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考えてます。

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ハルトは、考えていた。
大きなドラーゴン・ゾーラとヒューゴの
実家の庭の畑にいた小さな可愛い
ドラーゴン・ゾーラの名前を……。
それを知らないヒューゴは、妊娠して
タマゴを抱えてるんだから、具合いが
悪いと勘違いしていた。
「偉大なるドラーゴン・ゾーラよ。我が妻の
ハルトは、体調不慮だ。だから、会話は
分からないが、1度家に戻ってもいいか?」
『ギュル?ルルー、グルグルグル、ググッ。
(体調?変わりなさそうだぞ、
家…巣のことか……。)』
「……?」


*ハルト(正道晴人)目線~

俺はドラーゴン・ゾーラの名前を
考えるのに必死になり、ヒューゴと
大きいドラーゴン・ゾーラの話を
きいていなかった。

「ハルト、大丈夫か?」
「う、うん…。」
ドラーゴン、ドラゴン、チーズ色…。
クリームチーズ色の白っぽいドラゴン…。
カッコイイ名前…。
「リームとキュイちゃん、大きい
ドラーゴン・ゾーラさんがリーム、
小さいのがキュイ、どお?」
「……。」
『我の名がリーム、我の番の名がキュイ。』
ぽわ~っと温かな光に包まれてしまった、
大きな身体のリームと、ピクニック用の
カゴに入ったキュイそして俺。
やがてリームとキュイの耳に黒い輪っかの
ピアス、俺にはクリーム色のような
透き通った不思議な色の指輪…。
しかも左右の薬指だった…。
「ゆ、指輪?!」
『我が主、契約は成った。生涯、
よろしくな。』
「な、な、なんでぇぇー。」


*ヒューゴ目線~

ど、どうしたんだ?
ハルトと大きなドラーゴン・ゾーラが
話をしているらしいが……。

ドラーゴン・ゾーラは、グルグル
唸ってるようにしか聞こえない……。
俺の妻は、可愛い上に凄すぎる。
この国は、複数婚を結べるが出来るなら
俺だけ…独り占めしたい。
だがこんなにも魅力的なハルトは
これから先も、色んな意味で目立つだろう。
ギルドマスターを辞めたが悔いわ全くない。
むしろ、辞めて正解かもしれない。
世界中から、可愛いハルトが狙われてしまう。
守りきらないといけない。
ハルトを寝る時も、お風呂はもちろん、
トイレの中でさえ1人にしてはいけない。
叶うならずっとこのまま、俺の腕の中で
収まっていて欲しい。
俺の宝は、あまりにも魅力がありすぎだ。

腕の中のハルトと、大きなドラーゴン・ゾーラ
、カゴの中で眠っているドラーゴン・ゾーラが
同時に光った。

ん?光る前、ハルトは何を言った?

「リームとキュイちゃん、大きい
ドラーゴン・ゾーラさんがリーム、
小さいのがキュイ、どお?」
「……。」
ヤバイ。名付けは、契約……。
契約獣や使役獣…召喚獣もあるが、
今回、召喚はしていないから
違うだろう。
お互いの会話でどんな契約だったんだ?
ハルトのしたい事は、可能な限り
させてあげたいが……。
これは、国にもかかわる案件だ…。
   ・    
         ・
「ゆ、指輪?」
『グルッ、グルグルググッ。ググ、
グルグルグッ。』
「な、な、なんでぇぇー。」
「ハルト?何が指輪なんだ?」
ハルトの指を見ると、確かに
ドラーゴン・ゾーラ色の契約の指輪があった。
冒険者なら憧れの指輪だ。
しかも、ドラーゴン・ゾーラは知能も高く
S級でも、契約を交わすのが難しい。
伝説では、過去に1人契約したらしいが
人物名の資料もなく、眉唾ものだ。

「指輪…。俺がいた世界では、結婚や婚約は
ピアスじゃなくて指輪が多いんだ。そして
その結婚と婚約の指輪をする指が…
薬指についていたから……。」
「何っ、婚約や結婚…契約したのか?」
「えっ?えっと…。確か…リームに
『我が主、契約は成った。生涯、
よろしくな。』って言われたけど、
これって、何の契約?」
「……。」
俺は気持ちを落ち着かせようとした…。

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