鈍色(にびいろ)

カヨワイさつき

文字の大きさ
6 / 14

秋天(しゅうてん)

しおりを挟む



な、何コレは?
朝からナニ。
このキンキラキン。
スープに金ぱく。
貝、貝、貝のナニ~!!!
「何を食べたいか分からないから
適当に洋食のセットと和食のセット
頼んだから、たくさん食べてね。
欲しいものや、足りない物とか
遠慮なく言ってね。」
「は、はい。」
朝から万単位?
値段が怖くて、喉が通らないって
思ってたけど、スープも、お味噌汁も
何この白ご飯と、小鉢に盛られた可愛い
おかずちゃんたちは、何?なに?
昨夜から、色々ありすぎたのに
美味しすぎる超豪華な朝ごはんは
瞬く間に胃袋に収まってしまった。
美味しすぎる豪華な朝ごはんに
豪華なイケメン。
もうここまで騙されたなら
覚悟しよう。思い残すことは無い。

「ともちゃんと一緒だから美味しかった。
俺おかしいと思われるかもしれないけど、
ともちゃんさえ良ければ……。」
「……。」
う、うそ!嘘よね?
まさかの告白?!
「やはり変だよね。俺…は、早いよね?」
「……。」
ガクッ!
早くガッツリ告白してよ!!
鼻の粘膜は、やばいだけで
他の戦闘態勢はバッチリよ。
あっ!!
待って、お気に入りの勝負下着じゃないわ。
このまま、ホテルのお部屋で
アレは、なしよ?
私は軽い女じゃないのよ。
超超超マジメでピュアでか弱いのよ。
お仕事、そう、お仕事しなきゃね。
お互いの事、まだまだまだまだ……
知らないし。
「名前で呼んでくれないけど、
ちょっと強引だったかな?ごめん、
俺ばかり浮かれてたよ。」
潤はこの時、自分自身経験した事のない
気持ちや感情に戸惑っていた。
相手に合わせてコッテリタイプ、
ベトベトタイプあっさりタイプ、
無関心タイプなど色々と仕事対応
するのだが、ともに対しては
どう接すればいいのかわからなかったのだ。
人生初、焦っている順だった。

「……ち、ちがうの。わ、私も
うれしいです。じゅ、潤さん、
ありがとうございます。
助けてくれたのに、お礼が
遅れてしまい、ごめんなさい。」
「ともちゃん。やっぱり可愛い。」
和やかな雰囲気の中、運転手さんとはちがう
別の人が潤さんに耳打ちをしていた。

「楽しい時はあっという間だね。
悔しい。仕事したくないよ。あぁ~。
仕事したくないなんて、初めてだ。
このまま、時間止まればいいのに。
ともちゃん、また、逢ってくれる?」
仕事したくないのが、初めて、なの?
あっ、逢いたいというのは…あっ、はい。
全くもって、同意見です。
コレ、ここは私の心の声そのままよ。
「は、はい。喜んで!!!」
私はまた、某居酒屋チェーン店のような
……以下同文。
「よかった。じゃあ、会社まで送るね。」
「えっ、い、いえ。もう、歩けますから。」
「ごめん。このまま居たいから。
あと少し、こうしていたいんだ。」
「……はい。(喜んで。)」
はい以外、心の中で棒…じゃなくて
某居酒屋チェーン店のような……以下同文。
お姫様抱っこで移動して、地下駐車場から
眩しい地上に出た私たち。
この時の空は秋天(しゅうてん) 
のように見えた。
(秋の空。秋の澄み渡った空。)

これから、あの2人に出くわす事になる
ともだったが……。
顔面偏差値が高い潤さん。
とも自身のドストライクゾーンの潤さんの
言葉が色々なところに焼けついてしまっていた。
「何かあったら…いや、何もなくても
連絡して欲しい。」
超イケメン、時間限定サービスタイムは
あっという間に終わり、気づけば
出社15分前に自分のデスクに着いていた。

潤さんがなぜ、こんな言葉をくれたのか
わからないままともは、仕事に就いたのだった。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...

MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。 ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。 さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか? そのほかに外伝も綴りました。

妻の遺品を整理していたら

家紋武範
恋愛
妻の遺品整理。 片づけていくとそこには彼女の名前が記入済みの離婚届があった。

迷子を助けたら生徒会長の婚約者兼女の子のパパになったけど別れたはずの彼女もなぜか近づいてくる

九戸政景
恋愛
新年に初詣に来た父川冬矢は、迷子になっていた頼母木茉莉を助け、従姉妹の田母神真夏と知り合う。その後、真夏と再会した冬矢は真夏の婚約者兼茉莉の父親になってほしいと頼まれる。 ※こちらは、カクヨムやエブリスタでも公開している作品です。

母の下着 タンスと洗濯籠の秘密

MisakiNonagase
青春
この物語は、思春期という複雑で繊細な時期を生きる少年の内面と、彼を取り巻く家族の静かなる絆を描いた作品です。 颯真(そうま)という一人の高校生の、ある「秘密」を通して、私たちは成長の過程で誰もが抱くかもしれない戸惑い、罪悪感、そしてそれらを包み込む家族の無言の理解に触れます。 物語は、現在の颯真と恋人・彩花との関係から、中学時代にさかのぼる形で展開されます。そこで明らかになるのは、彼がかつて母親の下着に対して抱いた抑えがたい好奇心と、それに伴う一連の行為です。それは彼自身が「歪んだ」と感じる過去の断片であり、深い恥ずかしさと自己嫌悪を伴う記憶です。 しかし、この物語の核心は、単なる過去の告白にはありません。むしろ、その行為に「気づいていたはず」の母親が、なぜ一言も問い詰めず、誰にも告げず、ただ静かに見守り続けたのか——という問いにこそあります。そこには、親子という関係を超えた、深い人間理解と、言葉にされない優しさが横たわっています。 センシティブな題材を、露骨な描写や扇情的な表現に頼ることなく、あくまで颯真の内省的な視点から丁寧に紡ぎ出しています。読者は、主人公の痛みと恥ずかしさを共有しながら、同時に、彼を破綻から救った「沈黙の救済」の重みと温かさを感じ取ることでしょう。 これは、一つの過ちと、その赦しについての物語です。また、成長とは時に恥ずかしい過去を背負いながら、他者の無償の寛容さによって初めて前を向けるようになる過程であること、そして家族の愛が最も深く現れるのは、時に何も言わない瞬間であることを、静かにしかし確かに伝える物語です。 どうか、登場人物たちの静かなる心の襞に寄り添いながら、ページをめくってください。

(完)百合短編集 

南條 綾
恋愛
ジャンルは沢山の百合小説の短編集を沢山入れました。

還暦の性 若い彼との恋愛模様

MisakiNonagase
恋愛
還暦を迎えた和子。保持する資格の更新講習で二十代後半の青年、健太に出会った。何気なくてLINE交換してメッセージをやりとりするうちに、胸が高鳴りはじめ、長年忘れていた恋心に花が咲く。 そんな還暦女性と二十代の青年の恋模様。 その後、結婚、そして永遠の別れまでを描いたストーリーです。 全7話

学園のアイドルに、俺の部屋のギャル地縛霊がちょっかいを出すから話がややこしくなる。

たかなしポン太
青春
【第1回ノベルピアWEB小説コンテスト中間選考通過作品】 『み、見えるの?』 「見えるかと言われると……ギリ見えない……」 『ふぇっ? ちょっ、ちょっと! どこ見てんのよ!』  ◆◆◆  仏教系学園の高校に通う霊能者、尚也。  劣悪な環境での寮生活を1年間終えたあと、2年生から念願のアパート暮らしを始めることになった。  ところが入居予定のアパートの部屋に行ってみると……そこにはセーラー服を着たギャル地縛霊、りんが住み着いていた。  後悔の念が強すぎて、この世に魂が残ってしまったりん。  尚也はそんなりんを無事に成仏させるため、りんと共同生活をすることを決意する。    また新学期の学校では、尚也は学園のアイドルこと花宮琴葉と同じクラスで席も近くなった。  尚也は1年生の時、たまたま琴葉が困っていた時に助けてあげたことがあるのだが……    霊能者の尚也、ギャル地縛霊のりん、学園のアイドル琴葉。  3人とその仲間たちが繰り広げる、ちょっと不思議な日常。  愉快で甘くて、ちょっと切ない、ライトファンタジーなラブコメディー! ※本作品はフィクションであり、実在の人物や団体、製品とは一切関係ありません。

敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています

藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。 結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。 聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。 侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。 ※全11話 2万字程度の話です。

処理中です...