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かなしい……。

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とある利用者様のお話。

「こっちからお日さんさすし、日当たり良い部屋やから、皆に良いねぇって言われるんよ。」
西陽がさす日当たりの良いお部屋。
遮光カーテンが無ければ、ちょっと……。

「(義理)息子が優しいし、娘は(仕事)忙しいけどこうして送ってくれたんよぉ。」
事業所から自転車で数分の距離。
一年に一度程度会いに来るのは孫娘。
欲しいと言った下着や梅干しは宅配。

利用者様の痴呆症がすすんだり、体調の変化によりレンタルしている介護ベッド、車椅子、歩行器など変更した方がいい時、その他とろもろ家族連絡が必要な時が多々あります。
実の子に嫌われている利用者様、義理の娘や息子様が家族様の連絡先だったり色々です。
一度の連絡ですぐに連絡が付くのはマレです。
中には、あまり関わりたくないとの事で連絡先が変更になったところもあります。
大正、昭和、平成、令和……。
複雑な家族構成、その時代に多かったらしい家族のカタチ。
私が働いていた高齢者専門住宅は、入居者様が割と裕福な方が多かったです。
家具もそこそこいいものです。
買い物日が決まっているのは仕方がありませんが、わりと皆様、定価で商品を購入します。
化粧水も割といいお値段の物を使用する方がいらっしゃいました。
お買い物代行で化粧品など一万単位。
美容院代もカットとシャンプーでわりといいお値段の場所に行ったり、洋服もクリーニングによく出したりしてました。

家族様からの差し入れも高級。
一つ4~500円する大福やら、高級なお菓子。
有名なみかんや、有名なものケース買い。
一粒500円以上するであろう、いちごも初めて食べました(笑)
昼ドラ並みの経歴の人もいました。
若い頃、この人たちはかなり苦労したんだと思うけどどんな感じで暮らしていたんかなぁと思う人がたくさんいました。

「ご飯まだ?」
食べた直後言われたりします。

「もう、眠いのよォ。お掃除、あなたがしてね。」
お掃除を一緒にするはずが、毎回掃除を嫌がります。

「お風呂入るのん嫌がる人おるの?こんなに気持ちいいのに、もったいないねぇ。」
お風呂にはいるのが邪魔くさいらしいので、入るまでが長いです。
お風呂入る2時間前から、ちょっとずつ声掛けします。

「あたたたたたたたたたた。腰痛いから無理やわぁ。」
掃除道具を見せると、急に身体のどこかが痛くなるみたいです。

トイレ介助、車椅子やベッドなどへの移乗
身体が密着するのは良くありますが、大変元気のよろしい方がいます。
胸やおしりも良く触ります。
普通のブラジャーをスポーツブラに変更しました。
触られたら
「残念、(ブラの)パットです。」
と言うと手を叩きながら笑う利用者様。
やはり確信犯のお触りでした。

ちがう方は、なぜか手を取り、手の甲に頬ずりや、手の甲にチュッされます。
「結婚しよう。」
プロポーズされた事もあります(笑)
旦那と子どもがいる事伝えたら、残念がり、翌日、ケース(仕事)で入ると、またプロポーズ。
あらま、どうしましょう(笑)
当時30代の私と90代の方。
イヤン、年齢差ありだわぁ。
モテ期?(笑)

もちろん触られたらいゃ~な感じですが、まぁ、男性なら色々あるんでしょう……。
90代から見るとその当時30代は、若い人になる。
おばちゃんの胸やお尻(胸は減って欲しくないけど)
触られて減るもんじゃないし、少しなら我慢するわ。
お腹のぜい肉は、意外と誰も触らない。
胸とお腹、下手すれば同じ高さだよぉ。

お腹の脂肪、減ってくれ!!
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