身体を拭いてくれた。
彼自身も、もう一つのタオルでぱぱっと拭いてからはまったりと。何を話す訳でもなく、狭いベッドの上でくっつき合って、撫でてもらって。視線が合えば触れるだけのキスもしてもらえていた。幸せな時間を過ごさせてもらっていたのだけれども。
舞い上がっていた気持ちが落ち着いてくれば、ほったらかしにしていた疑問が蘇ってきてしまったのだ。それも、甘い時間に水を差すような、不満な気分も引き連れて。
突然の俺からの問いにソレイユは明らかに困っているようだった。細い眉は八の字に下がり、形のいい唇に浮かんでいた笑みが消えてしまっている。
言いたくても言えない、または言い辛いって感じなんだろう。ソレイユは何も答えてはくれなかった。タレ目の瞳が落ち着きなくゆらゆらと左右に泳いでいる。
まぁ、いくら俺でも何となくは分かっているけどさ。
「俺の身体に、これ以上負担をかけない為、ですか?」
目が合った。やっぱり、そういうことだよな。ずっと俺の身体のことを心配してくれていたんだし。
「気持ちは嬉しいです……でも、ちょっとくらいなら……俺も男です。そりゃあ、ソレイユみたいに逞しくはないけれど、でも、そんなに身体、弱くは」
「オレの為でもあったんだよ」
「え?」
返ってこないだろうと踏んでいた返事にも驚いた。けれども、その予想だにしていなかった内容にはもっと驚いた。一体、何がソレイユ自身の為だったんだと。
「シュンの言う通り、負担をかけたくはないっていうのが理由の大部分ではあるけどね」
「……じゃあ、大部分じゃない残りは? 何がソレイユの為だったんですか?」
「それは……」
またしてもソレイユは口を閉ざしてしまった。気になることだけ言っておいて、肝心なところは教えてくれないつもりなんだろうか。
ズルい。ますます納得がいかなくなってしまったじゃないか。これなら、まだ俺の身体を思って止めたんだって、そうソレイユの口から念を押されてしまえば、俺だって。
「……止まらなくなっちゃいそう、だったから」
「え」
ソレイユの顔がみるみる内に真っ赤に染まっていく。意味が上手く飲み込めていなかった俺の顔も、ワンテンポ遅れて熱を持ち始めていた。
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