異世界に来ちゃったよ!?

いがむり

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第1章

(6)ある日森の中、出会った。④

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私は235番。性別は女で年齢は恐らく17歲。ファクトリーという場所でたくさんの子ども達と白衣を着たシスター達と一緒に暮らしていたんだ。今は森の中だけどね。
子ども達は元気かな?寂しい思いしてないといいな。シスター達も優しかったし、いつもの実験はちょっと痛いけどそれ以外は大丈夫かな。

そういえば、前にシスターが言ってたっけ?「もし、この実験が成功して、いつの間にかこのファクトリーとは別の場所にいたら“異世界に来ちゃったよ!?”って真っ先に言うのよ」って。凄い念を押してたけど何か意味があるのかな?




「う………うーん…」

『あっ!やっと気づいたのね』

そこにいたのは、さっきの精霊さん達。2人は上下左右に飛び回っていた。

『急に頭を蹲って倒れたんだもの、びっくりしたわ!』

『早く、精霊王にお伝えしましょ』

『そうねそうね』

そう言うと、2人とも私をそのままにして精霊王様を呼びに行っちゃった。

1人になった私は、シスターに真っ先に言わなかったことを心の中で謝りながら呟いた。

「いしぇかいにきちゃっちゃよ!?」







『心配したぞ。もう大丈夫なのか?』

精霊王様は私の頭を撫でる。優しい手だなあ。

『2日、寝込んでいたな』

「え……ふちゅか、でしゅか……」

見ず知らずの私を2日もいいベッドで寝かせてくれるなんて……。

「ありあと、ごじゃいましゅ!それと、こんなにいいベッドをおかりしてしまっちぇ、ごめんなさい」

精霊王は驚きの表情を浮かべる。

『幼子にしては賢いな』

精霊王様はまた私を撫でる。本当は17ですからね。このくらいの頭は回りますよ。

《おーい、まだかのお?》

遠くから聞いた事のない声が聞こえる。

『お前をずっと待っておった奴だ』

『おい、奴を呼んで来てくれ』

精霊王様は1人の…いや、1匹の精霊さんに頼む。

『ショウチ……シマシタ』

頼まれた精霊さんはフワフワとどこかへ行っちゃった。

「まっちぇたやちゅって、だありぇ?」

『ああ、奴はグリフォンでな、まあ大きな鷲だな。長寿だからここら辺の事はよく知っておる』

へぇー、大きな鷲……そういえばシスターが、神の御五柱の眷属だって言ってたね。
「ごにんのかみしゃまのけんじょくしゃま?」

『ああ、そうだ。よく知っているな』

「シスターがいっちぇちゃの!」

『そうか………』

精霊王様はなぜか悲しげに私を見た。






《おお、可愛い人の子よ。わしはグリフォンじゃ。あのじじ……アビラスに頼まれてお主の面倒を見ることになったのじゃ》

大きなグリフォン様は私に顔を近づけて、自己紹介してくれた。本当に大きい………。

『その姿、ここでは不便だろう?』

《……仕方ないのお》

ピギャとグリフォン様が言うと光りだして、私は目を瞑った。

《眩しかったろう、目を開けて良いぞ》

私はゆっくり開けると、精霊王様と同じくらい小さくなっちゃった!

「ちょっとちいしゃい!」

『全く…人の子と同じくらいになれば良いものを』

《だって、威厳がある方が良かろう?》

『お前は威厳より貫禄の方があるがな』

《なっ!それは、わしが老いておるように聞こえるのだが!?》

『実際この中で1番長寿なのはグリフォン、お前だぞ』

《ぬう……》

精霊王様とグリフォン様は面白いなあ。私はクスクス笑い出す。それを精霊王とグリフォンは優しく見つめていた。






彼女が眠っている間、精霊王はグリフォンにさっきまでのことを話した。

《そうじゃったか……もしかすると、神が落としたときに記憶が混乱したのかも知れぬなあ》

『そうだな、私も知らなかったとはいえ配慮に欠けることをしてしまった……』

《まあ、目が覚めれば少しは整理がついておろうよ》

『そうだと良いのだがな。それに幼体に魔法を使うと成体より効きめが強い。夕暮れには起きて欲しいものだが……』




そうして彼女が起きるまで2日かかったのであった。


◇◆◇◆◇
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あ、もう嬉し過ぎてスライムに………。

……はっ!とろけかけました……。
いつも見てくださっている方も屋そうでない方もありがとうございます!これからもどうぞよろしくお願いいたしますm(_ _)m

あ、やっぱりとろけるぅ~。
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